12月8日に発表された、旧ジャニーズ事務所のタレントマネジメントやエージェント契約を担う新会社『STARTO ENTERTAINMENT(スタートエンターテイメント)』。その社長には、福田淳氏が就任した。
「役員には、井ノ原快彦さんも名を連ねています。福田氏は、すでに木村拓哉さんをはじめとする多くの所属タレントとの面談を済ませており、年内には全員と会うことができるよう調整を進めているそう。体制の整備や業務の引き継ぎを進め、2024年4月の全面稼働を予定しています」(スポーツ紙記者、以下同)
社長就任が発表された後、福田氏は『週刊文春』など複数のメディアの取材を受け、展望を語っている。
「タレントのやりたいことをサポートする“タレントファースト”を強く謳っています。また、退所したタレントも“出入り自由”だと宣言。さらに、“共演NGなし”ということも打ち出していました」
およそ1000万円
一方、故・ジャニー喜多川氏による性加害の補償を進めるのが『SMILE―UP.』だ。12月1日に、被害者への補償金の支払いが始まったと発表。その時点で、23人への支払いが完了したという。
性被害を受けた元ジャニーズJr.のA氏は、補償内容の提示を受けたばかりだ。
「9月下旬に申請フォームから被害内容を送って、11月中旬に弁護士からの聞き取りが行われました。被害の詳細だけでなく、現在抱えている悩みについても聞かれました。その後、補償内容の連絡が来たのが12月上旬です」(A氏、以下同)
金額が書かれた書面が、メールに添付されて届いたそう。そこに書いてあったのは、およそ1000万円。
「僕は合意したので、一括で振り込まれるそうです。一部で、補償金額は最高で500万円とも報じられていたので、かなり高額で驚いています。もちろん、金額がすべてではありませんが、少しは救われたような気持ちになりました」
『SMILE―UP.』が特設サイト上で公開している、「補償金額算定に関する考え方」という資料によると、
・被害の程度、凄惨さ
・その後の生活や人生への影響
の2点を鑑みて、補償内容が決まる。
「周囲の話を聞くと、少ない人でも500万円程度は提示されているようです。テレビや新聞で200万~300万円が相場として推測されていましたが、その2~5倍ほどの提示で納得している人が多い印象です」
ただ、すべての被害者への補償が順調に進んでいるわけではない。
「11月上旬に被害を申請したのですが、まだ何の連絡も来ていないんです」
こう語るのは、別の元ジャニーズJr.のB氏だ。
「僕より後に申請して、もう金額の提示を受けている人もいるみたいで……。どのように補償の順番が決まっているのか知りたいです」(B氏)
躍進する“辞めジャニ”たち
こうした状況もあってか、テレビ局や各企業は、旧ジャニーズタレントの起用にはいまだ消極的だ。
「スポンサーがいい顔をしませんから、来年4月クール以降のドラマでは旧ジャニーズタレントの出演予定は減少しています。また、多くの企業での広告起用も白紙になっていると聞きます」(芸能プロ関係者)
新会社の社長となった福田氏は、11日にテレビ局に説明に出向いたという。
「だからといって、すぐに“全面解禁”とはならないでしょう。ひとまず、補償や人権問題の改善状況を注視しているようです」(前出・スポーツ紙記者、以下同)
まだまだ、厳しい状況が続きそうだ。そんな中、旧ジャニーズ事務所を退所した“辞めジャニ”たちは、順調な仕事ぶりを見せている。
「山下智久さんは、主演を務めるNHKドラマ『正直不動産2』が1月からスタートします。さらに、4月クールにフジテレビ系で放送される、人気マンガ『ブルーモーメント』の実写化ドラマでも主演が内定しています」
錦戸亮も、今年5月からNHK BSプレミアムで放送された『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』で連ドラ復帰。春には民放にも帰ってくる。
「山下さんとは別の4月クールのフジテレビ系ドラマに、重要な役でキャスティングされています」
『TOBE』の快進撃
そして、大躍進を見せているのが、滝沢秀明率いる辞めジャニの一大勢力となっている『TOBE』だ。
「今年8月に合流したばかりの元ジャニーズJr.大東立樹さんは、早速10月クールの日本テレビ系ドラマ『秘密を持った少年たち』に出演中。さらに、元『IMPACTors』こと『IMP.』は、日本テレビ系の音楽特番『ベストアーティスト2023』で地上波初出演を果たしました」
元V6の三宅健と元Kis―My―Ft2の北山宏光は、バラエティー番組『オドオド×ハラハラ』(フジテレビ系)の1月放送回にゲスト出演することが発表された。
それだけでなく、未解禁の仕事も複数抱えている。
「元King & Princeの3人によるユニット『Number_i』の神宮寺勇太さんは、来年4月クールのドラマにキャスティングされていると聞いています」(テレビ局関係者、以下同)
そして、ファン待望の、
「岸優太さんの合流を発表した“聖地”ともいえる東京ドーム公演も予定しています。『TOBE』ファミリーが大集結して、3月に“スリーデイズ”で行われるそうですよ。元キンプリのメンバーがコンサートのステージに立つのは、およそ1年半ぶりになります」
旧ジャニーズは、多くのタレントが集結する大みそか恒例『カウントダウンコンサート』の開催を見送った一方で、『TOBE』は快進撃が止まらない。
「少なくとも、新会社の体制が整って性被害者への補償が大幅に進むまでは、旧ジャニーズタレントの仕事の状況が改善するとは考えづらい。その間に、『TOBE』のタレントがテレビや音楽チャートを席巻するといったことが起こりうるかもしれませんね」
滝沢が思い描いた“夢物語”が現実となり、図らずも旧ジャニーズの未来を脅かそうとしている─。