自閉スペクトラム症の天才料理人の主人公・八重森ありすと彼女を見守る周囲の人々を描きながら、過去に起こったありすに関わる事件が解き明かされていくハートフル・ミステリー『厨房のありす』。
永瀬廉・門脇麦、お互いの印象は?
主人公のありすを演じる門脇麦と、ありすが営む料理店『ありすのお勝手』に転がり込む謎の青年・酒江倖生役の永瀬廉にインタビュー。今作が初共演となるふたりにお互いの印象について質問すると、
門脇「初めて話したときはビックリしました。永瀬くんに関西弁のイメージがまったくなかったので」
永瀬「僕、標準語顔ですよね」
門脇「そう、顔が東京の人っぽいと思っていて」
永瀬「自分でも思います」
門脇「ごめん。勢いで言ってしまいました。東京の人っぽい顔がわからないかも」
永瀬「僕も標準語顔は勢いでした。すみません(笑)」
初共演とは思えない息の合ったトーク。永瀬の門脇に対する印象は、
永瀬「意外としゃべる方だなと思いました。お会いする前は物静かでミステリアスな印象だったんです。あっ! もちろんミステリアスな部分もあるんですが、僕が話したことに対してものすごく反応してくれる。だから、お話ししやすい方だな、というのが初対面で感じたことでした」
門脇が演じるありすは“料理は化学です”が口癖の料理人。いっぽうの永瀬が演じる倖生は、無愛想だが根は優しい青年。役柄と自身との共通点について、
門脇「ありすが(化学の知識をもとに料理することから)ものすごい量の化学式をすごい勢いで列挙するシーンがあるんです。私も好きなことに関してぶわーっと早口でしゃべってしまうことがあるので、そこは近いかもしれないですね」
永瀬「僕も倖生のように無愛想に見られがちなところがあります。人に興味があって寄り添いたい気持ちは強いのですが、少し不器用なところがあってうまく伝わらない。そんな部分も彼に似ているのかなと思います」
永瀬廉の欲しい調理道具
劇中、ありすと倖生がどのように心を通わせていくのか楽しみだが、もうひとつの注目ポイントが料理。ドラマに登場する料理を実際に作る調理場が、ふたりのお気に入りの場所になっているという。
日頃からキッチンに立つことが多い門脇と、ほとんど料理をすることがないという永瀬に欲しい調理道具があるか聞くと、驚きの回答が。
門脇「(週刊女性の)撮影で持たせていただいた『STAUB』のような、無水調理もできる鋳物ホーロー鍋を以前から欲しいと思っていて。やっぱり冬になるとあったかいもの食べたいじゃないですか。だから、買います! 手に入れたら煮込み系のものを作りたいですね。トマトシチューとか」
永瀬「(遠い目をしたあと)僕は、最近箸を買いました」
門脇「それ、調理道具? あっ! 食器とか洗うのが面倒だからってこと? それは、ちょっとわかる気がします」
永瀬「そうなんですよ。少し手間だなと思ってしまうときがあって。今回、料理のシーンがあったときのためにと、ネットで調べた包丁を眺めた次のステップとして箸を購入しました。僕としては、一歩先に進んだと」
門脇「進んだのかな?(笑)」
永瀬「前に進めた実感はあります! ただ、僕が向いている前が、みなさんからしたら後ろかもしれないですけど(苦笑)」
門脇「前か後ろかなんて、自分で決めていけばいいからね。人生その繰り返しですから!」
永瀬「はい(笑)」
すっかり打ち解けているふたりに、仲良くなりたい相手との距離を縮めることができるオススメの料理を教えてもらった。
距離を縮める料理
門脇「やっぱり、焼き肉じゃないですか。ちょっと話すことがなくなっても“じゃあ次、タン焼いちゃいますか”みたいな感じで一緒に肉を焼けばいいから」
永瀬「確かに(爆笑)!」
門脇「鍋だと、煮込んでいる時間はやることがなくて無言になっちゃうかもしれないけど、焼き肉なら肉をひっくり返したり、何かしらの作業があるので」
永瀬「僕は、コース料理以外だったら大丈夫かなとは思います。コース料理って、どうしても待つ時間があるじゃないですか。話すしかない時間が生まれるので。でも、一番はやっぱり焼き肉ですね」
最後に、お互いに自分の得意料理を振る舞うとしたら?
門脇「私は、みかんの皮をむいてもらえたらいいかな」
永瀬「いや、海苔ごはんとかなら作れますよ。韓国海苔ごはんも」
門脇「そっか、そっか」
永瀬「“そっか”の3文字だけですか?」
門脇「海苔ごはんに何てコメントしたらいいかわからなくて(苦笑)。私は何作ろうかな? たぶんすごく忙しい方だと思うので、スタミナがつくものを」
永瀬「お願いします!」
門脇「レバニラとか好きですか?」
永瀬「大好きです! レバニラ玉とかいいですね!!」
門脇「それじゃ、レバニラ玉作ります。でも、海苔ごはんと比べると、調理にかかる時間が。レバーの下処理もあるし」
永瀬「下処理するんですか!?」
門脇「そうだよ。牛乳で臭みを消したりして」
永瀬「でも美味しいものがいいので、全部やってほしいです。なんなら、海苔ごはんも作っていただいていいですか?」
門脇「(爆笑しながら)わかった!ついでに作ります」
こだわりの強いありすのように、ここは譲れないということは?
永瀬「家のルールではありますね。基本的に私服でベッドに乗るのはダメ。家の中を歩くときはスリッパを履いてほしいとか」
門脇「ちょっと潔癖症?」
永瀬「潔癖というか、変なこだわりだと思うんです。ここはこだわるのに、ここはこだわらないんだ、みたいなことが結構あります」
門脇「私、そういう意味では家のルール皆無ですね。こだわりがない」
永瀬「私服でベッドに乗るのもオッケーですか?」
門脇「全然、平気」
永瀬「嘘!?」
門脇「気にならない。もっと言うなら、頑張って家の棚とか買っているけど、別になくてもいいの。昔、段ボールを机の代わりにして過ごしていたときもあるし、でも、それが嫌じゃなかったんです」
永瀬「お金がないわけじゃないですよね?(笑)」
門脇「違う、違う(苦笑)。物をどこに置いたらいいのかわからないんだと思う。遊びに来た友達から“家の中の物の配置が変じゃない? なんでここにテレビを置くの?”って言われたことがあって。たぶん、空間音痴。空間認知能力がないんだと思います」