警視庁捜査1課は今年1月24日、当時会社員だった柿本隆浩容疑者(34)を現住建造物等放火の疑いで逮捕した。昨年10月6日深夜、容疑者は江東区にあるマンションに住む60代男性の部屋の一部に火を放って燃焼させたというもの。
「容疑者は妻とともに住み込みで管理人をやっていた。火災時、容疑者は妻に119番通報させて、消防署や警察の捜査に積極的に協力していたようです」(全国紙社会部記者)
さらに容疑者は昨年3月から地元の城東消防団に入団。訓練など50回以上も参加していたという。
警察の取り調べに容疑者は、
「部屋を燃やしたことは間違いないが、なんでやったかわからない」
と容疑を認める供述をしているという。同マンションでは昨年8月以降、数件のボヤが発生しており、近所でも不審な出火があったという。
そんな中、2月14日、柿本容疑者は建造物等以外放火の疑いで再逮捕された。昨年9月26日深夜、江東区の路上のプランターなどに放火して、公共の危険を生じさせたというもの。
容疑者は、この件に関しては「やっていません」と容疑を否認しているという。
この連続放火魔の疑いがある柿本容疑者とは、一体いかなる人物なのか─。
周囲とうまくコミュニケーションがとれないタイプ
東京都杉並区に生まれた容疑者は高校卒業後、父親が営む建設設備会社に勤務。しかし、4年ほど前に会社が倒産したため、世田谷区の建設会社に勤めることに。
「うちで働きたいって応募してきた。奥さんと結婚したばかりで、社員寮のあるうちがよかったようです」(建設会社広報担当者、以下同)
しかし、入社から半年ほどで辞めてしまう。
「最初はきちんと仕事をしていましたが、そのうちに“あいつと一緒は嫌だ”“こいつとは働けない”などと好き嫌いが激しく、結局は無断欠勤をするように。周囲とうまくコミュニケーションがとれないタイプでしたね」
その後、1年ほど前に、事件が起きた江東区のマンションの管理人になった。
容疑者は“厄介者”をターゲットに?
「管理人室にいつもいるのは奥さんで、ゴミの分別などをきちんとやる仕事熱心な人。容疑者は管理人室にほとんどいないし、人相も悪かったから、ほとんど話したことがない」(同マンションの住人)
一方で、“気さくないい人”という声も。
「私が散歩していると犬を可愛がってくれたし、とても親切だった。だから彼(容疑者)が放火魔だったなんていまだに信じられない」(別の同マンションの住人、以下同)
容疑者と妻は20歳以上の年の差があったのだが、
「年上の奥さんが“彼はメンタルが弱いから”と言っていました。姉さん女房として支えていたのかな」
近隣住民は、放火は“単なる愉快犯ではない”とも。
「放火された60代男性は、管理人に“マンションの前に止まっている車をどけろ”など、ああしろこうしろと要求する“クレーマー”だった」(近隣住民、以下同)
実は事件が起きた同マンションの別の部屋でもボヤ騒ぎが起きていたのだが、
「40代の無職男性が住んでいて、昼間からマンション前に座って酒を飲んだり、音楽を爆音で流したりするちょっと困った人だった」
容疑者は“厄介者”をターゲットにしたのか─。
とはいえ、消防団に所属していたにもかかわらず、放火という凶行に走った男に同情の余地はない。