沖縄県や宮崎県の各地で春季キャンプがスタートしてから1週間、多くのファンが見学に訪れているが、2月6日に宮崎・南郷で初日を迎えたのが、12球団で最も遅くキャンプインした埼玉西武ライオンズ。
2019年以来の優勝に向けて選手らが汗を流す中で報道陣、そしてファンが熱視線を送ったのが、福岡ソフトバンクホークスから移籍してきた甲斐野央投手(27、以下敬称略)。山川穂高(32)のFA移籍に伴う人的補償で西武に加入した、プロ6年目を迎える期待のリリーバーだ。
毎年、宮崎キャンプを現地で取材するスポーツライターに聞くと、
「和田毅投手(42)のプロテクト漏れをめぐる“ドタバタ劇”の末に、西武球団から指名された甲斐野投手。本来ならリストから外される選手とは思いませんが、ホークスではファンから愛されたムードメーカーだけに、誰よりも大きな声を出して新チームに溶け込んでいますね」
7日には『侍ジャパン』井端弘和監督も視察。新天地での飛躍を期待され、日本代表に再選出されるようハッパをかけられたという甲斐野。11月開催の『第3回プレミア12』では、メジャーリーガーにも引けを取らない活躍を見られるかもしれない。
そんなチームの中心になれる選手だけに、熱心なライオンズファンが放っておくはずもない。
「練習後には記念撮影にも気さくに応じ、女性ファンからはプレゼント攻撃を受けていましたよ。イケメンですからね(笑)。即席サイン会でも誰よりも長い列ができ、人気ぶりに“マジか”と驚きつつも最後の1人まで対応していました。
騒動を経ての移籍だけに本人も不安な気持ちがあったと思いますが、温かく迎え入れてくれたファンへの“恩返し”だったのでしょう。シーズン開幕後も応援したくなる選手の1人です」(前出・スポーツライター、以下同)
サイン色紙は3000円、ボールは3500円
しかし、初日を終えて身体のケアをしたいところを押して臨んだ、甲斐野の“善意”が踏み躙られようとしている。やはりというべきなのか、“転売品”と思われる彼の直筆サインがフリマアプリに出品されたのだ。
【サインは本人から直接いただきました】との商品説明がなされた、複数のサイン色紙やサインボールはいずれも2月6日に出品されていて、色紙は3000円、ボールは3500円の値がつけられている。
それぞれ「西武ライオンズ」との記名があることから、春季キャンプで入手したばかりの“商品”とみられる。中には検索にヒットさせやすくするためか、ご丁寧にも【ソフトバンクから人的補償】【山川穂高】【和田毅】の文言を添えた出品も。
間も無く疑われた直筆サインはライオンズファン、野球ファンの目に届くことになり、
《今日友達とサイン貰いに行って俺が甲斐野選手に貰って友達が武内選手に貰ったんだけど今日書いて貰ったサインと同じだし、出品時間的に今日貰ってた中に転売ヤーがいたと思うとキモすぎる》
《以前も、甲斐野投手のサイン、メルカリか何かに出品した人がいたと思う。一体、どう云う神経してるのか、呆れてものが云えない。》
昨年にも西武選手のサイン転売めぐる騒動
《ファンに喜んでもらおうと思ってしてくれるのにお金に変えようとするなんて そんなに儲け目的で出すなら「私が出品しています」て野菜みたいに顔写真つけてほしい》
などと、初めから転売目的で選手にサインをもらう“ルール違反”に批判の声が上がっている。
「西武では昨年のキャンプでも、隅田知一郎投手(24)が何回もサインをもらいにくるファンに断りを入れた場面もあり、プロ野球選手会がSNSで転売行為を控えるよう注意喚起する投稿をしています。
それでも直筆サインの転売は増加傾向にあり、各チームが対策を講じてはいるものの、実際は転売目的の人かを判断する手立てもなく選手たちも疑心暗鬼になってサインする心苦しい状況が続いています。
選手から直々に受け取ってこそのサイン。たとえスター選手のサインだとしても、ネットで購入しないことも転売の撲滅につながると思います。そもそも本物かどうかもわかりませんからね」
キャンプでのファンサービスがなくなってしまう前に、か。