年末年始、おうちでのおこもり時間が増えると、ついついスマホでポチッとネットショッピングしたくなる。そこで気になるのが、最近若い世代に人気の海外激安通販サイトだ。
利用してみたいけど、「安かろう悪かろうじゃないの?」「配送ミスなどに日本語で対応してもらえる?」など、トラブルが怖くて手を出せないという人も多い。
しかしネット通販コンシェルジュの遠藤奈美子さんは、それは杞憂(きゆう)だと言う。
「品質はアマゾンなどと比べて遜色ありません。むしろ、同じ商品を半額以下の値段で売っていたりしますよ。私はアマゾンで欲しいものを見つけたら、同じものを海外通販で探して購入するようにしています。
『翌日配達』というわけにはいきませんが、時間に余裕があるなら、明らかに海外通販で購入したほうがお得です」(遠藤さん、以下同)
日本ではアマゾン、Yahoo!ショッピング、楽天市場の3社が長らくオンラインショップのトップを走ってきたが、これに海外通販サイトが取って代わる日も近いと遠藤さんは断言する。
小売業者を挟まず驚きの安さで買える
実際に遠藤さんが購入したものを聞いてみると、ブラウスが431円、コートが1934円(共にSHEIN)など、どれも破格の値段。
「安いからといって、見た目も安っぽいわけではありません。私は通勤服として重宝していますよ」
安さの秘密は、アマゾンなどの大型ショッピングサイトで売っているような商品を、小売業者を挟まずに直接中国などのバイヤーから購入できる仕組みになっているため。
「中国のバイヤーは『世界の仕入れ元』ともいえる存在。海外通販サイトには、そうしたバイヤーが出品しているため、ユーザーは仕入れ値で商品を購入できるというわけです」
安さだけではなく、膨大な商品数も魅力のひとつ。
「例えば、TemuやAliExpressは、サイトの中に多数のショップが出店するモール形式になっています。アパレルから家具・家電まで商品カテゴリも豊富で、もはや『ないものがない』と言ってもいいくらいです」
また、日本では見かけないユニークな商品を見つけるのも、海外通販の醍醐味(だいごみ)のひとつだという。
「私自身は、子どもの洋服や靴などを買うことも多いのですが、国内にはあまりないデザインが多いので、『それ、どこで買ったの?』とよく聞かれます。
クリスマスなどのイベント用デコレーションも、海外の独創的なデザインが可愛くて、サイトを見ているだけでも楽しいです」
サイト内の商品検索や購入はすべて日本語対応なので、英語ができなくても安心。気軽にショッピングが楽しめる。
「ログインするたびに買い物で使えるポイントがもらえるなど、リピーターをつくるシステムもしっかりしています。サイト画面もシンプルでわかりやすいので、アナログ世代も問題なく使いこなせると思いますよ」
お買い得チャンスのセールも頻繁に開催
激安商品をさらにお得に購入するなら、セールが狙い目。
「ブラックフライデーやクリスマスセールなど、どのサイトでも定期的に大規模なセールを開催しています。割引クーポンも頻繁に出ているので、こまめにチェックするといいですよ」
しかし、時には海外通販だからこそのトラブルも。遠藤さんがAliExpressで美容家電を購入した際、誤って海外規格のコンセントのものが送られてきたことがあるという。
「このままでは使えないので交換してほしいと問い合わせたところ、『変換プラグを送るからそれを使って対応して』とのことでした」
複数の商品を同時に購入した際には、注文した商品がそろっていなかったことも。
「追加で送ってほしいと言ったのですが、『次回の買い物のときにその分の代金を割引するから』と押し切られてしまいました。基本的に日本のお店のように完璧な対応は期待できないと思ったほうがいいです(笑)」
ミスやトラブルがあった場合は、ショップと直接やりとりしなければならないが、初心者でも気後れせずに強気で臨むのがいいという。
一方、iHerbでは商品に不備があった場合、即座に返金対応のシステムがあるので安心だ。
「海外通販は安さが魅力なので、多少のトラブルは割り切る気持ちが大事です。心に余裕を持って楽しむのがちょうどいいと思います」
ここが心配…【Q&A】
Q.英語ができなくても大丈夫?
A)今回紹介するサイトはすべて日本語表示。商品の説明も、決済の案内も日本語なので英語ができなくてもまったく問題なし。
「ショップへ問い合わせをする際には英語が必要な場合もありますが、翻訳サイトの英文で十分。ショップによっては日本語で対応してくれるところもあります」
Q.どんなトラブルがある?
A)主なトラブルとしては、発送ミスや商品の入れ忘れなど。
「梱包が雑なことが多いので、中身が破損していることもしばしば。中身に不備があった時のために、私は箱を開ける前の状態から開封後までをスマホで撮影。万が一の場合、証拠になるので安心です」
人気5サイトの特徴は?
どのサイトも日本語で買い物ができるので安心。その他の魅力の違いは?
※【決】=決済方法、【送】=送料、【注】=注意点
iHerb アイハーブ(アメリカ)
「自然派商品が安く買える」
【特徴】化粧品や日用品などの自然派商品が3万種類以上そろう。日本で買うと高いサプリメントなどがお得に購入できる。ヴィーガンやグルテンフリーなど、ほかにはない商品も。
【決】クレジットカード、コンビニ払い、Pay-easy、PayPal
【送】6000円以上購入で送料無料
【注】サプリは原則2か月分など一部商品に購入制限あり
AliExpress アリエクスプレス(中国)
「とにかく安くてかわいい商品が豊富」
【特徴】モール型のショッピングサイト。画像検索機能があり、欲しい商品や好きなデザインをアップロードするだけで、多くの商品の中から類似したアイテムを探してくれる。
【決】クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード
【送】各ショップごとに変わる
【注】商品を受け取ったら、アプリ上で「受け取り確認ボタン」で連絡が必須
遠藤さんの戦利品
「日本のアマゾンでは3000円台後半だったので半額以下でゲット。光り方がユニークなライトです」3D firebearナイトライト 1713円(為替やセールで価格変動あり)
Temu ティームー(中国)
「とにかく安くてかわいい商品が豊富」
【特徴】数あるショッピングサイトの中でもダントツの安さを誇る。ショップが個々に出店するモール形式のため、商品数もずば抜けて多い。1400円の購入で送料無料はうれしい。
【決】クレジットカード、デビットカード、PayPal、Apple Pay、Google Pay、コンビニ払い
【送】1400円以上購入で送料無料
【注】自己都合による返品は初回のみ無料、2回目以降は送料として550円かかる
遠藤さんの戦利品
「ラビットファー風のソファカバー。色やサイズの種類が豊富。肌触りも驚くほど良くて気に入っています」イミテーションラビットプラッシュソファカバー 1349円~
SHEIN シーイン(中国)
「人とかぶらないオリジナル商品」
【特徴】洋服や雑貨、コスメなど女性向けの商品が充実。SNSマーケティングに力を入れており、日本での知名度も抜群。アイテムのほとんどが自社のオリジナル商品で、毎日4000~1万点の新商品が出品される。
【決】クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、オンライン決済、あと払い(ペイディ)、コンビニ払い
【送】500円
【注】ランジェリーや水着など、商品によっては返品不可のものも
遠藤さんの戦利品
「生地もしっかりしていて夏の通勤服として活躍しました」無地柄 バットウイングスリーブ ブラウス 431円(現在品切れ中)
7sGood セブンスグッド(香港)
「動画紹介でわかりやすい」
【特徴】出品アイテムはすべて動画で紹介。購入者には梱包から配送までのプロセス動画も公開しており、安心できる。決済方法が日本とほとんど一緒なので使いやすさも抜群。
【決】クレジットカード、PayPay、LINE Pay、楽天ペイ、コンビニ決済
【送】3300円以上購入で送料無料。それ以下の場合は送料799円がかかる
【注】商品は注文後メーカーから仕入れるため、配送までに時間がかかる場合も
取材・文/中村未来