東京宝塚劇場

「一定のご理解をいただくことができたと考えております」

 12月22日、今年9月に宙組に所属する劇団員が死亡した問題で、宝塚歌劇団は遺族側と2度目の面談を行い、コメントを発表した。

「宝塚は11月14日に、亡くなった劇団員に対する上級生からのパワハラは“なかった”とする調査報告書をHPに掲載していましたが、遺族側の強い反発を受けて削除しています。遅くとも来年1月半ばまでには再び面談の機会を持つ見通しで、今後の宝塚の対応にも注目が集まっています」(全国紙記者)

 改革への動きは着々と進んでおり、公演スケジュールや稽古スケジュールの過密回避のため、すでにいくつかの公演中止が発表されている。

相次ぐ公演中止

「12月15日には、週10回の本公演を週9回に減らし、2024年1月から3月までの新人公演を東京だけにするなどの対応を発表。さらに22日には、2024年に予定していた110周年記念式典などを中止すると追加で発表しました。

 また、いまだ公演再開に至っていない宙組については、“安全に公演ができる体制が整わない”とし、2024年3月までの公演を中止としています」(スポーツ紙記者、以下同)

 人事の面では、宝塚歌劇団と宝塚音楽学校の両トップが辞任に追い込まれた。

「12月1日付で、劇団の理事長を務めていた木場健之氏が引責辞任。同日付で、阪急阪神ホールディングス会長の角和夫氏が音楽学校の理事長を辞任しています」

 そんな中、ひっそりと理事を退任していた人物がいる。

演出家の藤井大介氏ですね。木場氏や角氏が理事長職から退いた12月1日に、劇団の理事を退任しました

 なぜ藤井氏は退任したのだろうか。

“不謹慎飲み会”

『週刊文春』に“不謹慎飲み会”を報じられたことが原因ではないかと見られています。劇団員が亡くなったことで、多くの劇団員がショックを受けている最中、藤井氏は宝塚大劇場内の5階リフレッシュコーナーに酒を持ち込み、生徒たちに勧めたとか。劇団は事実を認めていますが、理事を退任した理由については“公表を差し控える”としました」

『週刊文春』の報道では、「稽古場に酒の入った水筒を持参する」「アルコール依存症を疑う声もある」とされていた藤井氏。理事退任後も演出家として作品に携わるかは未定とされていたが、

来年4月12日からの雪組公演『Gato Bonito!!』に“作・演出”として、藤井氏の名前が載っていますよ。12月22日には出演キャストも発表されていますが、藤井氏の名前はそのまま。理事は退任しましたが、劇団を去ったわけではないみたいですね

 劇団のHPを確認してみると、公演案内には確かに藤井氏の名前がクレジットされている。

作・演出には確かに藤井大介氏の名前が(宝塚歌劇団公式HPより)

『Gato Bonito!!』について、藤井氏から演出家を変更する予定はないか、宝塚歌劇団に問い合わせたところ、

「現時点では変更ございません」

 との回答だった。

「“不謹慎飲み会”報道が出た直後に、理事を退任した藤井氏をすぐさま現場に戻すのはどういった判断なのか……。せめて退任理由を明らかにしてから、というのが本来の筋なのではないでしょうか」

 宝塚ファンの間では、藤井氏の作品に対する評価が高いだけに、同じ過ちを繰り返すことはやめてもらいたいものだ。