2月26日、阪急阪神ホールディングスの角和夫会長が、宝塚歌劇団の理事を退任することを発表。
「昨年亡くなった宙組のAさんを巡っての“いじめ・パワハラ”問題の責任を取る形での退任だとされています」(スポーツ紙記者、以下同)
翌27日には、Aさんの遺族側弁護士が記者会見を開いた。劇団側は上級生らの言動がパワハラに該当するとし、謝罪する意向を明らかに。しかし、具体的にどの行為がパワハラに該当していたかなどを明かすことはなかった。
“ヘアアイロン事件”をジョークに
会見では、Aさんの妹で現役のタカラジェンヌによる悲痛な叫びを弁護士が代読。
「『訴え』と題した妹さんの文書では、パワハラを行った上級生を擁護する劇団側に怒りを示していました。いまだに保身に走る劇団側はスタンスを改めないと、遺族側に容認してもらえないでしょう」
同会見で遺族側弁護士は'23年11月号『宝塚GRAPH(グラフ)』のインタビュー記事内の記述を挙げ、「到底、納得できない」と発言。そこには何が書かれていたのか。
「Aさんにヘアアイロンを押し当て、ヤケドさせたとされる天彩峰里(あまいろ・みねり)さんの発言が問題となっています。彼女は稽古に持っていく荷物に関して《ヘアアイロンを持っていこうかな》《絆創膏など、欲しくなるかもしれないものが沢山入っています(笑)》と回答。Aさんをヤケドさせた“ヘアアイロン”というワードを出したり、(笑)という表現を使用するなど“あり得ないジョーク”を飛ばしたことに遺族側は激怒しています」
発行元は「ご遺族に謝罪したい」
『宝塚GRAPH』11月号が発行された時はすでに、“ヘアアイロン事件”は報じられている。そのような状況下で、なぜ遺族の思いを蔑ろにするような発言をしたのか。
「宙組に蔓延る“いじめ文化”にどっぷりつかってしまい、AさんやAさんのご家族の気持ちを酌むことができなかったのでしょう。意図的に“ヘアアイロン”や“絆創膏”という言葉を使用したわけではないでしょうが、怒りを買っても仕方ない失言だったと思います」(宝塚関係者、以下同)
宙組に“いじめ文化”が根付いた原因として、『週刊女性』は昨年、元トップスターの真風涼帆(まかぜ・すずほ)の影響が大きかったと報じた。彼女はいじめのターゲットに“貴方のそういうところがみんな嫌いなんだよ”などと暴言を吐き、泣かせていた。
「天彩さんも、真風さんやほかの上級生から“指導”を受け、泣いていたことがありました。真風さんのやり方を近くで見ていた天彩さんは、あしき“伝統”を受け継いでしまったのかもしれません」
'23年11月号『宝塚GRAPH』の天彩の発言について、同誌の発行元である『宝塚クリエイティブアーツ』に問い合わせたところ、
「詳細については、宝塚歌劇団等とご遺族との協議に関係する事項となりますので回答を差し控えさせていただきますが、当社として、ご遺族代理人のご指摘は真摯に受け止めており、ご遺族に謝罪したいと考えております。ご遺族との間では代理人を通じて協議させていただく予定です」
と謝罪する意向だという。
遺族側が求めるのは上級生が真実を認め、謝罪すること。今もなお、劇団側の姿勢が問われている。