『推しの子』撮影中に休憩する櫻井海音

「推しの子の実写化コスプレ感半端なくて違和感すごい」

 1月24日、人気漫画『【推しの子】』が実写映像化され、今年冬にドラマシリーズが『Prime Video』で世界独占配信、映画が東映配給で劇場公開と発表された。キャスト陣とそのビジュアルが同時に解禁されると、ファンの間で論争が勃発。

「『【推しの子】』は、原作・赤坂アカ、作画・横槍メンゴによる漫画作品で、推していたアイドルの子どもに生まれ変わる“転生もの”ファンタジーでありながら、サスペンス要素を散りばめ、芸能界の闇にも切り込む話題作です。

 '23年4月にアニメ第1期が放送され、YOASOBIの主題歌『アイドル』も大ヒットするなど社会現象にもなっています。既に多くの原作・アニメファンがいるので、実写化にあたってキャストやそのビジュアルについて様々な意見が出るのは当然でしょう」(少年漫画編集者談)

 元乃木坂46の齋藤飛鳥(25)演じる伝説のアイドル・アイの息子で主人公のアクアを櫻井海音(22)が、その双子の妹のルビーを元=LOVEの齊藤なぎさ(20)が演じ、共演には原菜乃華(20)、あの、茅島みずき(19)ら今旬俳優をズラリと並べている。

 ただ、解禁されたビジュアルについてネット上では、

《【推しの子】実写化でのコスプレ感・コレじゃない感・ハロウィン感》

《コスプレ感が強すぎる……w よっぽど予算低いのかな》

《これはキツい。ただのクオリティの低いコスプレじゃん。精一杯キレイに撮って加工したポスターでこれなら、動くと目も当てられないレベルになりそう》

《マジでこのポスターで宣伝しようと思った広報はセンスがない。これはコスプレ》

 と言った辛辣な意見が相次ぎ、『推しの子実写化』と共に、『コスプレ感』がXでトレンド入りしてしまうことに。

 漫画実写化にあたっての成功と失敗にはポイントがあると話すのは映画制作会社関係者だ。

「古くは『20世紀少年』、『るろうに剣心』、最近だと『キングダム』、『東京リベンジャーズ』、『ゴールデンカムイ』といった作品は評判も良く、大ヒットを収めたことからもこれらは実写化の成功例と言えるでしょう。

 共通して言えるのは登場人物を可能な範囲で原作に近づけつつ、現実とも落としどころをつけている点です。また規模感や制作陣の熱量も原作ファンを納得させる力がある作品だと思います。

 一方、大失敗とも言えるのは『ドラゴンボール』、『聖闘士星矢』、次いで『進撃の巨人』や『鋼の錬金術師』、『BLEACH』など、漫画だとスケールが大きいのに実写化するとチープに見えてしまった作品。登場人物も原作に近づけるほどコスプレにも見えてしまうので、実写化に向いていなかったのでしょう。

『【推しの子】』は主人公が“転生”する以外は、現実社会をリアルに寄せて描いた作品ですが、作画自体はファンシーなので、こちらも原作に可能な限り近づけた結果、“コスプレ感”が出てしまっているのかもしれません」

 さらに、実写化失敗作品の原作ファンの意見としては、登場人物の性別や年齢、物語の設定を、制作側の都合で大きく変えられてしまったというものが多い。

 今回の『【推しの子】』実写化について、原作の赤坂アカも、以下のようにコメントしている。

《この度の【推しの子】の実写化にあたりまして、
 【推しの子】は芸能界に対して様々な言及をしている作品です。
 そして漫画作品の実写化についても触れています。
 良い事ばかりを言っていません。批判的な事も言っています。
 (中略)
 今回、実写化をしようと言って頂いた時には、
 キャストの皆様にも制作陣の皆様にも
 「本当に大丈夫ですか?」と聞きたくなる気持ちでした。
 引き受けて頂いた皆様には感謝の念が尽きません》

 実写化にあたり、解禁されたのはあくまでキャストとそのビジュアルのみ。また公式サイトによると、それも原作コミックの表紙をイメージしたスペシャルビジュアルだという。

【推しの子】実写化スペシャルビジュアル(東映株式会社公式HPより)

『【推しの子】』実写化が成功を収めるかどうかは、実際に動いている登場人物がいかに現実と折り合いをつけられるか、原作の設定やストーリーに改悪を入れず寄り添えられるかにかかっているだろう。