「朝食でいちばん重要なのは、タンパク質。しっかりととることで、朝ボーッとすることなく活動的な1日を過ごせるようになりました」
そう話すのは、7~8年前から“朝プロテイン生活”を続けている姫野友美先生(69)。タンパク質は筋肉を衰えさせないために必要なだけでなく、脳の働きを活発にするためにも欠かせないと指摘する。
朝20gのタンパク質でやる気UP!
「脳の40%はタンパク質で構成されています。さらに、脳から分泌される幸せホルモンと呼ばれるセロトニンや、やる気や認知機能に関わるドーパミン、集中力を高めるアドレナリンの原料はタンパク質。イキイキとした毎日には、タンパク質が必須なのです」(姫野先生、以下同)
意識的に“タン活”をしている人は、人間関係が円満で、幸福度や決断力が高くなるという研究データもあると姫野先生。また、朝食で摂取することで、体温や代謝もアップするため、タンパク質の利用効率はぐっと高まると話す。
「とはいえ、年齢を重ねると同じ量を食べてもタンパク質を効率よく使えなくなるので、より量を食べる必要があります。でも、朝から肉や魚をしっかり食べるのは大変ですよね。そこで、活躍するのがプロテインパウダー。いちばん効率がよく、無理なく続けられます」
水に溶かして飲むイメージのプロテインパウダーだが、先生はヨーグルトに混ぜて食べやすくしている。
「使うのは、植物由来のソイプロテインか動物由来のホエイプロテイン。また、ヨーグルトにはレモン汁や果物を加えたり、ココアを加えたり、味の変化も楽しんでいます」
さらに、栄養バランスを考えて朝食では具だくさんのスープとサラダも欠かさない。
「野菜をとると同時に、タンパク質がとれる食材も加え、動物性2対植物性1を目安に偏らないようにし、朝食全体で20gの摂取量を目指しています。今の朝食メニューに変えてから、朝からパッと起きてパッと動けますし、“今、何をしにこっちに来たんだっけ?”というムダな動きもなくなりました。午後の眠気もなく、1日じゅう元気に過ごしています!」
【脳の構成成分】 脳で使うエネルギーは身体全体の約20%。その脳を構成する成分はタンパク質が40%をも占める。不足すると集中力低下や疲労感などが出やすくなる。日々の“タン活”でしっかり補いたい
1杯の白湯で首・喉を温める
朝食では、身体を温めることも意識している姫野先生。起床後に白湯を飲み、朝の食卓には具がたっぷりの温かいスープを1年じゅう用意する。
「旬の野菜、肉や魚、卵、豆腐などのタンパク質など、毎回、具材は変えています。さまざまな食材の栄養素をまんべんなく取り入れることができますし、変化が出て食事が楽しくなりますね。スープは毎日作るのは大変なので、2~3日に1度たくさん作って、冷蔵庫にストックしています」
また、衣服でも“温活”を。首を冷やさないよう、冬はなるべくハイネックのウエアを選んでいる。
「首を冷やすと、細菌やウイルスによる喉の炎症を起こしやすくなるので、気をつけています」
もうひとつ、姫野先生が健康のために欠かさず行っているのが、鼻うがい。
「風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルスなどを引き起こす細菌やウイルスは、口から入って喉の奥の上咽頭という部分にくっつきます。そして、喉の痛みや咳といった症状だけでなく、上咽頭にたくさんあるリンパ球が活性化して全身に炎症が広がっていくわけです。ところが、ここについた細菌やウイルスは通常のうがいでは取れません。鼻うがいをして、キレイに洗い流すことで多くの感染症を防ぐことができます」
寝る前に 上咽頭の洗浄に特化した『ミサトール リノーション』を使って鼻うがいを行い、1日の汚れをスッキリさせるのが姫野先生の冬の日課だ。
「首を温めて鼻うがいをするだけで、風邪などが流行する季節も怖くありませんよ」
姫野式朝食術
・プロテインパウダー+ヨーグルトで効率的にタン活
・スープの具材で変化を楽しむ
・タンパク質は動物性2:植物性1を意識する
取材・文/河端直子