田中将大投手(2013年)

《何を信じるかは自由ですけど、今オフは特に酷いですわ》

 東北楽天ゴールデンイーグルスに所属する“マー君”こと田中将大投手(以下、敬称略)が1月22日、自身のX(旧ツイッター)を更新。投稿された意味深な文面がファンの間で物議を醸している。

 前日には球団との契約更改を済ませたばかりの田中。提示された年俸額は、昨季の4億7500万円(推定)から半額に近い年俸2億6000万円(プラス出来高払い)の大幅減俸と、越年しての契約はシビアなものに。

 2021年の日本球界復帰後は9億円で迎え入れられたものの、この3年間は思うような結果を残せずにオフのたびに「減俸」を言い渡されてきた田中。それ故に《今オフは特に酷い》と愚痴りたくなったとしても致し方がない。

「いや、マー君が嘆いているのは年俸ではないでしょう」とは、パ・リーグ球団を担当するスポーツ紙・野球記者。

 意味深投稿の翌1月23日にはYouTubeチャンネル『マー君チャンネル』を更新し、【オフの総括と今シーズンに向けて!】とのタイトルで動画を投稿。“特に酷いオフ”についての詳細を明かしていた。

「彼曰く、楽天との契約自体は昨年12月上旬にはまとまっていたものの、海外に行ったことも含めてスケジュールの都合でずれ込んだと。

 常に結果が求められ、自身の働きが年俸に反映される世界において日米で18年間も戦ってきた選手です。ヤンキース時代の最高年俸23億円から10分の1になったとはいえ、それは当然のことと受け入れていますよ。マー君が引きずっているのは、やはり“安楽の一件”でしょう」

疑惑に肯定も否定もしなかったことで拍車

 チームメイトへの数々のパワハラ行為が発覚したことで2023年12月1日付で自由契約、実質上のクビを言い渡された安楽智大。その安楽をかわいがっていたことから、田中も“加担していたのではないか”との共犯疑惑がかけられた。

 すると安楽“解雇”の同日に自身のXにて、《ハラスメントは許されないことです。球団のみならず、 自分もチームの年長者として、もっと後輩たちの様子に気を配り、気軽に相談され、問題があれば率先して注意すべきであった、意識が甘かったと反省しています。》

 パワハラに気づけなかったこと、後輩の相談に乗れなかったことへの反省の弁を述べるも、自身にかかった疑惑については肯定も否定もせず。球団もそれ以外の調査報告はせず、レジェンド選手に配慮するような形に。

2024年1月23日に投稿された動画で、オフシーズンを統括した田中将大(公式YouTubeより)

「当然ながらネット上では、曖昧にされたことで疑惑は晴れずにマー君へのバッシングは日に日に強まりました。契約更改が年を越したのも、一部では“今オフでの移籍説が浮上していた”との、にわかに信じがたい報道も出る始末。

 “神の子”とも称された彼が、プレー以外のことで槍玉に挙げられるのは初めてですし、平静を装ってはいますが誹謗中傷にも近い批判はかなり堪えたと思います。シーズンが開幕すれば心無いヤジも飛ぶかもしれませんし、マウンド上でのメンタルが心配ですね」

黙っていれば何かたくさん色々言われた

 先のYouTube動画では、自身を気にかけてくれた【今江(敏晃)監督のために今シーズン頑張りたい】との抱負を口にした後、少しの間をおいて【色々オフシーズンありましてけども……】と重い口を開き始めた田中。

【野球のことを言われるのは野球で勝負しているからしょうがないけど、何かそれ以外の部分とかで何か、黙っていれば何かたくさん色々と言われたなぁっちゅうもんはありましたけども(苦笑)。

 まあ、でもそんなことも信じずにね、信じてくれる人はやっぱ何も言わずに信じてくれていますし。18からこの世界に入って、色々経験してきましたけども、(プロ生活)18年間になりますけども、毎年まだこんな経験させてくれるんだって。良くも悪くも、それはすごくたくさんあって、ほんと毎年勉強になります。

 自分が反面教師じゃなけども“自分はこうはならないぞ”という、いろんな情報の取捨もあるし、そこはやっぱり冷静に自分としてはしていかないといけないなというふうに思っております

 今シーズンは外野からのヤジを黙らせるような、“神の子”として圧倒的なプレーでチームを引っ張ってほしい。