お笑い界の頂点に君臨してきたダウンタウンの松本人志が、表舞台から姿を消した。
『週刊文春』で、性加害疑惑が報じられたことを受け、活動休止を発表。1月22日には発行元の「文藝春秋」などに対し、5億5000万円の損害賠償などを求めて東京地裁に提訴したことを公表した。
「法廷闘争に入れば、裁判が終わるまで3~4年はかかるといわれています。複数のレギュラー番組を抱える松本さんが長期不在になる影響で、テレビ各局は今後の放送をどうするか、話し合いをしています。代役を立てる番組もあるようですが……」(スポーツ紙記者)
お笑い界をけん引してきたカリスマの不在を、どう乗り切るのか─。
女性たちが選んだ“ポスト松本”
そこで『週刊女性』は、20歳から70歳の女性1000人に松本が出演する番組の後任として適任であると思う芸能人を緊急アンケートした。
まず、松本の出演番組を、次の3類型に分類する。
1.“審査員”を務める『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)や『キングオブコント』(TBS系)。
2.番組で浜田雅功や中居正広の“相方”を務める『水曜日のダウンタウン』(以下『水ダウ』、TBS系)や『まつもtoなかい』(フジテレビ系)。
3.松本が単独で“MC”を務める『人志松本の酒のツマミになる話』(以下『酒のツマミ』、フジテレビ系)や『探偵! ナイトスクープ』(以下『ナイトスクープ』、ABCテレビ)、『クレイジージャーニー』(TBS系)。
各分類にふさわしいと思う“後任候補”1名をそれぞれ挙げてもらい、その理由について答えてもらった。
女性たちが選んだ“ポスト松本”はいったい、誰!?
松本は現在、7本のレギュラー番組を持っているが、その中でも今後の動向が注目されるのは、松本の名前を冠した2つの番組だ。
「トーク番組の『まつもtoなかい』と『酒のツマミ』は、スポンサー離れを懸念して、番組名を変更することも議題にのぼっているようです。『まつもtoなかい』に至っては、代役を立てたら番組名も変更する必要がありますよね」(前出・スポーツ紙記者)
『さんまtoなかい』が実現?
アンケートでは『まつもtoなかい』、『水ダウ』での“相方”後任として、5位にランクインしたのは“トークモンスター”明石家さんま。
「中居さんと気が合いそう」(東京・49歳)、「楽しませてくれる」(秋田・47歳)
といった回答が集まった。
お笑い評論家のラリー遠田さんは、この結果についてこう分析する。
「過去に放送されたフジテレビ系の『FNS27時間テレビ』内では、深夜のトーク企画で中居さんと共演していました。そのときの掛け合いが面白いと評判だったので、もう一度、見たいと思っている人がいるのかもしれません。ただ、松本さんの代役を先輩であるさんまさんがやるというのは、普通に考えると現実的ではないでしょうね」
『さんまtoなかい』は、期待薄のよう。
その一方で、『酒のツマミ』や『ナイトスクープ』の“MC”後任として、4位にランクインしたのは千鳥の大悟だ。
「ほどよく力の抜けた感じが、番組に合うと思います」(京都・37歳)、「『酒のツマミ』といえば大悟さんだし、泣いたり驚いたり鋭いツッコミでふさわしいと思った」(埼玉・47歳)
さまざまな先輩芸人がいる中で、大悟が選ばれたのにはこんな理由があるという。
「千鳥は、現在、テレビ番組に多数出演し、次世代のエースというポジションで勢いがある。同じ吉本興業でMCをやっている千原ジュニアさんなどよりも得票数が多く、今まさに世間に求められている存在なのでしょう。松本さんの代役が霜降り明星だといわれたら“まだ早いかな”と思う人もいるかもしれませんが、大悟さんが松本さんの後任をやるのには違和感がありません」(ラリーさん、以下同)
バカリズムはいち早く後任に
『M-1』や『キングオブコント』の“審査員”後任として5位にランクインしたのはバカリズムだ。
「独自のお笑いを確立し、加えてドラマや映画の脚本家として活躍しているから」(北海道・60歳)、「しっかり分析しながら見ていそう」(長野・42歳)
芸人たちが大喜利を披露して競い合う『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)の放送は、2月3日に迫る。同番組でチェアマンを務めていた松本の活動休止を受け、後任に選ばれたのもバカリズムだ。こうした発表の影響もあったのだろうが、
「やっぱりネタの面白さに定評があるし、頭脳でお笑いをやっているという知的なイメージもある。ピン芸人の賞レース『R-1グランプリ』では審査員を務めていましたし、その審査コメントも理路整然として説得力があります。そんなバカリズムさんに審査員を任せたいと思っている人が多いのでしょう」
昨年はバカリズムが脚本を担当したドラマ『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)も話題になった。カリスマ不在の未来も、笑いで変えられるか!?
“MC”後任として5位に、“相方”後任として4位にランクインしたのは“松本軍団”のイメージがある東野幸治。アンケートでは、
「『ワイドナショー』でMCをやっているから」(京都・56歳)、「元妻への行動から」(愛知・60歳)
といった声が集まった。ここで気になるのは“元妻への行動”という言葉。
東野は、1991年にファンの女性と結婚し、2人の子宝に恵まれるも、2001年に離婚。その後、2011年に元妻と再婚した経緯がある。
「テレビ番組で自分の娘さんの話をするなど、よきパパという家庭的なイメージがあり、安心して見ていられる人です。もちろん、司会の腕も折り紙付き。バラエティー番組であれば笑いの要素を強めに、まじめな情報番組であれば進行を強めにするなど、番組のテイストに合わせて“出力調整”できる。そういった能力が買われているはず」
すべてでランクインした今田
一方、“審査員”で4位に、“相方”と“MC”の後任で3位と、すべてでランクインしたのが、もう1人の“コウジ”である今田耕司。
「松本さんの後をうまく引き継いでくれそう」(宮城・31歳)、「番組回しがうまいし、共演者をちゃんと立ててくれそう」(長崎・40歳)
そのトーク力には定評があり、現在も『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京系)やNHK『ファミリーヒストリー』などで司会を務める。
「MCの腕は、芸人の中でもトップクラス。賞レースなどでの仕切りは、場を盛り上げる笑いをつくりすぎても審査に影響しますから、そのバランスが難しい。『M-1』の総合司会を担当する今田さんは、拾うところはキチンと拾い、実にスムーズに進行をしています。そうした実力のほか、松本さんとも関わりが深い人なので上位にランクインしたのでしょう」
ただ、“審査員”後任で3位にランクインしたのは、松本との関係が今はさほど深くないように思える内村光良。
「コントをやり続けているから」(静岡・31歳)、「後輩から信頼が厚いし、的確な論評をしてくれそう」(神奈川・46歳)、「ダウンタウンと同時代にお笑い界をリードした人だから」(宮城・54歳)
内村の人柄や実力などを評価する声が多かった。
「ウッチャンナンチャンはダウンタウンと同時代に並び称された存在です。ほぼ同期ですから、連想した人も多かったのではないでしょうか。2009年には番組企画で2人が組んでコントを披露しています。そうした関係性から考えると、頼まれたら出演することがないとはいえない。とはいえ、内村さんが審査員をするなら『キングオブコント』だけでしょう。『M-1』は過去に審査員を務めていた南原清隆さんのほうが可能性は高いと思います」
異色の友情出演なるか!?
気になる第1位は…
そして、すべての後任で2位にランクインしたのは松本の相方である浜田雅功だ。
「浜ちゃんが審査する姿が見てみたい」(神奈川・37歳)、「松本さんのトーク力を維持できる人は相方しか思いつかない」(福井・36歳)、「同じくらいお笑いのことをわかっていて実力がある」(京都・56歳)
多くの人が、松本をいちばん間近で見てきた相方に、その代わりを求める。
「やはり松本さんから連想して答えますから、相方の浜田さんを思い浮かべた人が多かったのでしょう。ただ、賞レースの審査員を引き受けることはないと思います。浜田さんは『M-1』を“見ていない”と公言するぐらいですから、お笑いを審査するという目で見ていないはず。可能性はゼロだと思います」
そしてすべての“後任”候補として1位となったのは“いない”とする回答だった。
「松本さんを超える人が想像できない」(沖縄・21歳)、「松本さんみたいな天才はいない」(大阪・54歳)、「松本さんがいてこその番組」(兵庫・29歳)
カリスマの代役は、誰にも務まらないということか。
「松本さんの代役が誰かと聞かれたら、その能力やブランド力、存在感などを考えると“いない”と答えるのが妥当だろうとは思います。だから、そう答える人の気持ちもわかります」
松本不在のお笑い界の行方や、いかに─。