「子ども好きで幼稚園の先生やっていたのに、まさか……」
容疑者の自宅近くの住民は愕然としながらそう話した。
茨城県警土浦署は24日、同県土浦市に住む職業不詳の藤井美雨容疑者(22)を殺人未遂の疑いで逮捕した。昨年11月2日午前8時30分ごろ、容疑者は自宅で男児を出産し、直後にトイレに流して殺害しようとしたというもの。
「男児がトイレに詰まって流れないことがわかると、一転してみずから119番通報。男児は一命をとりとめたのだが、その後、病院側が不審に思って警察に届けていた。捜査を続け、容疑者が自供したため、逮捕となったわけです」(全国紙社会部記者)
藤井容疑者は、土浦市で姉に続く次女として生を受けたが、彼女が生まれてすぐに両親が離婚。
「母親は“子ども2人を連れていく”と言い張ったが、隣に住む義理の祖父母から猛反対されて、父親のもとで育つことに」(冒頭の住民)
地元の公立小中学校、私立高校・短大を卒業後、同市の幼稚園教諭に就いたのが、2年前の4月のこと。勤務先である幼稚園園長はこう話す。
「最初のひと月は普通に働いたけど、2か月目ぐらいからは休みがちになって、たった5か月で退職しました」
感情の起伏が激しく、精神的に不安定なところがあったようで、
「“イライラするから”という理由だけで休んだり、いったんは“今日は出勤します”と言って園まで来たと思ったら急に“やっぱり帰ります”とか……。そんな状態で、最後のほうは週に1、2日しか出勤していませんでしたね」(同・幼稚園園長)
同僚だった教諭は“いつも明るくて、挨拶はきちんとする性格だった”というが、先生には不向きだったとも。
「子どもと話したり、遊んだりはできるものの、指導がほとんどできなかったから、あくまで担任の先生の補助でしたね。子どもが好きなだけでできる仕事ではないので……」(同僚だった教諭)
幼稚園をやめてからは、アルバイトを転々としていたという。そんななか去年、私生活で大きな変化が。
赤ちゃんの“パパ”は「来なくなった。きっと別れた」
「お姉ちゃんは嫁いでいたから、家族は美雨ちゃんと父親の二人だけ。でも父親とは仲が悪かったから、長年、祖父母の家にいたんです。祖母はずいぶん前に亡くなっていたんだけど、祖父も昨年他界されて……。それでも父親の家には住まずに、祖父母の家に愛犬と一緒に暮らしていました」(容疑者の知人)
容疑者が妊娠していたことには気づかなかったという。
「165センチでかなりふくよかな体形だったというのもあってね」(同・知人、以下同)
男児の“パパ”については、
「少し前に、大学生っぽい男が美雨ちゃんのところに車で通ってきていたので、その彼なんじゃないかな。ただ、4か月ぐらい前からは来なくなったから、きっと別れたんだと思います」
捜査関係者によると「動機についてはまだ供述していない」という。前出の知人は、同情する部分もあるとも。
「赤ちゃんの父親がいなくなって孤独だったんだと思う。かわいそうに」
消えた“パパ”にも、事件の責任の一端はあるだろう。容疑者のSNSのプロフィールには《男児1児の母》と記されていた。もう一度、ママをやり直すことはできるのか。