タレント・美奈子のユーチューブチャンネル「美奈子ファミリーTV」が人気だ。
美奈子といえば“ビッグダディ”林下清志の元妻。一時は“ビッグマミィ”とも呼ばれ、自伝『ハダカの美奈子』は中島知子主演で映画化もされた。1男7女の母であり、40歳にして2人の孫を持つ祖母でもある。
衝撃展開を迎えるも
動画チャンネルの登録者数は28・7万人。現在、飛ぶ鳥を落とす勢いのグループユーチューバー・ちょんまげ小僧の登録者数が約150万人なので、かなりの注目を集めているといえる。
「今年3月から大手ユーチューバー事務所『Kiii』と契約。順風満帆に見えましたが、7月に第7子、第8子の父である元プロレスラーの夫・佐々木義人氏と別居。引っ越しの現場に警察官が立ち会っていたことや、美奈子が佐々木氏からDVを受けていたことも報道されました。直後に“大家族の新たなる出発”というタイトルで動画を作成していますが、離婚については明言していません」(芸能記者)
そんな衝撃展開があったものの、5か月たった現在の動画はいたって平和だ。最近では“今年はいい年だった”と感想を述べるシーンも。
夫の姿はなくとも美奈子、離婚した長女と孫2人を含めた総勢11人の大家族。ほのぼのとした日常を追った動画のコメントでは《キララちゃん美人》《昔からライムちゃんが好きなんよ》など、子どもたちそれぞれの名前を挙げて推すファンも多い。12月5日からは書店『ヴィレッジヴァンガード』で美奈子ファミリーTVのオリジナルグッズの販売がスタートした。
女性にも男性にもウケる要因
人はなぜ美奈子とその家族に惹かれるのか? 専門家にその心の内を聞いた。
「格差社会がすごい勢いで進行している今、多くの人が不安を抱えて生きています。扶養控除のカットや増税で日々の暮らしが苦しくなる中、強くたくましく生きる美奈子さんの姿がウケるのでしょう」
とは神奈川大学教授、心理学者で心理マネジメント研究所も主宰する杉山崇先生。
「昨今のドラマなどでも、主要人物は貧困層であることが多い。富裕層が主人公では感情移入ができません。むしろ現実の自分の立ち位置に不安を感じるのです」(杉山先生、以下同)
国民の中に無力感が漂う状態だからこそ、明るく生きる美奈子に救いを求めるという。
「夫頼みの人生に嫌気がさした女性視聴者には、夫に頼らず子育てをする姿が希望に。また、自分のかい性のなさを嘆く男性視聴者にも“自立した、頼れる女性像”として支持されるのだと思います。美奈子さんの共感されやすいキャラもいい。もちろんプロが作った動画なので、キャラづくりもしっかりとできているのだとは思いますが」
以前は多かった“大家族もの”のテレビ番組が減ったことも要因のひとつだそう。
「“大勢で楽しそうに暮らす家族の姿”というのは今なかなかお目にかかれないもの。大家族のほのぼのとした日常は『サザエさん』を見る安心感に通じるのでしょう」
とはいえ、たびたびネットニュースに上がる美奈子にはアンチのコメントも多い。
「アンチもファンのうち。どこか惹かれる部分があるから見てしまうのでしょうね」