(左上から時計回りに)堂本剛、亀梨和也、中丸雄一、小山慶一郎、中島健人、高橋海人

 KinKi Kids・堂本剛(44)の結婚、KAT-TUN・中丸雄一(40)の結婚には驚かされた人も多いだろう。

旧ジャニーズアイドルたちの結婚に祝福の声

 二人の結婚を報じたニュースのコメント欄には、

《結婚おめでとうございます。 元ジャニを含め、アイドルが事務所に忖度することなく当たり前に結婚できる世の中になっていけば良いと思います》

《ジャニーズ事務所時代は結婚しちゃダメな風潮、無言の圧力があったんでしょ。それが今ようやく無くなったから一気に結婚ラッシュになってるだけ》

《良いことだと思う。事務所の方針だと思うが今まで結婚できなさ過ぎたのが異常なくらいに思っていた。いくら人気商売とはいえ魅力ある人が結婚しないなんてもったいないです》

《何かが解き放たれたように皆さんご結婚できて本当に良かった。 ジャニーズ帝国が築き上げてきたモノを今更否定はできないが人間扱いされてなかった部分もあったと言う事》

 このように祝福する声や肯定的な声、そして過去のジャニーズ事務所の体制を腐す声も多い印象だ。

――それにしても、波乱の1か月間だった。旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP./STARTO ENTERTAINMENT)のアイドルたちの結婚・恋愛報道は、過去に類を見ないほどのハイペースとなっていた。

熱愛・結婚報道ラッシュの1か月間

 怒涛の1か月間となった熱愛・結婚報道ラッシュを振り返っておこう。

 昨年12月18日、King & Prince・高橋海人(24)と女優・有村架純(30)の3年交際が『女性セブン』によってスクープされた。ジャニーズタレントの熱愛スキャンダル自体はそこまで珍しくないのだが、驚かされたのはこの報道を事務所が否定しなかったこと。事務所は「ドラマで共演をして以来、仲よくさせていただいている先輩だと聞いております」と回答したのである。

(左から)King&Prince・高橋海人、有村架純

 新年早々のビッグニュースとして、1月1日にKAT-TUN・亀梨和也(37)とフリーアナウンサー・田中みな実(37)の真剣交際が報じられた。この報道に対して事務所側は、またしても「お仕事をご一緒して以来、仲良くさせていただいています」と否定しなかったのだ。

(左から)KAT-TUN・亀梨和也、田中みな実

 同日の1月1日はNEWS・小山慶一郎(39)とAAA・宇野実彩子(37)が年内に結婚するとした報道も飛び出していた。

(左から)NEWS・小山慶一郎、AAA・宇野実彩子

 続いて1月11日に、冒頭でお伝えしたKinKi Kids・堂本剛の結婚。お相手のももいろクローバーZ・百田夏菜子(29)と連名で報告した。また堂本はファンクラブでも結婚報告とファンへの感謝を綴っている。

KinKiKidsの堂本剛とももいろクローバーZの百田夏菜子

 それから1週間も経たない1月16日、KAT-TUN・中丸雄一が元日本テレビアナウンサー・笹崎里菜さん(31)との結婚を発表。ちなみにKAT-TUNは3人中2人が報じられたことになる。

(左から)SexyZone・中島健人、元E-girls・鷲尾伶菜(鷲尾伶菜公式Instagramより)

 その翌日の1月17日、3月いっぱいでグループ卒業を発表していたSexy Zone・中島健人(29)が、元E-girls・鷲尾伶菜(30)との交際が『女性セブン』にスクープされた。報道に対して、事務所を通じて中島本人が、「鷲尾さんは尊敬するアーティストさんであり、友人の1人です」と回答したことも大きな話題に。

 この1か月間で実に6人もの恋愛・結婚報道が飛び出したわけである。

「恋愛禁止は人権侵害」という議論も

 推しのアイドルの恋愛・結婚報道を素直に祝福できるファンもいれば、つらく苦しい複雑な気持ちを抱くファンもいることだろうが、今回の一連の報道で感じたのは、旧ジャニーズ事務所と新事務所STARTO ENTERTAINMENTの対応の違い。

 新事務所が堂本と中丸の結婚を許したこともそうだが、ほかの恋愛報道を完全否定しなかったことは、大きな変化に感じる。特に熱愛報道は、これまで有無を言わさず完全否定するか黙殺することが多かったからだ。

 好意的に解釈すれば、旧ジャニーズ時代はファンファーストで、タレントに恋愛の“匂い”ができるだけ付かないような対応をしていたのだろう。逆に新事務所の対応はタレントファーストで、タレント個人の意思を尊重しているようになっていると考えられる。

 だが、もしかすると新事務所は堂本と中丸の結婚を“許すしかなかった”し、ほかの恋愛報道を“否定することができなかった”のではないだろうか。

 そう推察する理由はいくつかあるが、まず新事務所は人権について非常にデリケートになっている可能性が高い。

 ジャニーズ帝国が崩壊したのは、言わずもがな故・ジャニー喜多川氏の少年たちへの性加害事件が原因だが、これは非常に卑劣な人権侵害でもあった。

自宅の水槽に映ったジャニー喜多川氏の姿(田中斗希提供)

 一方、旧ジャニーズ事務所に限った話ではないが、以前から芸能事務所がタレントの恋愛を禁止することは人権侵害になるのではないかという議論は、たびたび巻き起こっていた。

 性加害事件で人権侵害を行ってきた企業だと糾弾されたため、新事務所はかなりセンシティブになっており、恋愛報道でも人権問題を想起させられるような対応はできなくなっているのではないか。

事務所全体がイメージダウンのリスク

 理由はまだまだ考えられる。

 旧ジャニーズ事務所がテレビ局や出版社などに圧倒的な力を有していた当時は、仮にその熱愛が真実だったとしても、否定や無視という方法で報道を揉み消すことができたのかもしれない。だが、現在はマスコミ各社にそんな圧力をかけられる神通力は残っていないのだろう。

 また、以前は熱愛報道に対して大衆が「どうせ付き合ってるんでしょ」とほぼ確信していたとしても、否定や無視することで臭い物にフタをすることができていた。

 けれど、いまそんな強引かつミエミエの揉み消し行為をした日には、事務所が世間から大バッシングを受けることになりかねない。熱愛報道が出たタレント一個人のイメージダウンにとどまらず、事務所全体が壊滅的なイメージダウンを被る可能性もある。

 ほかにも、タレント流出阻止の目的もありそうだ。

 昨年の9月と10月にジャニーズ事務所が会見を行って以降、人気の所属タレントたちが続々と離れていき、独立の流れが出来上がっている。そのため現在の所属タレントたちも、結婚を反対されたり恋人と別れることをうながされたりすれば、さらなる流出に歯止めがかからなく可能性も考えられる。

――今回考察したような背景があり、新事務所が結婚を許し、恋愛報道を否定しなかったのであれば、今年はまだまだ旧ジャニーズアイドルたちの結婚・熱愛が続くかもしれない。2024年も旧ジャニーズ界隈にとって、波乱の一年になりそうだ。

堺屋大地●コラムニスト、ライター、カウンセラー。 現在は『文春オンライン』、『CREA WEB』(文藝春秋)、『smartFLASH』(光文社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『日刊SPA!』などにコラムを寄稿。これまで『女子SPA!』(扶桑社)、『スゴ得』(docomo)、『IN LIFE』(楽天)などで恋愛コラムを連載。LINE公式サービス『トークCARE』では、恋愛カウンセラーとして年間1000件以上の相談を受けている(2018年6月度/カウンセラー1位)。公式Twitter:https://twitter.com/sakaiyadaichi