伊藤美誠(本人HPより)

《不貞腐れてるの?》

《最近、振るわないね。悔しい気持ちは分かるけど、この発言はほかの選手を下に見ていたことのあらわれだよね》

パリ五輪シングルス代表候補に伊藤の名前はなく…

 今月28日にパリ五輪選考ポイント対象大会がすべて終了。翌日の29日、日本卓球協会は全日本選手権での成績を反映した「2024年パリオリンピック選考ポイント」の獲得状況を発表した。

 代表候補予定選手については、2月5日に日本卓球協会より正式に発表されるが、今回発表されたポイントで卓球シングルスの代表候補予定となる上位2名が確定し、910.5ポイント獲得した早田ひな選手(23、以下敬称略)、次いで536ポイントの平野美宇(23)となった。そこに伊藤美誠(23)の名前はなかった。

 2021年東京五輪のシングルスで日本卓球史上初の銅メダルを獲得し、女子団体で銀メダル、水谷隼(34)との混合ダブルスでは悲願の金メダルを手にした彼女だが、2024年のパリ五輪への出場をかけた試合ではいまいち結果が振るわなかった。

 今月26日の『全日本選手権女子シングルス』6回戦で木村香純(24)に3-4でまさかの逆転負けをしベスト16にとどまったことで、個人での五輪出場を逃してしまったのだ。パリ五輪卓球女子シングルス代表の“残り1枠”を争う戦いだっただけに、悔やまれる結果となった。

「上位2人に次いで3位の伊藤は471.5ポイント、伸び盛りの15歳・張本美和は430.5ポイントでした。張本美和選手は男子シングルス代表候補に1位で内定した張本智和(20)の妹で、2021年に全国中学校卓球大会の女子シングルスで1年生にして初優勝した実力者。今回の『全日本卓球選手権の女子シングルス』の決勝で早田選手に敗れ、準優勝を果たした期待の新星です。近日中に発表が予定されていますが、選考の行方に注目が集まっています」(スポーツ紙記者、以下同)

伊藤の団体戦についての発言が物議に

 一方、伊藤の敗北で8強進出を決めた平野が、シングルス五輪代表内定が確実になった。

《シングルスに出場するからには必ずメダルを取りたい。団体でもメダル、そしてやっぱり金メダルを。五輪の舞台で中国選手に勝ちたい》

 と決意表明をした平野は、同い年の伊藤とはもともと幼いころから戦ってきたライバル関係であると同時に親友でもある。ダブルスでしばしばペアを組んできたふたりは“みうみま”の愛称で親しまれてきたが、今回の一戦が明暗を分けた。

 卓球界も予想していなかったまさかの結果に各メディアが一斉に報じたが、伊藤の団体戦についての“ある発言”が物議を醸している。

 26日、伊藤は自身の結果を受け、インタビューで、

《シングルスで(日本勢で)初の金メダルを取って歴史に残したかった。みんなと一緒に行きたかったが、その部分だけは悔しい》

《卓球は大好きだけど、オリンピックを目標にするのはやめておけば良かったって思う瞬間がいっぱいあった》

 また団体戦については、

《私はずっとシングルスで優勝することを目標にしていて、団体戦に選出されても、出るかどうかははっきり決まっていない。まずは落ち着いて、どこまでやるかをしっかり考えたい。昔からよいところでやめたいと言っていたが、これで終わりたくない気持ちもあるし、終わりたい気持ちもある、いいところで終わりたいので、もう少し頑張ります》

 と涙ながらに語った。

中途半端な気持ちなら、出なくていい

東京五輪時の伊藤美誠(右)と平野美宇(左)。中央は引退した石川佳純(平野のインスタグラムより)

 代表選考レースの過程で腰痛を発症していた伊藤選手。心配や同情の声はありつつも、“団体戦への出場をためらっている”とも取れる彼女の発言にSNSでは厳しい声が多数寄せられた。

《自分のことばっかり。だから伊藤選手って好きになれない》

《そんな中途半端な気持ちなら、出なくていい。かわりに若手の張本美和を出してあげてほしい》

《伊藤選手の発言だけど、平野選手との格の差を感じた。自分ひとりで成し遂げた結果だとでも思ってるわけ?負けず嫌いもほどほどにして》

 実は昨年の試合でも思うような結果が出なかった伊藤選手。その際、張本選手や平野選手をめぐる発言でも波紋を呼んでいた。

「昨年11月26日に開催された『卓球・全農カップ大阪大会』で、伊藤は準々決勝で張本美和に敗北し7位という結果になっていました。そして、5-8位決定戦では平野と直接対決の結果、“ストレート負け”しています」

 伊藤はこれまでの実績もあり、相当悔しかったのだろう。思わずこぼした「屈辱的な試合でした」という発言で、《周りを見下している発言だよね》《プライド高すぎ。何様?》《プロ失格》などと炎上してしまった。

「これまでも“今日の練習そこまで気合が入らなくて”“気持ち的には飽きちゃってる”など思ったことをそのまま口にするような歯に衣着せぬ物言いをするタイプですが、若かったから許されているところもあったのかもしれません。今回の団体戦に関する発言も相まって、世間から“不貞腐れている”という声があがってしまったようです」

 ケガも相まって、不調続きの伊藤美誠。だが、卓球大国・中国から“大魔王”の異名で恐れられてきた彼女の実力は申し分ないはず。気持ちを整えて、団体戦に出場してほしいものだが……。果たして“切符”は誰の手に。