改革への第一歩なのだろうか。12月15日に宝塚歌劇団が公演日程の見直しを発表した。
「亡くなった劇団員のAさんが過重労働を強いられていたことを受け、過密スケジュールの改善を図るとしています。週10回の本公演を週9回に減らし、2024年1月から3月までの新人公演を東京だけにするなどの内容。唐突な発表に対し、すでにチケットを購入していたファンからは、不信感と憤りの声も多いようです」(スポーツ紙記者、以下同)
“宝塚には分厚いベールがあります”
混迷する劇団運営を憂い、元宙組所属の七海ひろきが声を上げた。
「12月9日、『今の私の思い』と題した動画を自身の公式YouTubeで公開。世間の常識から外れた宝塚の風土について語りました。“宝塚には分厚いベールがあります”“タイムスリップしているくらい、時代の感覚が異なる世界”と指摘しています」
七海自身も在籍期間が長くなるにつれ、“夢を守らねば”と考えるようになり、内実を語ることは避けるようになったと述べている。
「彼女は厳しい規律が必要であるとも言っています。舞台上でとっさの判断が必要になったとき、意見が割れないように“普段から上級生の意見は絶対”との説明でした。こうした宝塚の異常な風土は、“時代に合わせて変化できないまま年月がたち、109年続いてきた宝塚の歴史の積み重ね”によるものではないかと推察していました」
『週刊女性』は2号にわたって宙組の“いじめ体質”をつくった真風涼帆の素行を報じた。娘役の星風まどかを執拗に責め続けて追い出すなど、横暴な振る舞いが多かったのだ。ただ、それ以前にも異常なシゴキがあったらしい。
「真風さんより2つ前の男役トップスターだった凰稀かなめさんも“強烈”でした。相手の娘役を深夜まで残し、壁の前に立たせて靴を投げたりして“指導”していましたから。凰稀さんも真風さんと同じ星組出身で、団員たちに影響を与えていたのだと思います」(宝塚関係者、以下同)
パワハラ連鎖を生んだ長きにわたる“独善主義”
負の連鎖は続いていく。いじめを受けていたタカラジェンヌは、自分が上の立場になると後輩をいじめるようになっていったという。
「真風さんがいじめていた芹香斗亜さんですが、かなり気が強い性格。気にいらない下級生を無視することもよくありました。さすがに目にあまり、真風さんが“団員を無視して組の和を乱さないで”と訴えたことも。芹香さんは“私は悪くない! 私は頑張っているのにそう受け取る周りが悪いのよ”と開き直っていましたね」
宙組崩壊の元凶とされていた真風すらも、気の強い後輩に悩んでいたというのだ。
「自分のいじめ行為を棚に上げて、悩んでいたと言われても困りますけどね。芹香さんは後輩の天彩峰里さんに対し、凰稀さんと同様の激しいパワハラを繰り返していました。その天彩さんが、亡くなったAさんに対しヘアアイロンを押し当てるなど、いじめを行っていたのです。凰稀さんから天彩さんまで、悪い慣習が受け継がれてしまいました」
個人を咎めるだけでは不十分なことは明らか。パワハラ連鎖を生んだ長きにわたる“独善主義”を絶たなければ宝塚の再生はない。