クリスマスや年越しに向け、食材を買い込む時期。キッチンまわりが大渋滞の人も多いのでは?そこで週刊女性でおなじみの整理収納アドバイザー・牛尾理恵さんが片づけ法をアドバイス!フードロスをつくらない動線に合わせた「モノの配置が得意」な牛尾さんのご自宅キッチンを突撃取材!
調理動線を意識した収納で使いやすさ&効率アップ!
回遊動線に合わせたキッチン収納
整理収納アドバイザーとしての一面も持つ牛尾理恵さんは、自宅のキッチンを仕事場としても利用している。
「料理撮影をするときはアシスタントさんが来ることもあるので複数人が動き回れるよう、10数年前にリフォームしました。隣の部屋をつぶし、中央に作業テーブル兼収納棚を作りました。
モノはできるだけ増やさないようにしているので、引っ越してきたときから物量は変わっていません」(牛尾さん、以下同)
驚くほどスッキリし、磨かれたキッチンは調理の流れにそってムダなく動けるよう、動線上に調理器具や食品、調味料、器などを収納している。
「例えば、シンク横の水切りカゴの下にある引き出しには、よく使う洗剤類、生ゴミ用ネットとそれを入れるポリ袋が入っています。ガスコンロ周りで使うものは、ガスコンロの近くに。自分がキッチンでどう動くかを考えて常に収納するようにしています」
固定観念にとらわれず、取り出しやすく戻しやすい収納を心がけている。
「うちでは使用頻度が高い密閉容器は、すぐ料理を詰められるようシンク下が定位置。時には夫の弁当箱も保存容器に転用。モノの用途も限定せず、フレキシブルに考えています」
家にあるモノで代用し、スペースをつくる
牛尾さんのキッチンにはゆとりや空きスペースが多い。
「ギチギチに詰め込んでしまうと、取り出しにくくなってしまう。そうなると、使う機会が減ったり、持っていることを忘れてしまったり。それはもったいないので、日頃からこまめに引き出しや棚の整理をしています。
洗剤なら『油汚れ専用』『お風呂用』など、用途が限定されるものは、できる限り買わないように。家にあるモノで代用すればスペースも有効に活用できるので」
調理家電もかさばるホットプレートは持たず、食卓で夫と焼き肉をするときはカセットコンロとフライパンを使う。
「ホットプレートも自宅で焼き肉をするのが多い家族なら費用対効果がいいでしょうが、私たちはほとんどしないので持っていません。ミキサーはわざわざ買わなくてもハンドブレンダーで代用。コーヒー豆もひけますしね。
そのせいか料理研究家にしては調理家電が少ないほうだと思います」
最新の調理家電は見るとつい欲しくなってしまうが、本当に必要なのか迷うなら、購入前にレンタルして一度使ってみるのも手、という。
自分が続けやすい収納方法を見つけて
牛尾さんがモノを増やさないのは、「ラベリング」が苦手という影響が大きい。
「子どものころから片づけや掃除は得意なほうですが、1つずつに名前を書いて分けるようなラベリング作業だけはどうも面倒で(笑)
それで、スパイスなら空き瓶を逆にして中身がわかるようにしたり、透明な密閉容器に袋ごと塩や砂糖、片栗粉などをパッケージごと入れて、そうしなくてもわかるようにしています」
牛尾さんの収納法は中身がわかるだけでなく、残量も一目瞭然なので、買い足すタイミングもつかみやすく、余計なモノを買うこともない。
「引き出しなどは詰め込んでしまうと、よく見えなくなってしまうので隙間をつくったほうがいいですね。整理術は人それぞれなので、自分に合っているものだけ取り入れればいいと思いますよ。
好きなものを厳選して、必要な分だけを買うことを心がける。それだけでも、キッチンの整理整頓につながります」
仕切り板なしで見やすい引き出しに!
賞味期限の長い乾物や缶詰類はまとめて保管
常温保存ができる食材やレトルト食品などは、ひとまとめに。使いかけのものは、中身が見える密閉袋に入れておくと使いやすい。これも、和・洋・中や、みそ汁用のセットなど、よく使う“仲間”ごとに分けておくと便利だ
瓶の調味料は縦のラインに“仲間”を並べる
和食、洋食、中華や種類などでジャンル分けしたものを縦ラインに並べるとわかりやすい。この“仲間分け”はその時々で変える。調味料ストックは奥に。
スパイスは空き瓶に入れ逆さにするとわかりやすい
よく使うスパイス類は中身がわかるよう、空き瓶に移し逆さに。ラベリングも不要なうえに残量もわかりやすい。市販のスパイス瓶は横にして収納すると品名が一目瞭然。
文/鶴町かおり