(左から)山本太郎、岸田文雄、石破茂、高市早苗

 岸田内閣の支持率が最低を更新し続けている。'23年12月17日の世論調査ではわずか16%で、内閣支持率の調査を始めた1947年以来最も低い結果に。

「物価高騰に、インボイス制度の導入など国民を苦しめる政策を次々に打ち出している岸田さんへの怒りのボルテージは頂点に達している。なぜ解散しないのかというと、次の候補がいないからです」(全国紙政治部記者)

首相になってほしい議員ランキング

 次の首相候補がいないのならば、われわれが考えようではないか。有権者1000人の男女に聞いた次の首相になってほしい人は?

「世襲ではなく一代で築き上げた苦労人。国民の声が届くのではないか」(千葉県・45歳・女性)、「コロナの混乱の中、今考えればよくやっていた。もっと長い目で見れば良かった」(東京都・58歳・男性)、「安倍さんだって2回目の就任で成果を出した」(秋田県・62歳・男性)

 再登板を期待する声が多かったのは、5位にランクインした前首相の菅義偉。秋田県のイチゴ農家の長男として生まれ、議員秘書や市議会議員などを経て'96年に衆院議員に初当選。以降は自民党内の重要ポストを歴任。安倍氏が退任し'20年9月から'21年10月まで首相を務めた。

菅義偉(自民党)

菅内閣は東京五輪という負の遺産を安倍さんから押しつけられた上に、予期せぬコロナウイルスの対応に追われてやるべき政策もできなかったでしょう。財務省の言いなりというような声もありましたが、官僚たちをピリつかせる力を持っている。官僚になめられていた旧民主党政権や岸田さんとは格が違う」(前出・記者)。2回目の就任なるか。

「女性初の首相はこの人しかいない」(静岡県・49歳・女性)、「子育てで苦労してから人の痛みのわかる人になったと思う」(神奈川県・56歳・男性)、「地獄を生んだ郵政民営化に反対して苦渋を味わった数少ない信頼できる人。どちらが正しかったか、今はみんなわかるでしょう」(北海道・60歳・男性)

『女性』『子ども』『郵政民営化』というキーワードで票を集めたのは4位の野田聖子。'93年に初当選してから、'98年に当時の閣僚史上最年少の37歳で郵政相に抜擢されたエリート。しかし、'05年の小泉純一郎政権では郵政民営化に反対し、一度は自民党を離党。安倍政権で復党している。

野田聖子(自民党)

「野田さんのこども政策は一定の評価を受けていますが、ネックになるのは一部報道で“反社”だと報じられた夫の存在。それが本当でも嘘でも、一度ついたイメージはなかなか消えないので」(前出・記者)

 まずは身辺整理から?

女性で一番支持された議員は?

「保守系が主流であるべき」(長野県・62歳・男性)、「女性が総理大臣になってほしいけど、誰もいないから消去法で」(東京都・42歳・女性)

 保守派の支持を集めたのは3位にランクインした高市早苗。奈良県生まれで松下政経塾5期生の彼女。

高市早苗(自民党)

「派閥政治に逆風が吹いている中、無派閥の高市さんは人気の追い風になっているのではないか」(政治ジャーナリスト)

 ゴリゴリの安倍派だと思ったけれど……。

「そろそろ一度首相をやってみてほしい」(広島県・55歳・男性)、「この方が首相になったらどうなるのか想像がつかないから」(埼玉県・49歳・女性)、「防衛の面においてプロフェッショナルだと思うから今の時代に必要なのではないか」(鳥取県・54歳・女性)

 唯一、3桁の票数を獲得したのは2位の石破茂・自民党元幹事長。父の死を受けて'86年、国政に転じた石破氏。「国防がライフワーク」という言葉どおり、外交や安全保障に関する政策通として知られている。長い間、首相待望論が囁かれ続けているが、

「党内での人望があまりないんですよね。それが逆に言えば派閥政治に関与していないというイメージで、国民からの評価につながっているのですが」(前出・記者)

石破茂(自民党)

 党内での冷ややかな声とは逆に国民からの支持はヒートアップしている。

リーダー不在は続くのか?

 そして最も票数を集めた1位は「ふさわしい人がいない」だった。有権者の声を聞いてみると、

「残念だけど本当に誰もいない。自民党は嫌だけど野党はもっとひどい」(福岡県・62歳・女性)、「立憲民主党内閣なんてありえない。旧民主党のひどい政治が思い浮かぶ。まずは、まともな野党が欲しい」(山梨県・46歳・男性)、「今いる議員で信頼できる人がいない」(栃木県・36歳・男性)、「政治不信。政治家不信。ニューリーダーを期待している。とりあえず大阪万博は中止してほしい」(大阪府・41歳・女性)

 ジャーナリストの当山みどりさんは、

「与党と野党があって政治は成り立つものですが、今は実質、野党が存在していないようなもの。政権与党の支持が落ちていると野党党首の人気が上がるものですが、立憲民主党党首の泉健太さんが街を歩いていても顔がわかる人は少ないのでは。2位の石破さんもピークは10年前くらいだと思います。アンケート結果を見ても政治不信とリーダー不在を強く感じました」

 強い信念を持ったリーダーの登場に期待したい。

『首相になってほしい人TOP10』※調査方法:インターネットアンケート会社Freeasyで有権者の男女1000人を対象に元国会議員も含め無作為に選んでもらいました(その他含まず)
※調査方法:インターネットアンケート会社Freeasyで有権者の男女1000人を対象に元国会議員も含め無作為に選んでもらいました(その他含まず)