「私たちは最善を尽くしましたが(略)結婚に終止符を打つことにしました」
2023年12月12日、離婚を発表したビビアン・スー。'14年にインドネシア華僑で2歳年下の大手海運会社の2代目CEO、ショーン・リー氏と結婚した彼女。“セレブ婚”と報じられ、生活の拠点をシンガポールに移していた。しかし夫婦生活は決して順風満帆ではなかった、とスポーツ紙記者は振り返る。
「'16年には夫の会社が倒産危機にあることが報じられ、シンガポールの豪邸を売却したという報道もありました。また、'21年にはビビアンの不倫疑惑が報じられ、彼女が事実無根と反論したことも。そんな危機を乗り越えてきたのですが、結局別れてしまいましたね……」
離婚を“祝福”
ビビアンの故郷、台湾でも離婚のニュースが伝えられたのだが、台湾の音楽家・許常徳の、
《離婚が成立した人にはおめでとうの言葉を贈る》
というFacebookの書き込みに、2万以上の“いいね”がついた。
「日本人にはちょっと理解し難いことかもしれませんが、この感覚は台湾人にしてみるとかなり共感できることなんです」
と、台湾在住のライター、陳美保さんは話す。
「結婚や離婚に対して潔いというか、現実的なんだと思います。ビビアンの離婚記事に対する一般人の書き込みでも《借金がある男と結婚しているメリットがない》なんて辛辣な言葉もありましたし(笑)」(陳さん、以下同)
「お金を持っているほうが育てればいい」
現地メディアの報じ方も《台湾全体で祝福ムード》と、セレブと別れたことへの悲愴感はない。これは、社会の中での女性の立場が関係しているのだという。
「台湾はアジアの中で、女性が起業しやすい国の4位なんです。言い換えれば、事業を立ち上げるなどして、自立している女性が多い。あと、両親が別れたら子どもがかわいそうという感覚も日本よりだいぶ薄い。基本的に親自身の幸せも重視される、ある意味フラットな環境なんです」
子どものために離婚をしない“子はかすがい”という言葉は、台湾では通用しないらしい。今回、ビビアンは8歳の息子について、元夫と「共同親権者として役割を果たす」としている。
「日本では、子どもの親権は母親が取るのが一般的と思われていますが、台湾は'13年に民法が改正されるまで、親権は父親が取るものと決まっていたんです。現在は子どもの年齢や意思、親の意向を考慮して裁判官が判断するようになりました。
台湾ではもともと子育ては母親だけではなく、父親も担うのが当たり前です。そのうえ、親戚や知人、友人もたくさんの愛情を注いでくれる。なのでシングルマザーやシングルファザーになっても、子どもが不幸という感覚はなく、お金を持っているほうが育てればいいということなのでしょう」
一時期は子育てに専念していたビビアンだが、昨年から芸能活動を本格的に再開。'23年の年末には『NHK紅白歌合戦』にブラックビスケッツとして南原清隆、天野ひろゆきと共に25年ぶりに出場することが発表された。
自立した女性としての再出発。故郷からも背中を押され、“第2の人生”の船出は順調のようだ。