《私が見るだけではもったいない!という事で、市役所正面入口に当面飾ります!》
そう興奮した様子で、ガラスケースの中に大切に“保管”した野球用グローブの写真を自身のSNSにアップした、大分県別府市の市長。スーパースタ―からの贈り物に、舞い上がるのは子どもたちだけではないようだ。
大谷翔平の寄贈グローブが思わぬ“波紋”
大谷翔平選手が日本全国の小学校に寄贈したグローブが、思わぬ“波紋”を広げている。
「大谷選手が贈ったグローブの“タグ部分”がフリマサイトに10万円で出品されて、大騒動になっています。グローブに同封されていた手紙も9999円で出品。それらを出品した人物や、どこの学校に贈られたものかを特定しようとする動きもあります」(ワイドショースタッフ、以下同)
2023年11月に、日本全国の約2万校ある小学校に、野球用のグローブを3個ずつ、およそ6万個を寄贈すると発表。12月22日に届いた大谷の母校・岩手県奥州市立『姉体小学校』を皮切りに、全国の小学生たちの手元にも順次、届けられている。
「グローブが届いた小学校では、触る順番をジャンケンで決めたり、実際にグローブを使ってキャッチボールや野球をする姿を動画に撮ったりしています。グローブが入った箱の中には、大谷選手の写真と一緒に《グローブを学校でお互いに共有し、野球を楽しんで》と書かれたメッセージも添えられており、それに応えるように“ボロボロになるまで使います”と発表した小学校もあります」
そうした中、1月18日から市役所で“大谷グローブ”を展示したのが、前述した別府市の長野恭紘(やすひろ)市長。だが、市長のSNSには《市内の保護者》を名乗る匿名の人物から“苦言”が寄せられることに。
「市が取り上げて展示するなんて」
「小学校に届けられたはずのグローブを、市が取り上げて展示するなんて、卒業が迫っている小学6年生や学校をないがしろにしているといった、いくつかの意見が寄せられました。ただ、市長はそれらの意見が、複数のアカウントを使った同一人物によるものだと指摘して、さらに“法的措置を取る”とまで匂わせました。ネット上では市長の言動に“やりすぎでは”といった賛否の声があがっています」
その後、市長はSNSのアカウントを非公開に。展示の経緯や法的措置はどうなったのか。そこで市役所に問い合わせて、市長本人に聞いた。
「グローブは、別府市の教育委員会宛で、市役所に届きました。展示は私の提案で、教育委員会と協議した末に決定しています。1月29日まで展示することを市内すべての小学校に通知した後、反対の意見などがなかったので、現在も展示しています」
つまり、ずっと展示し続けるわけではなく、あらかじめ展示期間を設けていたという。
「毎月30日に、市内の小中学校の校長先生を集めた定例会があり、そこでグローブを渡す予定です。一般の方からも実物のグローブをひと目でも見たいといった意見が多くありましたので、渡すまで箱に入れたままにしておくこともないと思いまして、展示することにしました」
ただ、市民の意見に“法的措置”とは、やりすぎといった声もあるが……。
「実は以前から、あるアカウントから迷惑行為を受けていました。それについて、どういった措置を取るか顧問弁護士と話し合っています。なので、大谷選手のグローブの件がきっかけではありません。
グローブを楽しみにしている子どもたちに早く届けたいという気持ちもあるので、展示期間の短縮を検討しています」
大谷の活躍は、野球以外でも話題の争奪戦を繰り広げる。