“側溝男”が以前、行っていた犯行の手口 イラスト/こうき

「生まれ変わったら道になりたい」

 8年前、道路の側溝に潜り込んで女性のスカート内を覗き見ようとして逮捕された男(36)が今年9月14日、兵庫県警に性的姿態撮影処罰法違反の疑いで再び逮捕された。男はまたもや「道」になろうとしたようだ。

「署内では“またあいつか”の声が上がったようです。8年前の事件時は女子大の近くにある深さ約60センチ、幅約50センチの側溝に午前3時から入り込み、5時間も身を潜め、女性のスカートの中を覗くことに性的興奮を覚えていたとか。本人もやめたいのにやめられない、と供述していたといいます」(全国紙社会部記者、以下同)

 これで3度目の逮捕となった“側溝男”。

「今回はスマホを側溝に仕掛けていて、そのスマホを落ちているものだと思った女子生徒が拾ったところ、動画モードになっていたことから不審に思い、兵庫県警東灘署に届け出たことから発覚しました」

 男が最初に逮捕されたのは、'13年6月、2年後の11月には冒頭の事件で逮捕されている。

「彼は温厚で優しい性格だといい、周囲の人間からも慕われています。家族がサポートしリハビリに励んでいたものの、特殊な性癖だけはどうしようもないようで、“どうしても入ってしまう”と話していたようです。性癖が犯罪につながるものでさえなければ、と2度目の逮捕時に周囲の人間は話していたそうです。それでも今回は8年もの間我慢したのだからサポートの効果もそれなりにあったのではないか」

性犯罪の再犯率は「とても高い」

 一方、12月12日にはスーパーの男子トイレで小便器用の「目皿」を盗んだとして、島根県松江市の男(32)が、保護観察付き執行猶予4年の判決を受けた。

好みの顔の男性の尿のにおいを嗅ぐことで性的欲求を満たしていたといいます。小便器の排水口についている部品を目皿といって、これを1個盗んだことで逮捕されたのですが、初めて聞く犯罪でした。被害額も1000円ほどで、世の中に実名と性癖がバレてしまうというのは少しかわいそうな気も」

 逮捕されることで実名報道という社会的制裁を受けても、やめられない性癖。抜本的な解決策はないのだろうか。心理カウンセラーの小日向るり子さんは、

「私のところにも痴漢や盗撮で捕まって犯罪を繰り返さないために、カウンセリングを受けにくる患者さんがいます。まだ犯罪は犯していないけれど、誰かに吐き出さないとやってしまいそうで怖いという方も。そういう方には、どんなときに欲求が起きるのか行動記録をつけてもらい、どう考えれば防ぐことができるかという『認知行動療法』を行うこともあります。他には、そういった行為を擬似体験できる風俗店を紹介する場合も。それでも性犯罪の再犯率は全体の14%くらいといわれ、とても高いです。再犯をしない人には、家族や見守ってくれる人の支えがある場合が多いですね」

 稲垣吾郎主演の映画『正欲』では、水しぶきに性的興奮を覚える役どころを新垣結衣や磯村勇斗が演じた。

「特殊性癖を持つゆえに生きづらさを抱えている人が映画で描かれるくらい、オープンになるのはいい傾向だと思います。特殊なのは自分だけじゃないと思えることは犯罪の抑止力になると思います

 道になりたい男や尿を嗅ぎたい男も、どこかで誰かを勇気づけているのかもしれない─。