スシロー

《寿司と薬味でレーンが分かれて、さながら新幹線と在来線のよう》

《上のレーンを新幹線に乗ったネタが颯爽と駆けていく中、下レーンでのっそりと回るわさび。これも全部アイツのせいか》

 回転寿司チェーン『スシロー』で見られる光景に、こんな声がSNSであがっていた。

「2023年1月、10代の少年客が店内の醤油差しの注ぎ口を舐めるといった迷惑行為を行い、その動画がネット上で拡散。“スシローペロペロ事件”と呼ばれて大炎上しました」(ワイドショースタッフ、以下同)

“スシローペロペロ事件”のその後

 これにより、スシローの株価が大暴落するという影響にまで発展。

「経済損失額は160億円とも言われました。迷惑行為をした少年には、約6700万円の損害賠償が請求されましたが、現在は和解しています」

 “ペロペロ事件”から、およそ1年。スシローの業績は回復しつつある。

「騒動後の売上は、前年比でマイナスになることもありましたが、ここ半年間は大幅に上回っています。来客数も20%前後の前年より増えており、十分に回復したと言えるでしょう」(広告代理店関係者、以下同)

 回復は、売上以外にも。

「2023年11月には『たまごっち』とコラボ。親子で楽しめるように『たまごっち』をイメージした寿司とスイーツを開発し、シールが当たるキャンペンなども行いました。2024年1月には大人気RPGゲーム『原神』とのコラボを予告。公式Xには10万超えの《いいね》がついています」

 こうした施策でイメージ回復に成功したかと思えたが、冒頭のように寿司と薬味が別レーンという動画とコメントがあるように、今も“ペロペロ事件”は忘れられないよう。

 そこで、スシローを運営している『FOOD & LIFE COMPANIES』に、寿司と薬味を別レーンにした理由を聞くと、意外な答えが返ってきた。

スシロー薬味のわさびだけの皿が……

「実は、上下でレーンが分かれている設備は、迷惑行為による動画の件よりも以前に、一部の店舗を中心に展開をしていました。タッチパネルから注文した商品が直接、席に届く専用レーンとなっています」(広報部、以下同)

 レーンを分けているのは、事件のせいではないという。

「従来、わさびや塩などの薬味は、下のレーンで回っており、醤油はテーブルなどに設置をしています。流している薬味は、ご自由にお取りいただけるものとなっております」

 事件のことはさっさと過去に流して、見た目も楽しい回転寿司の新ネタを味わったほうがオイシイかも。