12月11日(日本時間12日)、ロサンゼルス・ドジャースが大谷翔平投手(29、以下敬称略)と契約合意したことを正式発表。エンゼルスからフリーエージェント(FA)になって1か月以上、ようやく2024年シーズンをプレーするチームが決まった。
メジャー史上最高額となる総額7億ドル(約1022億円)の10年契約で、何事もなく契約満了となれば40歳を迎えていることから実質上の「生涯ドジャース」。
「ロサンゼルスで優勝パレードすることを目標」球団を通じてファンに送られたコメントから察する通り、すでに身も心も“ドジャーブルー”に染め上げて来シーズンの全力プレーを誓ってみせた。
今年の本塁打王に2度目のMVP獲得と、実績はメジャーリーグを代表する選手のひとりに数えられるが、個人タイトル以上に欲していたのはワールドシリーズ優勝。それを実現できるのがスター選手揃いの強豪・ドジャース。
慣れ親しんだロサンゼルスに本拠地を構えるチームだけに、これ以上ないプレー環境に思えるが、「これまで経験のない超ド級のブーイングを浴びるかもしれません」とはメジャー事情に精通するスポーツライター。ナイスガイ・大谷に限ってそれはないように思えるけども?
LA『フリーウェイ・シリーズ』
「同じロサンゼルスをホームにするドジャースとエンゼルスは古くからライバル関係にあり、両チームによるゲームは、互いの本拠地を繋ぐ高速道路にちなんで『フリーウェイ・シリーズ』と呼ばれ、特にプライドをかけた負けられない戦いになるのです。
また“エンゼルスはアナハイムのチーム”と、頑なに“ロサンゼルス”と呼ばない熱狂的なファンもいるのがドジャース。とにかく両チームのことになると野球熱がグッと上がるんです」
近年こそドジャースが優位に立つチーム状況だが、『フリーウェイ・シリーズ』に限ってはアウェーチームのファンがホームチームのスタジアムを占拠するかのように、フリーウェイに乗って雪崩れ込んでくるのが日常のよう。
「本拠地のエンゼル・スタジアムにもかかわらず、スタンドを青く染めたドジャースファンから特大ブーイングを浴びせられる大谷選手のシーンが幾度となくありました。
そして来シーズンは逆にアナハイムはもちろん、ドジャースタジアムのゲームでもエンゼルス残留を期待していたファンから“裏切り者!”とばかりにブーイングを浴びせられるかもしれません」(前出・スポーツライター、以下同)
中心選手がライバル球団に
ファンの期待を背負って応援される野球選手だけに、しかもチームには欠かせなかった中心選手のライバル球団への移籍だけに、ファンのがっかり感や怒りは当然と言えば当然か。
「メジャーにブーイングはつきもので、デッドボールやエラー、気の抜けたプレーには自軍であろうと容赦ありません。一方で、マウンドやバッターボックスに立つ度に浴びるブーイングは、目の肥えたファンからゲームの重要プレーヤーと認められた証でもあります。
それにプレーと人柄でエンゼルスファンを虜にした大谷選手ですよ。『フリーウェイ・シリーズ』でファンから浴びる特大ブーイングはメジャーの“お決まり”として、一転してスタジアム内は拍手と大歓声に包まれると思いますよ」
ドジャースの公式発表後、エンゼルスの公式X(旧ツイッター)に投稿されたのは《THANK YOU SHOHEI OHTANI》との6シーズンプレーした大谷への感謝と敬意。プレーもさることながら、メジャー級の愛され力も大谷の魅力だ。