今クールのドラマで話題ナンバーワン!『TVer』のお気に入り登録者数もドラマカテゴリー1位で約124万人(※)となっている『不適切にもほどがある!』(金曜夜10時~TBS系)。※2月24日現在
上の世代には懐かしく、若い世代にはエモい
令和と昭和を行き来する主人公・小川市郎(阿部サダヲ)の娘・純子を演じている“聖子ちゃんカット”の河合優実(23)の知名度も爆上がり中。
「河合さんは、ドラマや映画が好きな方は前から注目していた女優さん。『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』や『神の子はつぶやく』(ともに'23年)、『17歳の帝国』('22年)などNHKのドラマにはかなり出演していました。今回『不適切~』で広く認知されましたね」
とは、ドラマに精通するライター・田幸和歌子さん。思い起こせば、有村架純(31)の出世作も聖子ちゃんカットで出演した『あまちゃん』('13年)だ。
「清野菜名(29)さんも『今日から俺は!!』('18年など)の聖子ちゃんカットで存在感が増したひとり。それ以前は映画通がアクションを絶賛する女優さんだったと思います」(田幸さん、以下同)
そもそも聖子ちゃんカットとは、松田聖子がデビュー当初の'80年~'81年にしていた髪型。
「聖子さんはデビュー前からこの髪型だったと語っています。当時、海外ではあの髪型にしている女性が多かったそうです」
特に有名なのが、ドラマ版の『チャーリーズ・エンジェル』(アメリカでの放送は'76年~'81年)でのファラ・フォーセット。
「海外の方の髪質だと段を入れるだけであの動きが生まれるみたいですが、日本人の黒髪の場合は一生懸命ブローして作り上げるもの。ゆえに“くるくるしました!”“盛っています!”というオシャレした感に、みんなが引きつけられたのかもしれません」
当時“くるくるドライヤー”は一家に一台あると言って過言でもなかった。
「聖子ちゃんカットは、そのリアルを知る世代には懐かしく、今見てもやっぱり可愛い。
一方、昭和レトロを喜ぶ若い人たちにはすごく新鮮に映るようで、SNSには“美容院で聖子ちゃんカットにしてもらった”という声は結構あります。“やや野暮ったさ&可愛さ”が刺さるみたいです」
だから今、老若男女を問わず聖子ちゃんカット女優には、無条件&反射的にぐーっと寄って見てしまうのだろうと田幸さんは分析。
「『あまちゃん』の有村さんはシャープな顎、丸い顔、パッチリした目が強調されていました。ボリュームのある聖子ちゃんカットは小顔効果があり、眉を見せない前髪が童顔っぽく、強い意志をあまり感じないビジュアルになります。
『不適切~』の河合さんの役は聖子ちゃんカットでも明菜ちゃん寄りのキャラクターですが(笑)、そこが特に“おじさん脳”の方に響くんだと思います。『VIVANT』('23年)もそうでしたが、おじさんまでもが騒ぐとヒットになる。
聖子ちゃんカットをフックに、おじさんを筆頭とした視聴者たちが顔や名前を認識することは、女優さんにとってさらなる飛躍につながる面はあるんだと思います」