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「どっちもどっち」
飲食店の中でも特にトラブルが報じられているのがラーメン業界。
「ラーメン業界では、神格化された店主が異様に発言力を持ったり、それを熱烈に支持するオタクが存在し、それゆえに“信者以外”には受け入れられない店も少なくない。トラブルに関してはどっちもどっちというケースも多いですね」(飲食業界誌記者)
迷惑客は別として、店側もおかしい、と──。
以下は、ラーメン好き男性複数人が実際に店で見た光景。皆、「店だけがおかしいわけではないですが」と前置きして話した。
「ある人気の家系ラーメン店で前の客が券売機で食券を買おうとして店に両替をお願いした。まぁラーメン店なんだから大きな札しかないなら先に崩していくものとは個人的に思いますが、それに対して店主が“札ねぇーのかよ!”と激怒。ないから両替しているわけですが、声を荒らげなくても……」
続いて脂と麺量がボリューミーな、いわゆる“ガッツリ系”の超人気店での話。この系統は、客が席に着く前から麺を“見込み”でゆで始める店も多い。客の回転率を上げるためだ。
「店側の事情といったらそれまでですけど、食べるのが遅い人を極端に嫌う。見込みでゆでているからほとんど客は複数人の“入れ替え制”に近いんですが、食べるのが遅いと取り残される。そういう人に注意したり、怒ったりするガッツリ系の店主はいますね。ひどい時だと、遅い人の丼を強制的に取り上げて席を“引っ越し”させ、それを2度にわたって。最終的に店主が“にーちゃん、1日2回引っ越しはねーって”と強制退店させられてました」
「お客さんに水をかけて出禁」
次は同じ店の別の出来事。
「店にはレンゲが置いてないんです。知らずに“レンゲください”と言う人がいて。昔から何度も言われてきたことなのでしょうか。店主は“レンゲなんかそこら中で売ってんだから、買ってこいよ!”と怒鳴っていました。こんな時代なんだから客は調べて来いよとも思うし、店は“うちはない”と言えばいいのに……とも思います」
また別の店の話。『ラーメンの鬼』こと故・佐野実氏を筆頭にラーメン店には特に“こだわり”の強い店主が多いが……。
「店の卓上調味料以外の調味料、一味か七味を持ち込んで勝手に使っていた客がいました。食べ終わりのスープの色が変化していたので、店員が気づいて店主に報告、からの激怒。客を怒鳴って出禁に。その後、偶然同じ人が出禁にもかかわらず再度来店したところ、店主が気づき、また大激怒。水をかけて追い出してました。その店の味はワイルドで、別に多少の調味料でバランスが崩れるような繊細なものでもないのですが」
ラーメン業界におけるトラブル。ニワトリが先か卵が先か、店が先か客が先か──。