2024年、新幹線を利用する愛煙家たちは受難を迎えようとしている。
JR東海、JR西日本、JR九州の3社は、近年の健康増進志向の高まりなどを理由として2024年の春に東海道、山陽、九州各新幹線車内の喫煙ルームを全て廃止すると発表しているのだ。
とりわけ悲鳴をあげているのは、愛煙家の芸人たちだ。SNSで一斉に「あかーん!」と絶望の声をあげている。
多くの人気お笑い芸人たちが落胆
お笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介はXで《待て待て待て待て。無理無理無理無理。死んじゃう死んじゃう死んじゃう。せめてシーシャ置いてお願い》とポスト。続けて《喫煙者は社会クビくらいのレベルにきている。》とポストした。
そして、お笑いコンビ・見取り図の盛山晋太郎も同様にXで
「車内販売も喫煙所も終わる。とうとう最初から最後まで景色に忍者を走らせ続けるしかなくなった。」と投稿。
盛山のポストを引用する形でお笑いコンビ・コットンのきょんも、
「え?嘘でしょ?お願い。そんな事言わないで、、」と動揺した様子を見せた。
さらにお笑いコンビ・次長課長の河本準一も「あかーん!」とポストし、同席していたお笑い界の大御所・明石家さんまも後ろに仰け反りながら「終わったー!」と叫んでいる様子を明らかにした。
芸能ライターによると「特に吉本興業の芸人には東京と関西を新幹線で行き来している者は多いです。移動中ずっと吸えないのはキツイでしょうね」という。
他にもオジンオズボーン篠宮暁は出演番組で「これはまじで勘弁してほしいです」と訴え、篠宮と同じく松竹芸能に所属しているヒコロヒーは「もう仕方ないことです」と落胆している様子だ。
「芸人さんの喫煙率は高いです。漫才やコント、ひな壇やロケ先でのトークもそうですが一瞬に賭ける仕事が多いので喫煙でリラックスしたり、集中力を高めたりパフォーマンスを調整しているわけです。あと、ネタを書く際にもアイデアを捻りだすのにたばこが欠かせないという者も多いです」(前出・芸能ライター)
例えば前出のオズワルド伊藤は、「たばこを吸う為にM-1優勝したい。優勝したあとの最初の1本の味を想像しながら今もたばこを吸っている」とエッセイで述べるほどの愛煙家。準優勝となった2021年M-1グランプリでも決勝直前にディレクターに「吸ってもいいですか」と求め「最高のパフォーマンスができるなら」と許可をもらったことをテレビ番組で明かしている。
また、千鳥の大悟は「人前に出てる時以外はずっと吸ってる」「プライベートはほぼ煙で見えない」と相方のノブが評するほど。
もちろん女優などにも愛煙家はおり、芸能ジャーナリストの佐々木博之さんによると、「確かに芸能人は意外な人がヘビースモーカーだったりすることがありますね。もうだいぶ前のことですが、モデル出身でドラマの主演も多いとても清楚な女優さんが、くわえたばこで歩いているところを写真誌に撮られたことがありますし、もう結婚してお子さんがいらっしゃいますが、一世を風靡したアイドル歌手を取材したときにたばこの匂いをさせていたこともありました。
日本ではスモーカーの女性が眉をひそめられることが多いのですが、海外ではそんなことはなく愛煙家の女優は多いですからね。しかし日本もだいぶ変わってきました。写真誌にくわえたばこを撮られた女優さんなどは、“ハリウッド女優みたいで様になっている。カッコいい“って逆にファンが増えましたからね」
また芸能人の分煙マナーも変わってきているという。
「局内が分煙となって喫煙室が設けられるようになって10年以上たちますが、最初のころは徹底しておらず大御所とかベテランのタレント、俳優は平気でどこでも吸ってましたね。マネージャーや付き人、ADが灰皿を持って歩いてました。誰も注意できませんでしたからね。でも最近は吸う人はほとんど喫煙室で吸うようになりました。共演者やタレント同士での親睦を深めるために積極的に喫煙室に行くタレントも多いですよ」(テレビ局社員)
お笑い芸人だけでなく、一般ビジネスマンでもたばこでパフォーマンスを上げていく人は多いことだろう。東京新大阪は新幹線で約2時間半。喫煙ルームなら少なくとも吸わない人には迷惑はほとんどかからない。吸う人の逃げ道を2時間半もなくしてもいいものなのか……。