土屋太鳳

 1月1日に発生した能登半島地震は時間が経つほどに被害の大きさがわかってきたが、特に火災による甚大な被害を受けたのが輪島市中心部にある「朝市通り」。日本三大朝市のひとつに数えられる輪島朝市が開かれていた区画のほぼ全域が焼失した。それに心を痛めているひとりが、女優の土屋太鳳(28)だ。

《ものすごく心配しています。どうか、どうかどうか、少しでも安全な場所に。》(土屋太鳳公式Instagramより)

 元日の震災後に更新されたSNSでこう綴った土屋太鳳。

「土屋太鳳さんにとって輪島は特別な場所です。2015年に放送された朝ドラ『まれ』に主演した土屋太鳳さんは、その前年にロケ地である輪島に長期間にわたって泊まり込みで撮影に行っていましたから、思いが強いんです」(NHK関係者、以下同)

 能登半島にある輪島は、以前は鉄道が走っていたが、2001年に廃線。それ以降は交通の便が悪くなり、東京からだと飛行機で能登空港まで行って、そこからバスで30分ほどかかる。そのため、日帰りで撮影することが難しく、1~2週間輪島に泊まって撮影することが珍しくなかったのだという。

朝ドラで1か月以上、輪島ロケ

「朝ドラ全体では1か月以上、輪島市を中心とした能登半島でロケをしました。長期間、輪島にいるので、出演者のかたが輪島の朝市でご飯を食べたりすることもよくありましたよ。土屋太鳳さんはドラマのなかでも母親役の常盤貴子さんと朝市で野菜を売るシーンを撮ったりしたので、思い出深いはずです」

 一夜明けて全焼した朝市の映像がニュースで流れた2日、土屋太鳳はSNSを更新。

《言葉にならない思いが溢れてきます。すぐに飛んでいきたい。》(土屋太鳳公式Instagramより)

 土屋太鳳が朝市以上に心を寄せているのが、輪島塗のとある漆器店だ。

「土屋太鳳さんは朝ドラのなかで、山崎賢人さん演じる老舗漆器店の跡継ぎと高校時代に恋仲になり、その後、結婚して漆器店に嫁ぐのですが、その店のモデルになったのが、いまも現存する輪島市の大崎漆器店。店を借りてロケもしたので、土屋太鳳さんは何度も足を運んでいますし、『まれ』のあともご店主夫婦と交流を続け、結婚後の去年も漆器店を訪ねています

“嫁ぎ先”の老舗漆器店が倒壊

令和6年能登半島地震に見舞われるも無事を報告していた(大崎漆器店インスタグラムより)

 土屋太鳳はSNSでそのときの様子を、《憧れのご夫婦であり、憧れのおうち》と綴って大崎漆器店のご店主夫婦との3ショット写真をアップしている。朝市からほど近くにあるこの漆器店。地震の報を受け、さぞ心配になっただろう。

 大崎漆器店の公式Instagramには震災後、以下のようなメッセージがアップされた。

《ご心配をおかけしてます。家は崩壊してしまいましたが私達は高台に避難して無事です》(大崎漆器店公式Instagramより)

 ひとまず無事とわかり、土屋太鳳もほっと胸をなでおろしたようだ。

《今、いろいろなことを相談してます。少しずつ分かってきたことと少しずつ考えられることが少しずつ増えてきました。》(土屋太鳳公式Instagramより)

 じつはこの漆器店、江戸時代末期に創業した老舗だけあって、自宅兼工房は国の登録有形文化財に登録されているほど。『まれ』だけでなく、映画『釣りバカ日誌』やNHK『ブラタモリ』にも登場している。作られる輪島塗の漆器は全国にファンも多く、漆器店の公式Instagramには心配するコメントが数多く投稿されている。

 たくさんの人が思いを寄せている老舗漆器店。自宅とつながっている工房や展示されている多くの漆器がどうなったのかはまだ不明だが、愛する人たちの想いが届くのを祈るばかりだ。