笑っていられるのも? 岸田文雄首相

「確定申告前」「納税呼びかけ」「裏金さておき」

 2月15日、X(旧ツイッター)を含むSNSのトレンドをにぎわせたのは、岸田文雄首相と自民党議員に対する国民からの呆れ声だった。

 14日の衆院予算委員会で、野党から自民議員の“裏金問題”を追及された岸田首相は「おわびすべき」としつつも、これをさておく形で、

今月16日から開始される確定申告において、それぞれの納税者のみなさま方に法令にのっとり適切に申告納税を行っていただくようお願いを申し上げたい」と、16日から始まった所得税の確定申告を呼びかけたのだった。

 一方で、政治資金パーティー収入のキックバック分を収支報告書に記載していなかった議員に、「脱税の疑いがある」などの批判も出ているが、キー局報道部の政治記者によると、

「党内からも、使途不明の“裏金”については個人の所得として“課税対象”と見なされる、納税させるべきとの声が上がっていることで、岸田首相もこれを検討する意向を示しているとのことです。

 ただ確定申告を前にしての動きということもあり、増税や納税に不満を訴える国民の溜飲を下げるためのパフォーマンスと見る向きも。それに課税にした場合、議員の意図的な“脱税”行為を認めることにもなりかねないため、それはそれで野党から追及される。

 いずれにせよ“検討どまり”の可能性もあるわけで、国民一人一人がきっちりと監視していく必要があるでしょう」

選挙の時などお役立ていただければ

国民の政治不信の表れか、立ち上げられた『自民党裏金リスト』。裏金の金額のほか、議員の公式HPなどのリンクも

 そんな国民の怒りと不満、政治不信の表れなのだろう。ネット上では有志によって『自民党裏金リスト』なるサイトも作成されている。

《なかなか忘れられがちな過去の不祥事。思い出せるように一覧にまとめました。選挙の時などお役立ていただければ幸いです。》

 コメントが添えられたHPには安倍派・二階派議員の顔写真と名前が五十音順で並び、写真をクリックするとそれぞれの“裏金”金額が表示され、また各議員の公式HPと衆議院サイトのリンク先も貼られてある。

 裏金の“ソース元”はニュースで報じられた金額をまとめたようだが、人数分を調べるにはなかなか骨が折れる作業であり、新情報が入り次第更新されるようだ。ネット上では「シンプルで見やすい」「選挙の参考にしたい」などと重宝され、拡散されている。

 納税は国民の義務であることは当然だが、その預けた税金を国民のために還元してくれる政治家をきっちり選ぶのも国民の義務なのかもしれない。