2.5次元俳優として、絶大な人気を得ていた俳優の小澤廉(32)。一度、表舞台から姿を消した彼が2023年7月、古巣のアイドルグループ・B2takes!!に舞い戻る形で芸能界に復帰。
「OZAWAREN」名義で活動を再開させた。復帰を決意した理由、そして現在の心境を本人に聞いた。また、小澤とともに新メンバーが8人加わり11人体制となったB2takes!!のメンバーたちにも、これからの活動への思いを聞いた。
12周年のB2takes!!に小澤廉がカムバック
絶対的エースだった小澤がグループを卒業したのは'18年。約5年のブランクを経て再びグループに帰ってきた。
「『戻ってきてよ』と最初に声をかけてくれたのは、僕と同じく結成当初からのメンバーでもあるリーダーの奥山ピーウィーとIGUでした。当初は『僕は戻っていいのか』『僕でいいのか』と、とても葛藤がありました。
でも、長年B2takes!!を応援してくれているファンの方も『もう一度、ピーウィーやIGUたちと一緒にいる小澤くんが見たい』と言ってくださって。B2takes!!は僕にとってのホームのような存在。やはり僕は、みんなに元気を出してもらえる存在でいたい。あの場所に戻ったら、昔のような楽しい小澤廉に戻れるんじゃないかと思い、復帰することを決めました」
復帰後は、イチからやり直すつもりでスタートしたという小澤。ライブの際には街頭に出てビラ配りをした。久しぶりのステージに立つと、ファンの温かさに胸を打たれた。
「ありがたいことにファンの皆さんは本当に優しく迎えてくれました。『おかえり』という言葉をたくさんもらえて、うれしかったです」
現在B2takes!!は11人。小澤とともに8人の新メンバーが加わった。下は19歳から上は32歳まで。小澤が在籍していたころよりも年齢幅は広がったが、戸惑いはないのだろうか。
「それが、まったくないんです。後輩たちはみんな僕をいじり倒してきますから(笑)。僕もそうしてもらえたほうが居心地がいい。こういう雰囲気があるのは、やはりピーウィーとIGUの存在が大きいですね。彼らがグループ内の空気をつくってくれているからだと思います」
心残りだった卒業、夢の続きがまた始まる
小澤の復帰を誰より待ち望んでいたのが、前出の奥山ピーウィーとIGUだ。'18年の卒業を振り返り、「心残りだった」と語る。
「小澤さんはよく『ピーウィーを武道館に連れて行く』と言っていました。その夢は一度は途絶えてしまったけど、今回戻ってきてくれたことで、また挑戦できます。夢の続きが見られるんだと思うと、今すごくうれしいです。B2takes!!は最初から、僕らのライブを見てみんなが『明日から頑張ろ!』と思えることが存在意義ですから。やっぱり廉くんが必要なんです」(ピーウィー)
「一緒にやりたいことがたくさんある中での卒業だったので、当時は悔しさでいっぱいでした。それに廉くんは忙しかったので、一緒にステージに立てる機会も少なく、寂しい記憶ばかりなんです。でも今はどんなステージでも遠征でも一緒にいられます。これから楽しい思い出をいっぱいつくれると思うとワクワクしかありません」(IGU)
グループ最年少、19歳の喜瀬大陽は、もともと小澤のファンだったという。
「僕はずっと、廉くんみたいなアイドルになるのが夢でした。とあるイベントで廉くんにお会いしたとき、『小澤さんみたいになりたいです』と直接伝えたこともあります。なので、B2takes!!に入るとなったとき、廉くんも一緒だと聞いてすごく驚いたし、うれしかったです」(喜瀬)
身長190センチと、グループ1の高身長である横田凌一(25)も、B2takes!!のファンだった。
「先輩方のステージを、いつもファンとして客席から見ていました。みんなが上を目指していく姿勢に憧れていたので、そのメンバーの一員になれたことがすごくうれしいです。同時に10年以上続くグループに入るということは、相当な覚悟も必要だとも思っています」(横田)
かつてB2takes!!の弟分グループに在籍していた、春木創太(26)。経験があるからこそ、初期メンバーたちのすごさに気づいたという。
「先輩方と並んでステージに立つと、やっぱり迫力が違うなと感じるんです。長年続けるってすごいことなんだなと、改めて思いました。僕はとにかくまじめが強みなので、忠実に踊ることで追いついていきたいです」(春木)
同じく、弟分グループに在籍していた仲野五大(23)は、ライブの出演順でグループの歴史を実感したという。
「弟分グループにいたときは、対バンライブでもトップバッターが多かったんです。それがB2takes!!は、いつも最後。家を出るとき『こんな遅い時間で大丈夫かな?』って不安になります(笑)。グループの貫禄を感じました」
ここからが正念場、ファンに笑顔と元気を届けたい
迎航平(29)は小澤が「ぶっ飛んでいる」と評するメンバーだが、加入時は不安が尽きなかったという。
「B2takes!!はみんな個性が強い。僕は中身がすっからかんなので、心配だらけでした。でも先輩方に相談するとすごく親身に話を聞いてくれて、『周りが引き立ててくれるよ』と言ってくださり心が軽くなりました。同期たちもみんな面白いので、彼らがいい見本になっています」
歌唱力に定評のあるHIROKI(23)は、グループ内の仲のよさについてこう話す。
「先輩方が、僕ら年下メンバーの目線に合わせてくれるんです。だからこそ、僕らが伸び伸びできてるんだなって。仕事なので、ピリピリする場面もいっぱいあるけど、終わればちゃんと切り替えてくれる。そういう優しさや、器の大きさをすごくリスペクトしています」(HIROKI)
20歳の松田夢生は、小澤、IGUと干支が一緒だ。
「年齢はひと回り違いますが、すごくラフに接してくれるのでありがたいです。サウナも一緒に行きました! 年齢差を感じる部分を挙げるとすれば、先輩方が聴いている平成ソングがわからなかったときですかね(笑)」(松田)
まったくの初心者として加入したのが風岡史也(23)。名古屋で美容関係の仕事をしていたが、芸能活動をするため上京した。
「僕は完全に初心者だったので、最初は大変でした。ピーウィーさんに怒られることも多く怖かったです。一方でIGUさんがものすごく優しくて、それも怖かった(笑)」(風岡)
「新メンバーに対して、ピーウィーが厳しくして、僕が優しくしようって、担当を決めてたんです。アメとムチ作戦ですね」(IGU)
「絶妙なタイミングで、いいアメくれるんですよ(笑)」(風岡)
'23年の年末に行われた11周年記念ライブは、体調不良で急きょ欠席となったメンバーがいたため、全員でステージに立つことができなかった。今年の12周年ライブでは「絶対に全員で」とピーウィー。
「廉くんも戻ってきて、新メンバーも入って、今のB2takes!!は奇跡の11人だと思うんです。この1年は全員で同じ方向を向いて、頑張っていきたいです」(ピーウィー)
復帰して、もうすぐ1年を迎える小澤にとっても、これからが正念場だ。
「迎えてくれたファンの方のためにも、今度は僕が笑顔や元気を届ける活動をしていかなければなりません。年齢なんて気にしていられない(笑)。みんなの生きる糧になれたらうれしいです」(小澤)
取材・文/中村未来 撮影/佐藤靖彦