紅白リハーサルに参加したJUJU (C)NHK

「みなさん、それぞれの“あなた”……愛する“あなた”というのは、お持ちだと思いますので、その“あなた”を思い浮かべられるように、歌いたいと思います」

 2023年12月29日、NHK紅白歌合戦のリハーサルで、本番への意気込みを語ったJUJU。今回で2度目の出場となり、11月にリリースしたカバーアルバムに収録されたテレサ・テンの代表曲『時の流れに身をまかせて』を披露する。

「ほんとうに、きょうだいでした!」

 リハーサルの囲み取材で今年の一文字について問われると、JUJUが挙げたのは“ス”。2023年はライブをスナックに見立て、ママに扮したJUJUが昭和歌謡を披露するツアーを実施していた。

47都道府県をスナックで回った1年だったので“ス”です。“ス”には素敵の“す”や素晴らしいの“す”があったり。まだまだヒヨッコですけど20周年イヤーに突入して、ここ最近になってようやく“素”の自分で歌えるようになってきたので、今年1年まとめると“ス”です

 と、1文字に複数の意味合いがあることを披露していたが、冒頭で語った“あなた”には、具体的な人物を思い出していたのではないか。

JUJUさんの大切な人と聞くと、2020年7月に亡くなった三浦春馬さんのことを思い浮かべます。ふたりはNHKの『世界はほしいモノにあふれてる』で共演し、公私ともに親交がありました。三浦さんが亡くなった3日後、予定していた有料のライブ配信を行い、JUJUさんは涙を流しながら歌っていました」(スポーツ紙記者)

 2020年10月、三浦さんが亡くなった後の『世界はほしいモノにあふれてる』、通称『せかほし』に出演したJUJUは、三浦さんについて、

「ほんとうに、きょうだいでした!」

 と語り、三浦さんから誕生日プレゼントとしてもらった“かんざし”を披露。

「大阪で仕事しているときに、お休みがあるからといって、京都まで行って買ってくれたらしいです」

SNS上でリレー形式に歌唱動画を投稿する“うたつなぎ”で、三浦さんはJUJUからバトンを渡され動画を公開していた(三浦さんのSNSより)

 少しずつ、その悲しみを癒やしていたJUJUは、2020年末に初めての紅白出場を果たした。

 あれから3年の月日が流れた2023年11月、番組開始から5周年を迎えた『せかほし』のスペシャル特番が放送。その中で、2019年4月25日の放送回が紹介された。それはJUJUが究極のパスタを求めイタリアを旅したときのもの。スタジオでは、イタリアで学んだパスタ料理をJUJUが披露し、それを食べた三浦さんが、

「おいしいです。こんなに優しいパスタがあるんだってくらい」

 と、感想を述べるシーンもあった。この放送回は、JUJUが“とっておきの旅”として選び、今も忘れられない大切な思い出のようだ。

 12月31日、JUJUは最愛の“弟”を思い浮かべながら、紅白へ臨む――。