50代になってもグラビア撮影を続け、グラドル兼ヨガ講師として活躍する、元シェイプUPガールズの中島史恵さん。体重が増えることがあってもリセット習慣があるから安心、という。「野菜先食べ」などの食習慣や美や健康を維持するための日々のルーティンを伺った。
たくさん身体を動かし体形を元に戻すように
「私はおいしいものを食べたり、お酒を飲んだりするのが好きなので、結構すぐに太ります(笑)。30代のころにお餅やおせちをたくさん食べた正月明け、事務所の会長に挨拶したら、『中島、二重あごになっているぞ』って言われてしまったことも」
年齢を感じさせない軽やかな笑顔でそう話すのは、55歳の今もバツグンのスタイルを誇る中島史恵さん。
「食べた分はそのあと、たくさん身体を動かし、体形を元に戻すようにしています。『食べてはいけない』と考えながら食事をしていては、おいしくなくなってしまいますよね。だから“すべてOK”って考えると、気持ちも楽になっていくと思いますよ」(中島さん、以下同)
ただし、29歳から30歳、39歳から40歳といった世代が変わるタイミングには、体調の変化を感じるように。
「40代になるタイミングでは代謝がグッと下がり、50代になってからはさらに脂肪が落ちにくくなりました」
加齢による体形の変化は、芸能人も無関係ではない。
「朝の白湯代わりに緑茶風味のサプリメントを飲んだり、ひと駅歩いてスタジオに行ったり、隙間時間にヨガをもとにした呼吸法をしたり、自分なりの身体リセット習慣を積み重ねるのがコツ」
おいしいものを諦めないために、普段の食事では基本、腹八分目を意識しているそう。
「時間がなくてコンビニごはんを食べるといったときでも最初、野菜から食べるようにしていますし、口に入れてからはできるだけよく噛んで食べるようにしています。『ひと口30回以上』なんてよく耳にしますよね。時間帯によって食事量を変えたりはしていませんが、仕事などで外食やお弁当が続いたときは、夕飯を控えめにしています」
中島さんがありのままを受け入れるようになったのはヨガの影響が大きい。
「20代のころはエアロビクスなど、ハードなトレーニングでストイックに身体づくりをしていましたが、30代になった2004年に仕事でヨガを体験することに。ヨガではものごとの“良しあし”をつけないという教えがあるんです。体形維持や生活につらい制約をつくる必要はなく、『グレーがあってもいい』と思ったら視野が広がり、ときには自分を甘やかしていいんだと考えられるようになりました」
ヨガは心と身体をつなげる新しいツール
そのころはまだ芸能人でヨガを取り入れている人は少なかったが、中島さんはインストラクターの資格を取得し、周囲にも広めるように。
「それまでは身体を重視した運動をしていましたが、ヨガは心と身体をつなげる新しいツールなんだと気づいたんです。私もですが、現代人は時間に追われて暮らしているので、“外”に意識が向きがち。ヨガで内面に意識を向けることで、気持ちの面でもストレスが減り、自分の軸がしっかりできたように思います」
特に中島さんと同じ世代の女性は育児が一段落しても、介護など自分以外のことでも忙しく休まるときがない。精神的なゆとりを持つのが難しく思えるが、中島さんの生活はいたってシンプルだ。
「やっていることは簡単です。朝にちゃんと起きて、夜もちゃんと寝る。食事もきちんととるようにする。そういう自然のリズムを大事にして、きちんと呼吸を意識するようになると、代謝も上がるので、ついついストイックになりすぎることがないように気をつけています」
長年、中島さんの体形維持のモチベーションとなっているものは何なのだろうか。
「毎年、グラビア撮影をしていますが、60歳まで続けるのが、今の私の夢。私は1994年にデビューしているんですが、いつも10年周期で変化が訪れているんです。末尾に『4』がつく今年は特に、パワフルな一年にしたいですね」
ヨガの中でも、代謝が落ちた週女世代に中島さんが強くすすめるのが、呼吸法だ。
「私たちは、普段、無意識に呼吸をしていますよね? これを意識して呼吸するだけで、全然違うんです。この深い呼吸ができるようになると、血液中に酸素を多く取り込めるので、代謝がよくなりますし、血流もよくなります」
その結果、痩せやすく太りにくい身体に変わっていく。
「人間は無意識だと呼吸が浅くなってしまうものなんですよ。下腹まで空気をためる腹式呼吸と、背中までしっかり胸を広げる胸式呼吸、私はその両方を習慣にしています」
デトックス呼吸法はポッコリお腹解消にも効果が
余計なものを削ぎ落とす「デトックス呼吸法」のやり方は下記を参照。
「みなさん、忙しいと運動をする時間を取ることが難しいもの。自宅でちょっと落ち着けるお風呂やベッドでなら、何かしら実践しやすいと思うんです。自分のペースでいいので、ゆっくり吸って吐いてを繰り返し、自分の身体の状態を意識してみてください」
呼吸をする際、怖くなければ目は閉じたほうが呼吸に集中しやすい、と中島さん。
「デトックス呼吸法は寝る前に行えば眠りの質も上がって熟睡できますし、腹筋も使うのでポッコリお腹解消にも効果が。好きなものを食べても、しっかり呼吸をすれば怖いものなし! 今夜からやってみてください」
中島さんが実践! デトックス呼吸法
「どこでもできるので、お風呂につかりながらやることも」と中島さん。呼吸法を習慣にすれば身体に底力がつき、気づけば痩せやすい体質に。
・腹式呼吸をする
座骨を立てて楽に座り、手はひざなどに置く。軽くあごを引き、鼻から息を吸って下腹を膨らませ、「う」の口でゆっくりと息を吐き出していく。目安としては4吸ったら8吐く。吐くとき頭は上からつられ、お尻を床に押しつけるようにし、上半身の伸びを感じる。これを何度か繰り返す。
・胸式呼吸に切り替え
腹部を縮めた状態で今度は鼻から吸い、胸や背中を広げて空気をためていく。首の後ろの伸びを感じ、肩や腕の力を抜く。胸が十分に膨らんだら鼻からゆっくり吐いていく。これを何度か繰り返す。2つを組み合わせることで自律神経が整う完全呼吸となる。
取材・文/池守りぜね
なかじま・ふみえ◎タレント、ヨガインストラクター。シェイプUPガールズの一員としてデビュー。現在、運営するavity代官山スタジオでは、空中ヨガや溶岩ヨガも体験できる。https://www.avity.jp/