また飲食店内で迷惑行為が起きてしまった――。
「1月上旬、とあるラーメン店に常備されていたウォーターピッチャーのフタを、男がペロペロと舐め、そのまま元に戻す様子を収めた動画がSNS上で拡散したんです」スポーツ紙記者、以下同)
この動画に対してSNSでは、
《汚すぎる! また“ペロペロ事件”か!》
《あんだけ、昨年ニュースになったのに……》
など、約1年前に起きた『スシロー迷惑動画事件』を彷彿とする声も見受けられた。
「未成年の少年が回転寿司チェーン店『あきんどスシロー』の店内に備え付けてあった醤油ボトルの注ぎ口や、湯呑をペロペロと舐める迷惑行為を収めた動画がネットで拡散し、大炎上しました。その後、テレビのニュース番組などにも大々的に取り上げられ、スシローの親会社の株価は一時的に暴落。少年は器物損壊容疑で書類送検され、スシロー側からも約6700万円の損害賠償を求める裁判を起こされました」
裁判は後に両者の間で和解が成立したが、少年は実名を含めた個人情報がネット上で特定されるなど、社会的制裁を受けることに。
すでに動画の男性を特定、被害届を提出へ
「仲間内のちょっとした悪ふざけが、予期せぬ大問題に発展するのですから、飲食店側として対応は難しいでしょう。こういった迷惑行為は“外食テロ”とも称され、社会問題になっています」
今回被害にあったのは、全国展開しているチェーン店『ラーメン山岡家』。今後の対応について、運営会社の広報に話を聞いてみた。
「すでに動画の男性は特定できています。今後は警察と協議し、被害届を出す方向で動いていますので、受理されましたらそれ相応の対応になるかと思います」
『山岡家』は2023年にも、男性客が席に常備してあった調味料用のにんにくを口に入れた後、容器にそのまま戻すなどの迷惑行為動画も拡散されている。
「昨年の件も警察に対応してもらいました。迷惑行為を起こした本人から起訴後に謝罪の手紙もいただき、我々としてはすでに解決しているという認識です。損害賠償の訴訟等は考えておりません」(『山岡家』広報担当者、以下同)
対策講じても迷惑行為がゼロになるのは難しい
2年連続で“テロ”の被害にあった『山岡家』。食の安全に関して、どのような対策を?
「弊社は以前から、1日に数回、調味料の中身を出して洗浄するといった衛生面の対策を取っていました。昨年の事件以降は、備品の洗浄頻度をさらに増やし、調味料やウォーターピッチャーの予備も増やすといった対策を取っております」
今後、迷惑行為についてはどのように向き合っていくのか。
「弊社がいくら厳しい対応を講じても、迷惑行為がゼロになるのは難しいと思います。それでも、お客様に安心してご利用していただけるよう努力し続けていく、というのが我々の考え方です」
日々、迷惑行為というリスクと向き合う飲食店側。この戦いが終わる日は来るのだろうか。