婚活が長引いてくると、考え方が悲観的になっていきます。なんでも悪い方向に捉えて、余裕ある物事の捉え方ができなくなり、結婚がどんどん難しくなっていく負のスパイラルに巻き込まれていきます。2024年こそ結婚したいと思っている人は、ご自身の婚活を振り返り、婚活をこじらせていないか見直してみてください。婚活シーンで、あなたは、こんな言動をしていませんか?
婚活が拗れてくると周りに八つ当たり
婚活をスタートしたときは、とても丁寧で愛想がよく、周りを思いやる言動のできる人だったのに、婚活が長引いてくるとその様子が次第に変わっていきます。
次々にお見合いをしても、自分が選ぼうとしている人には選ばれない。それが続くと、イライラが募るのでしょう。それが態度に現れて、物言いがキツくなっていきます。
婚活シーンだけではなく、会社やご近所にもそうした人はいませんか? 周りは腫れ物に触るような当たり障りのない優しい言葉をかけますが、それは、その人のことを思ってではなく、“怒らせるのは面倒”という気持ちからです。 「その人の力になってあげよう」「助けてあげよう」とは思わなくなりますよね。
今、婚活がうまくいっていない人は、ご自身がこんな言動をしていないか、振り返ってみてください。イライラを募らせるのは、男性よりもなぜか女性が多い気がします。
お見合いが成立すると、相談室間でスケジュール調整をします。それがスムーズに出てこないと、毎日のように催促のメールが仲人の元に送られてきます。
「お相手様、まだスケジュールが出てこないのですか?」
そして、スケジュールが出てきました。ところが、お見合い場所がお相手寄りで、自分がそこまで行くのが遠かったりすると、こんなことを言います。
「自分の方に呼びつけるなんて、納得できません。お見合い場所を、二人の中間地点に変えてください」
さらに、仲人がお見合い結果をお知らせするのが遅かったりすると、ここにもまたイラだちを覚えます。
「お相手のお見合い結果がどうだったかは、もっと早めにお返事をいただけませんか?」
交際が成立したのはいいけれど、お相手の電話番号がなかなか送られてこない。そんなときにも、またイライラ。
「今日、お見合いから交際になったお相手の電話番号は、まだ来ていませんか? ファーストコールはいつになりますか? 情報がわかったら直ちにご連絡をください」
自分が考えている時間進行よりも遅れると、それが許せなくなるのです。こんな心理状態に陥ると、仲人に対してだけではなく、お見合いしたお相手に対しても見る目が厳しくなっていきます。
「今日の男性、ティーラウンジの入口にポーッと立っていて、私をチラチラ見ているのに声をかけてこなかったので、私からお声がけしました。お見合いが始まる前から、私はもう心の中でお断りを出していました」
「ファーストデートが、新橋の居酒屋でしたよ。周りはサラリーマンだらけ。デートの場所選びもちゃんとできない人でした」
「プロフィールの年収が間違っていました。転職したそうです。プロフィールに記載されているものよりも100万も少なかった。男性の相談室は、責任を持ってキチンと会員さんを管理して欲しいですね」
言っていることは正論なのです。ただイラだっているから言葉選びがストレートで、言い方がキツくなってしまう。
イラ立ちはイラ立ちを生みます。このツボにハマってしまうと、もうお相手の良いところが見えなくなります。お見合いをしてもお相手の気に入らないところを見つけては交際辞退、お付き合いに入っても些細なことが気になって交際終了を出すようになります。自分からどんどんチャンスを潰していくのです。まさに負のスパイラル。
ますます結婚は、遠のきますね。
パーティーで上から目線の人々の行く末
結婚相談所では、お見合いだけでなく、婚活パーティーも定期的に行われています。その中で、“ああ、出会いのチャンスを自ら潰しているな”という人がいます。
先日、行われた婚活パーティーでのこと。
パーティーがスタートする直前になって、参加女性の一人が、彼女の仲人のところにやってきて言いました。
「もう、ムリ! 誰もいい人がいません」
まだ誰とも話していないのに、参加男性の全員の容姿を見るなり、そう判断を下したのです。
その女性が誰もが認めるような絶世の美女かというと、そんなことはありませんでした。彼女の仲人は言いました。
「まだ誰とも話をしていないでしょう? 話してみたら、感じのいい男性がいるかもしれませんよ」
ところが、彼女は、そんな言葉に耳も貸しません。
「もう参加するだけ時間のムダです」
そして、パーティーがスタートしました。彼女は、最初から最後まで、ずっと不機嫌そうな顔をしていました。
この日のパーティーで、マッチングしたのは5組。開票結果を仲人は後で見ることができるのですが、彼女は誰の番号も書きませんでした。もちろん、男性も彼女の番号を書いた人は、一人もいませんでした。
自分は、相手を選ぶ気満。でも、お眼鏡にかなう人はいなかった。ただ男性全員からも、彼女は選ばれていなかったのです。これも負の連鎖ですね。
例え自分のタイプの男性がいなかったとしても、にこやかに全員と話をして、相手に嫌な思いをさせないのが、大人の対応です。もし次回参加したパーティーに、自分の好みのタイプがいたとしても、相手を見て態度を変えるような女性は、男性からも選ばれないのではないでしょうか?
また、あるパーティーでは、こんな男性もいました。背が高くて、見た目もハンサムで素敵。
パーティーは、最初1対1で5分くらい話をし、男性が一つずつ席を移動していき、最終的には参加者全員と話をします。その後は、フリータイムになり、個人的にもっと話してみたい人にリクエストを出して2人で話す時間を作るというのが、一般的です。
その男性は、一人ずつ話すときには、とてもにこやかに感じよく話をしていいました。ところが、フリータイムになったら、誰にもリクエストを出しませんでした。その代わり、女性からはたくさんのリクエストがきたので大忙しでした。
こうしてフリータイムも終わり、良かったと思う人の番号を書く時間になりました。
マッチングの集計に入ったのですが、彼は誰ともマッチングをしませんでした。なぜかといえば、どの女性の番号も書いていなかったからです。
帰り際に、彼は担当仲人のところに来て言いました。
「今日のパーティーは、大ハズレ!」
その発言を聞いて、筆者はそこに彼の人間性を垣間見た気がしました。見た目は素敵だし、コミ力もある。けれど、こんなふうに自分を高いところに置いて上から目線で婚活をしている男性と結婚しても、女性は幸せになれない気がしました。
イライラの原因はマイルールがあるから
婚活が拗れてしまった人は、気持ちをいったんゼロに戻して、ニュートラルな気持ちで婚活を再スタートさせてみましょう。
まずイラ立ちの原因を探ってみましょう。イラ立ちというのは、そもそも自分ルールでお相手を見ているから、生まれるのです。
「こっちはお見合いのスケジュールを出しているのに、なぜ相手は出してこないのか?」
「お見合いを自分の近くに呼び寄せるなんて、失礼な人ね。普通に考えたら中間地点でやるのが筋でしょう?」
「交際になったというのに、まだ相手の電話番号が送られてこない。何グズグズしているのかしら」
お見合いスケジュールがなかなか出てこないのは、たまたま仕事の繁忙期でなんとか隙間を見つけて休みを取ろうと思っているからなのかもしれません。
お見合いの場所を“相手が近くに来いと呼び寄せている”と考えるよりも、“行ったことのない場所(または、久しぶりに訪れる場所)だから、お見合いが終わったら街を散策してこよう”と考えると、腹も立ちません。
ファーストデートが居酒屋でも、居酒屋デートが楽しめる女性もいます。サラリーマンばかりの居酒屋はデート場所にふさわしくないというのは、自分が作ったルールです。
自分ルールを作って、そこにそぐわないと相手を批判したり、イライラを募らせていたりすると、ご自身の生活が楽しくなくなるのではないでしょうか?
婚活がうまく行っていない人は、相手を受け入れることをまずは考えてみましょう。そして、どんな状況も楽しい方向に転換するようにすると、違った婚活も道筋が見えて来ますよ。
鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。新刊『100日で結婚』(星海社)好評発売中。公式サイト『最短結婚ナビ』 YouTube『仲人はミタチャンネル』