1971年の発売以降、老若男女に愛された明治のキャンディー『CHELSEA(チェルシー)』が、2024年3月をもって販売終了するニュースが全国を駆け巡った。
中高年世代なら誰もが1度は口にした経験があるであろう懐かしい味だが、まさに終了の理由が「市場環境や顧客ニーズの変化に伴う販売規模の低迷」とのこと。
このニュースを受けて、SNSでは「寂しい」と惜しむ声と共に、「なくなる前に買いに行こう」と“人生最後のチェルシー”を求めて近所の販売店に足を運んだ消費者も。ところがーー、
「スーパーやコンビニでは軒並み売り切れ報告が相次ぎ、ネット通販でもすでに在庫を切らしている状況。なくなると知っての心理も働いたのでしょうが、やはりというべきか多くのチェルシーが『メルカリ』に流れています。
およそ一箱で100円台、袋入りで200円台で通常販売されている同商品が、数個まとめて1000円〜3000円台、中には10個で1万円近くの高額出品も見受けられます。それでも購入欲に駆られたユーザーがいるのでしょうが、食品“転売”には一抹の不安を感じるのも事実」
ネットトラブルや転売事情に詳しいITライターが不安視するように、
《チェルシーも販売終了ってなった途端にいつもの転売ヤー湧いてるけど、冷静に考えて顔も分からない他人からネットを通じて食べ物買うの怖すぎない…?》
《チェルシーの買い占めと転売? 口に入る物を得体の知れん輩から買うバカはいないよね 毒でも仕込まれたらどうすんの?》
何も混入されていない保証なんて無い
《私なら怖くて買えません。転売ヤーが嫌というのはもちろんですが、どんな状況で保管されているかも判らないし、何も混入されていない保証なんて無いし》
SNS上でも正規販売業者ではない、一般の『メルカリ』ユーザー、しかも転売ヤーが捌いている保証がない、しかも保管状況も明確ではない商品に疑問の声が向けられている。
ちなみにチェルシーに記載されている保存方法は《直射日光および高温多湿の場所を避けて保存してください。》というもの。
「かつて乳酸菌飲料『ヤクルト1000』が高額転売された際にも、10℃以下の冷蔵保存で保管する必要があるところを常温で保存、発送するという、ずさんな管理も問題視されました。騒動を受けて、ヤクルト社は《正規の販売ルート以外で流通したものについては、品質を保証いたしかねます》と注意喚起しています。
そしてユーザーや消費者から多数の問い合わせを受けると、メルカリはガイドライン違反を理由に出品中の『ヤクルト1000』の削除対応を始めたのです」(前出・ITライター、以下同)
なるほど相手の素性を知り得ない、『メルカリ』に出品されている商品は保存・保管状況が正しくなされているとは限らない、しかも購入場所もわからない商品だけに、ユーザーも取引でリスクを追わなければならないようだ。
ガイドラインに違反したチェルシーの出品も
さらに現時点も次々と出品されているチェルシーだが、中にはガイドライン違反に抵触している商品もあるという。メルカリガイド【食品の出品可否について】の項目では、“開封済みの食品の出品の禁止”はむろんのこと、
【消費(賞味)期限および食品表示の記載のない食品は出品を禁止しています。
賞味(消費)期限が印字されていない個包装食品で、外装の賞味(消費)期限が出品画像で確認できないものについても出品できません。】
との表記も。つまり商品の説明欄には「賞味期限・消費期限」を必ず明記、または確認できる写真の掲載義務があり、これらの表示がない出品はガイドライン違反と見なされる。
「チェルシーに限らず、すべての食品において食べて体調を崩したとしても、販売・製造元に訴え出ることもできません。“どちらの店舗で購入しましたか?”と聞かれて、“転売ヤーから買いました”とは言えないでしょう。手を出すならあくまでも自己責任ということです。
利用規約に明記している通り、メルカリはユーザー間でトラブルが生じても【弊社は一切の責任を負わない】【当事者間で解決する】と責任をとってくれませんから」
「ホラ、チェルシー もひとつチェルシー」と勧められても、転売品はお断りしたほうがいいのかもしれない。