12月14日、フリーエージェント(FA)権を行使していた山川穂高選手(32、以下敬称略)の、福岡ソフトバンクホークス移籍が決定的になったことを『西スポWEB otto!』が先陣を切って報じた。
11月に公示されてから1か月、かねてから移籍確実と目されながらも音沙汰なかった山川だが、“西スポ”報道がなされると即、各スポーツ紙も4年総額16億円、20億円などの大型契約などを含めた独自情報を出している。
本塁打王3回、打点王1回と実績も申し分ないプロ野球界を代表するスラッガーの1人。読売ジャイアンツを自由契約になって中日ドラゴンズ入団が決まった中田翔(34)とともに、ストーブリーグの“目玉”として去就が注目された山川。
12月5日には他球団との交渉に進展なしと見られたことを受けて、「全然あるよ。宣言残留は」と埼玉西武ライオンズ残留の可能性も示していた渡辺久信ゼネラルマネジャー。しかし、水面下ではソフトバンクとしっかり交渉を重ねていたようだ。
今回の移籍“決定”報道は寝耳に水だったのだろう。西武の飯田光男球団本部長は「何も連絡きていないです。本当に待つしかないですよね。こればかりは仕方ない」などと、スポーツ紙の取材に困惑の表情を浮かべ、山川サイドから一切の連絡がないことを明かした。早々に残留条件を提示していた古巣を1か月間待たせていたようだ。
西武ライオンズ、ファンへの不義理
この事実が伝えられるとSNS上では、
《プロ入りからお世話になり、不祥事で迷惑かけた西武ライオンズ、ライオンズファンに対しての対応をキチンとしてから、移籍の話という順番でないとあまりに不義理》
《山川いかんだろ どんな理由があっても連絡はしなきゃ 戒めだの何だの言ってもそういうところきちんとしなきゃ自分の首を絞めるだけ》
ネットユーザーや野球ファンから、西武への連絡、報告なしにソフトバンク移籍を決めたことが不義理と指摘される一方で、
《結論が出たのなら連絡入れるのが普通ですが、現状は新聞屋さんが勝手に先走って結論が出たと言ってるだけなので、山川が西武に連絡を入れるのはもう少し先の話だろう》
あくまでも移籍報道はソフトバンク、山川サイドの公式発表からではなく、スポーツメディアによる情報でしかないとの冷静な意見も。
一報を打ったのは福岡の地元紙
球団やファンを一喜一憂させた『西スポWeb』だが、パ・リーグを取材するスポーツライターによると“地元紙”ならでは一報だったとも。
「番記者の間では山川のホークス移籍は“確定”事項で、後は球団からの“GOサイン”を待つばかりでした。そして深夜、1番にネットニュース記事を出したのが福岡に本社を置く西日本新聞。他紙もわずか数分差で続いていますが、この“差”こそがスポーツメディアにとって重要でホークスとの近い関係を示しているとも言えます。
現状は大筋の契約合意に至ったばかりで、公式発表は週明けを予定していたと聞きます。山川にしてみれば正式決定の時点でライオンズに断りの連絡を入れるはずだったが、移籍前に思わぬ地元紙の“洗礼”を受けたということでしょう(苦笑)」
すっかり袖にされた格好の西武だが、先の飯田球団本部長によると「現状、処分もそのまま。処分しているというところ」と、球団が科した“公式戦無期限出場停止処分は未解除のまま”と釘打たれた山川。
古くは南海ホークス、福岡を本拠地にしていた西鉄ライオンズ時代からしのぎを削ってきた両軍。2024年シーズンは新たな因縁が生まれそうだ。