2024年も1か月がたち、注目の冬ドラマが出そろった。そこで、撮影現場から聞こえてきた、テレビには映らなかった裏話で、もっとドラマを楽しみたい。まずは王道の医療ドラマから。
『グレイトギフト』(テレビ朝日系)は、完全犯罪の殺人を可能にするという未知の球菌“ギフト”をめぐるサバイバル医療ミステリー。
「理科、苦手だったんだよ」
「主演の反町隆史さんが、うだつの上がらない病理医を演じています。細胞の分析が仕事なので、研究室のセットで特殊な作業をするシーンに四苦八苦しています。試験管に入っている液体をスポイトを使って移すシーンでミスをしたときは“どちらかというと理科、苦手だったんだよ、僕”と笑いながら言い訳していました」(テレビ誌ライター、以下同)
共演する佐々木蔵之介は心臓外科医役を、連ドラ初出演となるお笑いコンビ『見取り図』の盛山晋太郎は、反町と同じく病理医を演じている。
「早朝からの撮影で、反町さんから盛山さんにグーポーズの挨拶があったそう。実は、盛山さんは反町さんの大ファンで、反町さんが現場で愛用している化粧水や栄養ドリンクをまねしているそうですよ」
『となりのナースエイド』(日本テレビ系)で主演を務めるのは、川栄李奈。患者の食事や排泄の世話をする看護助手の役を熱演中だ。
「川栄さんは“医療オタク”という設定で、大量の医療用語を早口でしゃべるシーンが多いんです。覚えるのが大変そうですが、クランクインする前に3話分の台本を頭に入れてきたそう。難しいセリフをこなすと、現場では拍手が起こっています。驚異的暗記力で撮影に臨んでいます」
タッグを組む天才医師を演じるのは高杉真宙。2人は撮影の裏でもいい“バディ”のよう。
「共演は6年ぶりでも息はピッタリ。川栄さんのほうが2歳年上ですが、高杉さんは“年齢差は当時からあまり気にしてない”と、堂々と話していました」(スポーツ紙記者、以下同)
“小物感”あふれる医師を演じる小手伸也は、食事シーンでNGを出してしまった。
「肉を頬張るシーンで、口に入れた肉が大きすぎて飲み込むのにひと苦労。同じシーンにいた看護師役の女優さんが、その様子を見て笑いをこらえきれず、思いっきり顔を背けてしまいカットがかかっていました」
後日、小手はSNSで、そのシーンを、
《監督の要望が“お肉大きめで”とのことだったので、頑張りましたよ! 既に冷えてしまったカチカチお肉を! 全然飲み込めないから“出しますか?”と言われたのを、せっかくなので食べました!》
と、弁解していた。
「ウソだろぉ……」
燃え盛る空港の様子を見て、「ウソだろぉ……」とつぶやいたのは『新空港占拠』(日テレ系)主演の櫻井翔……ではなく、日本テレビの関係者だった。
「1月2日に飛行機が衝突する火災事故が発生。日本テレビ内では“このタイミングで空港を舞台にした爆破シーンもあるドラマを放送するのは不謹慎だ”と、放送を見合わせるべきという意見が出たんです。昨年1月に放送された『大病院占拠』の続編で、放送直前までドラマの正式タイトルを隠して『XXX占拠』と表示していました。なので、事故直後に唐突な“延期”や“中止”をすることは“ネタバレになる”といった指摘もありました」(日本テレビ関係者、以下同)
ドラマでは、突拍子もない展開に櫻井が毎回“ウソだろぉ~”とつぶやくのが話題に。
「制作発表で櫻井さんは“ハラハラドキドキするようなど真ん中のエンターテインメントをお届けしたい”と話していましたが、実際にはいちばんハラハラしていたのは制作スタッフです」
連ドラとしては約20年ぶりに復活する『大奥』(フジテレビ系)。小芝風花が第10代徳川家治の正室・倫子というヒロインを務め、京都ロケで撮影が行われている。
「水分補給ができない」
「小芝さんは御朱印帳を買ったそうで、休みの日に神社巡りをすると張り切っていました。でも、時代劇の撮影は過酷で、着替えやヘアメイクがとにかく大変。トイレに行くと着物の衣装直しに時間がかかるため、着物姿の出演者は、舐めるくらいしか水分補給ができません。きらびやかになるほど着物は重くなり、小芝さんは“筋肉痛になりそう”と、ボヤいていました」(スタイリスト)
月9ドラマ『君が心をくれたから』(フジ系)はファンタジーラブストーリー。永野芽郁演じるヒロインが、愛する男性の命を救うために自分の“心”を差し出す。
「相手役は山田裕貴さん。放送に先駆けて、第1話の完成版を永野さんと一緒に見ることを約束していたそうですが、山田さんは先に見てしまったんだとか。永野さんからは“裏切り者!”と、怒られてしまったそうです」(ドラマスタッフ、以下同)
ヒロインの故郷ということで、1か月間、長崎でロケが行われた。
「永野さんは現地のエキストラさんに地元のオススメを聞いていました。長崎ちゃんぽんは、ほぼ毎日食べていたそうですよ。地元の人がカステラを差し入れてくれたこともあって、長崎を堪能できたのでは」
『さよならマエストロ 〜父と私のアパッシオナート〜』(TBS系)では、西島秀俊が天才指揮者といわれながらも、私生活ではポンコツの父親役、芦田愛菜がしっかり者の娘で共演中。
「天才子役と呼ばれた芦田さんは、今回も役を作り込んでいました。でも、階段を駆け上がるシーンでコケてしまうという可愛らしい失敗も」(前出・テレビ誌ライター、以下同)
過去の出来事から父と娘には確執があるという設定。
「仲の悪い役柄だと待機中にあえて距離を置く役者さんも多いのですが、現場での2人は和やかな雰囲気。撮影の合間に、オヤジギャグが飛び交うことも。もちろん役への取り組みはみんな真剣。オーケストラの団員役で、楽器経験のない津田寛治さんや新木優子さんなどはクランクインの2か月前から練習を始めていました」
『春になったら』(フジ系)では、木梨憲武が1999年の『小市民ケーン』(フジ系)以来の連ドラ出演で話題に。
「奈緒さんが演じるのは3か月後に結婚する娘。木梨さんは3か月後にこの世を去る父親です。“結婚するまでにやりたいことリスト”と“死ぬまでにやりたいことリスト”を叶えていくストーリーです」
“休憩2時間、入れますんで!”
久々のドラマ出演に、木梨は体当たりで挑んでいる。
「複数のキャストと掛け合う難しいシーンで監督からやっとOKが出ると、達成感からか“休憩2時間、入れますんで!”と、ノリさん節が炸裂しました」
『Eye Love You』(TBS系)は、韓国の人気俳優チェ・ジョンヒョプを迎えて贈る“胸キュン”必至のラブストーリー。
「相手役を務める二階堂ふみさんは韓国語を猛勉強。ヒョプさんもキャストやスタッフと積極的に日本語でコミュニケーションをとっているそうで、現場はグローバルな雰囲気。言葉の壁があるからこそ、一体感が生まれているかもしれませんね」(番組AD、以下同)
チェは身長186cmで、二階堂とは30cm差。
「予告編の撮影では、二階堂さんはハイヒールを履いたうえに、台に乗って差を埋めました。本編では、そんなヒョプさんが包容力で二階堂さんを包み込み、胸キュンシーンを連発しそうです」
放送作家の引退を表明している鈴木おさむが手がける最後のドラマ作品は、ドロ沼離婚劇『離婚しない男 -サレ夫と悪嫁の騙し愛-』(テレ朝系)。不倫妻の綾香役を演じる篠田麻里子の振り切ったラブシーンがバズリ中だ。
「浮気相手を演じるのは小池徹平さん。以前、鈴木おさむさんの作品に出たときに、自らカットを申し入れて後悔したことがあったそうで、それからは鈴木さんと組むときはNGなしと決めたそうです。ラブシーンだけでなく、“綾香汁の味がする”などの官能小説ばりのセリフも連発。鈴木さんは“イケメンにどんなことを言わせれば気持ち悪いか”を計算してセリフを考えていると話していました」(前出・スポーツ紙記者、以下同)
妻の不倫を知り、娘の親権を得るために奔走する夫を伊藤淳史が熱演。
「篠田さんと小池さんがソファで行為をするシーンでは、2人のボルテージが上がって、白熱した演技が延々と続きました。そんな様子をソファの下で耐えるという芝居をしていた伊藤さんは、置いてけぼりに。実際に放置された気分になったそうです」
マネージャーも金髪に!?
ゴールデンの連ドラ初主演の道枝駿佑は『マルス-ゼロの革命-』(テレ朝系)で、初めての金髪に。
「金髪姿は、道枝クンが所属する『なにわ男子』メンバーたちから好評だったそう。お披露目したときには写真をたくさん撮られたんだとか。なぜかマネージャーも彼に付き合って金髪にしたそうで、現場でかなり目立っていますよ」(スタイリスト、以下同)
爽やかキャラだった道枝にとって、今回の謎めいた役柄は新境地となる。
「道枝クンが演じる高校生は、学園のダークヒーロー。これまでのイメージとはガラリと変わる役どころなので、表情の作り方を一生懸命に研究しています。ハードないじめのシーンがあったりとドラマの内容は重めですが、同年代のキャストが多く、現場は和気あいあいとした空気になっていますね」
今後のドラマの展開はもちろん、舞台裏からも目が離せそうにない!