ドラマ『セクシー田中さん』原作者の漫画家・芦原妃名子さんの急逝後、“他人事”にも思える事後対応に批判の声が上がっていた日本テレビがようやく重い腰を上げた。
ドラマ公式HPに淡々と掲載された“お悔やみ”コメントから2週間以上が経った2月15日、あらためて【芦原妃名子さんに哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。】などと、追悼と謝罪を述べるとともに、
【日本テレビは今回の事態を極めて厳粛に受け止め、これまで独自に社内調査を行っておりましたが、原作漫画『セクシー田中さん』の出版社であり、ドラマ化にあたって窓口となっていただいた小学館にもご協力いただき、新たに外部有識者の方々にも協力を依頼した上、ドラマ制作部門から独立した社内特別調査チームを設置することにいたしました】
騒動を“スルー”し続けた理由を「社内調査を行なっていたため」としたかったのか、また新たに「社内特別調査チームを設置」することも発表。発行元の小学館の協力のもとで、ドラマ関係者に対する“事件”が起きた経緯と原因の聞き取り、検証が行われる模様だ。
2月16日には同局の情報番組『ZIP!』でも一件に触れて、水卜麻美アナが原稿を読み上げては「社内調査をする」ことを強調。日テレに不信感を抱く視聴者、これからもドラマ制作に欠かせない“原作者たち”へのアピールにも映った。ところがーー、
他人の不祥事は第三者第三者言うくせに
《今?遅すぎませんか?一体何してたんでしょう。ほとぼり冷めるまで待ったけどあまりに反響が大きかったのでやむなく設置したというとこですね。》
《だーかーらーさー! セクシー田中さんの件、日本テレビはミトちゃんとかアナウンス部に言わせないで、ちゃんとドラマ部門の奴等が出てきて会見して言えよ。》
《社内調査で信用できる?外部有識者って誰?他人の不祥事は第三者第三者言うくせに自分は社内調査でお茶濁すつもり?》
SNS上では、主に「遅すぎる」「会見はなし」「第三者委員会ではなく社内調査」との対応が火に油を注ぐ形に。さらには、
《内部調査する〜って自分達はそう言ってるけど、ジャニーズや宝塚の時は「外部調査しろ」って騒いでなかった日テレ?》
旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の性加害問題や、宝塚歌劇団のパワハラ騒動には騒ぎ立てるように連日の特集を組んでいた報道姿勢をも問う声も。
他者の不祥事を強く追及できなくなる
「人ごとではありませんが」としつつも日テレの対応に首を傾げるのは、さるキー局・報道番組に携わるディレクター。
「たしかに『ミヤネ屋』(読売テレビ)の宮根誠司さんをはじめ、ニュースや情報番組、ワイドショーでジャニーズや宝塚、はたまた日本大学の薬物汚染事件などの不祥事や事件で他局以上に正義を振りかざし、舌鋒鋭く追求していたイメージの日テレさん。
その都度、“第三者委員会の設置”や“記者会見を開くべき”などと、それぞれの対応不足を指摘していたように思います。今、逆に追求される立場となり、その末に“社内調査します”とあっては他者の不祥事を強く追及できなくなる、自分たちの首を絞める対応と言わざるを得ません」
2023年9月、定例会見で旧ジャニーズ事務所の対応に「十分とは考えていない」として、組織の見直しと社名変更の再検討を求めた日本テレビ・石澤顕社長。大きな“ブーメラン”となって返ってきたようで。