“今年こそ貯めたい”と思っている人へのおすすめアイテムが、家計簿アプリ。
貯まる仕組みを作れば貯金が勝手に増える
「以前は私も夫も、お金はあるだけ使ってしまう浪費家でした。お金を管理しようと手書きの家計簿を買ってはみるものの、三日坊主で終わることの繰り返し。
でも、家計簿アプリを活用してお金が貯まる“仕組み”を作ったところ、その後はみるみる貯金が増えるようになったんです!」
そう話すのは、SNSでフォロワー22万人を誇る、元金融ウーマンのさぶさん。
「貯められていないときには、月にいくら使っているのか、家計の収支が明確に把握できていませんでした」(さぶさん、以下同)
収支をしっかり把握したいなら、家計簿をつけることがまずは第一歩ではある。
「でも手書きの家計簿は支出を書き込むだけでなく、集計もしなければなりません。キャッシュレス時代になり、カード払いが多くていちいち明細を見ながら記入しなくてはならないのも、やる気を削ぐ一因に」
そこでさぶさんが目をつけたのが“家計簿アプリ”。
最初は自動で計算してくれ、使ったその場ですぐに反映される利便性だけで満足していたというが、次第に手持ちの口座、クレジットカード、証券会社とすべて連携させ“貯める”テクを身につけていった。
「これが、今2000万円貯蓄が達成できる家計となったターニングポイントです。家計簿アプリで管理、予算立てをするようになった結果、“先取り貯蓄”がコンスタントにできるようになり、貯蓄額が着実に増えていくようになりました」
現在では、「貯蓄・貯蓄型保険」と「投資」に収入の40%を回せる家計に。投資にしっかり予算を回せるようになったことで貯蓄倍増に大きく拍車がかかった。
さぶさんは、生活費で“使う口座”、積立貯金をする“貯める口座”、証券口座の“増やす口座”と3つの口座を使い分けている。
「わが家の財産を一気に“見える化”したことで、管理のしやすさはもちろん、さらに貯めようというモチベーションもアップしました」
この方法で、貯蓄を楽に長く続けることができたと語る。
「家計簿アプリはネット上で口座などとひも付けられるので、セキュリティー体制は万全か、上場会社が運営しているか、多数の金融機関と連携しているかなど、いくつかを比較検討。安心できるものを選ぶことが大切です」
家計がどんぶり勘定になって貯まらないと嘆いている人は、次のページからの具体的な活用テクを参考に、ぜひトライしてみてほしい。
さぶさん愛用の家計簿アプリ
マネーフォワードME
資産確認もできる家計簿。「家計簿・資産管理アプリ」利用率No.1。給与の振り込みや毎日のお金の出入り、銀行残高やクレジットカードの利用額などを見える化し、家計の管理や改善をサポート。
さぶさんはいくつも試し、これにたどり着いた。「まさに神アプリです!」
アプリに連携させればすべてのお金の管理が簡単に!
・クレジットカード
どのカードで、いつ何に支払ったのかがわかり支出の見直しをしやすい
・銀行
ATMでの引き出しや公共料金の引き落としが年単位でひと目でわかる
・証券
証券口座や投資用口座をひも付けておけば資産がわかりやすい
貯まる!家計簿アプリ活用テク
テク1:すべてをひも付けて生活サイズを知る
具体的に家計簿アプリをどう使いこなせば貯まるのか。
「まずは支出の費目を決め、登録することから始めてください。費目は、自分ルールで決めてOK。最初はあまり難しく考えず、家賃や光熱費、食費、レジャー費、雑費あたりに分けて集計すると、お金に対する意識が変わるはずです」
お金を使った記録が後回しにならないのも利点だ。
「私の使っている家計簿アプリを例に話すと、現金で払った場合はレシートを撮影すると自動で反映してくれますし、カード払いも、登録しておけば費目別に自動で振り分けてくれます」
カードの種類によっては明細まで表記されるものも。スタート時は、支払い先の費目設定などが必要だが、その後は自動で費目別に家計簿をつけてくれる。
「費目が細かくなっても、すべて集計して、グラフまで作ってくれるので、全体が把握しやすくなります。固定費はもちろん、月ごとの変動費の把握がしっかりできるようになるので、貯め体質づくりには最適です」
家計簿アプリの使い方
1)アプリをスマートフォンにダウンロード
2)銀行口座やクレジットカードと連携
3)固定費の登録と、変動費の費目を決める
4)費目別に出費を登録。現金での買い物は、レシートを撮影
5)支出や口座の残高、カードの利用残高をグラフでチェック
テク2:費目別に予算を立て予算達成を目指す
家計簿アプリには予算機能がある。
「この機能はぜひ有効活用すべき。予算を立て、達成させることが、家計簿アプリでお金が貯まるポイント。
費目ごとに予算を入れると“残高はあといくら”など具体的に現状がわかるので、毎月の達成具合がひと目でわかります。ゲーム感覚で楽しく予算達成を目指せるので、ぜひ使ってみていただきたいですね」
さぶさんが予算を決めなければ家計簿の意味がないとまで言い切るほどの重要機能。
「実は私自身、家計簿アプリを使い始めた当初は予算を設けていませんでした。だから、なかなか貯められなかったんです。あといくら、と具体的にわかるので封筒に現金を分けて管理しているのと感覚的に近いかもしれませんね」
予算決めに際し、さぶさんは暮らしの中で大切にしたいものは甘めにしてメリハリをつけているという。
「仕事と子育てで忙しい中で、私の幸せに欠かせないのが外食です。そのため、外食費は家の食費と分けて予算化しました。予算を守るのは基本ルールではありますが、外食費に関しては、多少オーバーしても大目に見るようにしています」
予算にメリハリをつけるためには、どこかで締めることも大切だ。
「トイレットペーパーや歯みがき粉など、日用品ではできるだけ出費を抑えたいんです。だから、日用品費だけは『何が何でも予算を超えないぞ!』と工夫するようになりました。
トイレットペーパーはふるさと納税で、歯みがき粉は株主優待でまかなっています。ウエルシアで使えるTポイントが貯まる“ウエル活”もしていますし、日用品にはほとんどお金を使わずに生活するのが目標です」
家計簿アプリで予算や支出をつけると、自分がお金をかけたいもの、かけたくないものが可視化できる。
「気持ちよく出費できるもの、そうでないものを支出の中で把握して、好きなことにお金を使っていく。それが、この先の人生の幸せにつながっていくと思いますし、お金を貯めることにも直結します」
《費目の大枠の決め方》
・固定費
住宅ローン、車などのローン、教育費、Wi-Fiやスマホ代を含む通信費、自動車保険など毎月払いの保険料、小遣いなど。
・変動費
食費、外食費、水道光熱費、日用品費、レジャー費、病院代などの医療費、飲み会やプレゼント代を含む交際費、子ども費など。
・特別費
ふるさと納税や固定資産税などは税金に。壊れた家電の買い替えや家具の新調など時々かかるお金はその他に分けて記載。
費目ごとの予算の達成具合がひと目でわかってやる気アップ!
テク3:費目から見えるムダな支出をとことんなくす
毎月のお金の動きが簡単にわかることが家計簿アプリを使う利点。
「支払いの明細が細かくわかるので、例えば解約をし忘れていたサブスクや、うっかり払い続けていた会費などに、すぐに気づくことができるんです。
わが家の場合は、一か月無料キャンペーンの間だけ使うつもりだった子ども用の英語学習のアプリや、夫が一か月だけ視聴するつもりだった有料のゴルフチャンネルなどにお金を払っていることに気づいて解約することができました。
申し込みは簡単で解約はちょっと面倒なサブスクは、今の時代の落とし穴でもあるように思います」
毎月の費目別の支出をグラフにできる点も家計簿アプリを使う大きな利点だ。グラフによって金額を可視化することで、予算のバランスや生活の見直しにつながる。
「電気代や水道代なども1年を通して料金の変動を見ることができるんです。去年の同じ月と比べて水道代が上がっていたら『節水ができるシャワーヘッドに替えようかな』と水道代を抑える方法を考えます。
電気代に関しては節電はもちろん、電力会社の見直しも年間の使用料がわかることでしっかり比較して検討することができます」
支出の可視化で、使途不明金やムダな支払いをとことんつぶせば、浮いたお金を貯蓄に回すことができる。
テク4:クレカの利用で賢くポイ活
現金を使うのは習い事の月謝や自治体の会費程度で、基本的にはキャッシュレス生活を送っているというさぶさん。
「家計簿アプリを使ってお金を貯めるためのコツは“キャッシュレス生活”にもあると考えています。現金払いだとレシート撮影や手入力が必要なので、私は100円の買い物でもクレジットカードで精算しています」
クレジットカードをうまく活用するには「目的化」して持つことが大切だ。
「メインで使うカード、よく利用するネットショップ用のカードなど、“このカードはこの用途に使う”と決めて使い分けるのがおすすめです。私は、3~4枚を目安に使い分けています」
さぶさんがクレジットカードを選ぶとき重視するのは年会費無料とポイントの「利用時還元率」だという。
「私のモットーのひとつが“ポイントも資産と考えて有効活用”です。収入を1万円増やすのは大変ですが、1万円分のポイントなら、クレジットカードを賢く選んだり、ドラッグストアのポイ活など、自分の行動をちょっと見直すだけですぐに生み出せることができると気づいたのです」
家計簿アプリではポイントもまとめて管理でき、各サイトの残高や、有効期限なども表示される。
「エポスゴールドカードのポイントはスターバックスカードのチャージに使えるので、スタバのドリンクがポイントで飲めちゃう。普段のネットショッピングは楽天で買うと決めていて、ポイントが4倍になる日に購入しています。
貯まったポイントで投資することもできるため、単なるポイントを資産運用することで、より価値が増えるように心がけています」
家計簿アプリを賢く使い倒して、コツコツ着実に貯金を増やそう!
さぶさんのポイント重視カードセレクト
楽天カード
年会費無料、利用時還元率1%で楽天ポイントが貯まり、楽天市場や楽天ポイント加盟店などでポイント交換が可能。楽天市場での利用はポイント3倍でおすすめ。
エポスゴールドカード
年会費無料、利用時還元率0.50%でエポスポイントが貯まる。マルイの店舗や通販、スターバックスカードへのチャージに使える。指定した3店舗での利用はポイント3倍になる。
PayPayカード
カード利用200円につき1%のPayPayポイントが付与。「Yahoo!ショッピング」「LOHACO」で決済した場合は最大5%のPayPayポイントが貯まります。1ポイント1円としてPayPayで利用可。
三井住友カード(NL)
対象のコンビニ・飲食店でのタッチ決済利用で最大7%還元。貯めたVポイントはSBI証券で投資信託の購入を選ぶこともできる。キャンペーンが多い点も魅力。
家計簿アプリ3大メリット
1)予算管理しやすい!
2)キャッシュレス生活にマッチ。使途不明金が明瞭に
3)予算達成が一目瞭然でやる気アップ
やっぱり紙派という人におすすめテク
さぶさんは家計簿アプリを使い始めてしばらくの間は、1か月に一度、アプリの集計結果をノートに書き写していたそう。
「初めのころはスマホの画面で金額を見るだけだと自分ごとのように思えず予算オーバーしたこともありました。手で書くと金額を実感でき、予算管理もしやすくなるのでおすすめです」
取材・文/熊谷あづさ