娘の彼氏を殺してしまった主人公・鳥栖哲雄(佐々木蔵之介)が、彼氏が所属する半グレ犯罪組織に狙われながらも、命がけで隠蔽する姿を描いたドラマ『マイホームヒーロー』。
ドキドキ・ハラハラの展開で話題となったドラマのその後を描く『映画 マイホームヒーロー』で、謎の青年・大沢隼人を演じているのが宮世琉弥(20)。
共演した佐々木から学んだこと
「僕が演じた大沢は、(同名)原作のコミックに登場するキャラクターからイメージを膨らませて作り上げた人物です。演じる人によってまったく印象が変わるキャラクターだと思うので、プレッシャーはありました。
“僕ならこう演じたい”とお伝えして、監督やプロデューサーの方と話をしながら撮影に臨みました」
ドラマから7年後、刑事となった娘(齋藤飛鳥)や幼い息子、妻(木村多江)と平穏な暮らしを送っていた哲雄。しかし、土砂崩れによって山中に隠した彼氏の死体が発見されてしまう。
ふたたびピンチに陥った哲雄の前に現れた大沢は、彼の秘密を知りながらも協力を申し出る。はたして大沢は哲雄の味方なのか、敵なのか。
「大沢は、ある目的のために手段を選ばない人物。誰よりも彼を理解してあげたいという思いで演じた映画の中の大沢を見て、不思議というか、異様な空気をまとっているように感じてくださったら、うれしいです」
共演した佐々木からは、視野を広く持つことを学んだという。
「あるシーンを撮影しているときに“ここで、これを手に持っていたほうがいいんじゃない”と小道具を持つ提案をしてくださったことがありました。完成した映画を見たときに、そのシーンで小道具を持っていることが後々、活きてくるということがわかって。
前後だけではなく、もっと後ろのシーンにつながるアドバイスをしてくださったことに経験の差を感じましたし、佐々木さんへの憧れがさらに強くなりました」
今作は、平凡なサラリーマンの父が愛する娘のために奔走する、サスペンスやアクション要素が詰まったノンストップ・ファミリー・サスペンス作品。宮世にとって自身の父親はどんな存在かと聞くと、
「ヒーローです。父は、やると決めたら貫き通す人。そんな部分も含め、尊敬できる部分がたくさんあります。僕、小さいころやんちゃだったので、よく父に怒られました。
でも、そのおかげで今があると思っています。(俳優、歌手という)このお仕事も父を含めた家族の応援があるから続けることができていますね」
父親と似ている部分を尋ねると「目」だと言う。
「目と、額から目にかけてくぼんでる感じが似ているんですよね。性格でいえば、思ったことをすぐに口にしてしまうところ。これは、父だけでなく、母親もですが(笑)。母は原作から『マイホームヒーロー』を知っていたようで、映画の公開をすごく楽しみにしてくれています」
20代の目標は映画監督と……
家族のサポートのもと15歳で俳優デビューした宮世は今年1月に二十歳に。3月15日からは主演映画『恋わずらいのエリー』も公開され、4月10日にはアルバム『PLAYLIST』でソロアーティスト・Ryubi Miyaseとしてのメジャーデビューが決定している。
「いろいろなお仕事ができるのは、うれしいです。マネージャーさんから“休みが減ってもいい?”と聞かれたら“はい!”と即答しています(笑)。二十代で叶えたい夢は、監督。以前から、映画を撮りたいと思っていて。これは、一刻も早く叶えたい。
あとは、1週間お休みをいただいて、本当にやりたいことだけをスケジュールに詰め込むこともしてみたいです。
まずは、なかなか約束を実現できない同年代の俳優で、親友でもある(藤原)大祐と(奥平)大兼とごはんに行きます。(なにわ男子の高橋)恭平とごはんもいいんですけど……」
プライベートでも仲がいい、高橋恭平と『映画 マイホームヒーロー』で共演している。
「実は、今日もごはんに誘われていて。でも、外は雪じゃないですか(東京に雪が降った日に取材)。恭平は天気とか気にしないタイプですけど、僕、明日のこととか考えちゃうんですよね。だから、そういうことを考えないでいいタイミングで行きたくて」
今作のドラマ版では半グレ組織のメンバーとして、映画では組織から逃走中のメンバー・恭一として出演している高橋とは、共通の知り合いである板垣李光人を通じて出会い、意気投合した。
「(高橋が)ドラマに出演することが決まったときも連絡をもらいました。“アドバイスをちょうだい”みたいなことを言われたんですけど、どんな現場なのかわからないし、僕のほうが年下なのでどう言ったらいいのかわからなくて。
とっさに話題を変えました(笑)。今回、同じ作品に出演して、アドバイスをしないでよかったと思いましたね。佐々木蔵之介さんという大先輩がいらっしゃる現場で学んだほうが絶対にいいので。
この作品からいろいろなことを吸収した恭平は、すごく素敵なお芝居をしていました。今度、雪が降っていない日にふたりでごはんに行きたいと思います(笑)」
ドラマの7年後が描かれる映画。7年前は、どんな生活をしていた?
13歳の中学生。少しずつ、芸能界のお仕事をさせていただいていたころだと思います。“みんなの前に出られる!”“雑誌の撮影だ!!”って無邪気に思えていたころですね(笑)。
中学、高校と過ごすうちに自分に足りないものや、いろいろな人達に支えていただいてお仕事ができていることがわかると、緊張するようになりました。
以前は、質問されたことに答えるうちに質問内容がわからなくなることが結構あったんです。でも、最近はかなり減ってきたので、成長しているんじゃないですかね(笑)。
映画の見どころは?
正義と悪が問われる作品だと思います。それぞれが自分にとって正義だと思う行動を取っている。映画を見終わったとき「何が正義で、何が悪だったんだろう」と考える作品ですね。
いろいろな意見を聞くことができると思うので、ぜひSNSを通して感想を聞かせてほしいです!
将来、どんな父親になりたい?
好きなことやらせてあげられる大人になりたいです。自分もそう育ててもらったので。
ただ、“生半可な気持ちではやるな”ということは、伝えたいですね。僕自身も芸能活動をはじめるときに父親にそう言われましたし。
自分がしてもらえたことと同じことをしてあげたいです。