2月末に電撃結婚を発表した大谷翔平。公私ともに順調のようだ。
「3月20日の開幕戦に向け、オープン戦に出場しながら調整をしています。昨年9月に右肘の手術を受けましたが、“もうリハビリは終わっています”と話しており、打者としての問題はないようです」(スポーツ紙記者)
日本では多くのメディアが大々的に取り上げた大谷の結婚。ただ、アメリカでは少し事情が異なっているよう。在米ジャーナリストで、エンゼルス時代に大谷の番記者も務めた志村朋哉さんに話を聞いた。
「アメリカではファンが祝福こそしていましたが、日本ほどの盛り上がりはありません。地元・ロサンゼルスのテレビ局が少し取り上げたほか、7億ドル(契約発表時のレートで約1015億円)という史上最高額の契約を結んだという話題性で取り上げたメディアがあるくらい。日本では国民的スターの大谷選手ですが、人種が多様でメディアの数も多いアメリカでは、誰もが知る国民的スターが生まれにくいという事情もあります。野球選手としてはスターですが、アメリカではアスリートの1人という認識です」
自身のインスタグラムで、いきなり結婚を発表した大谷だが、この発表方法はアメリカではどう受け止められたのか。
「SNSでファンに向けて文書を発表するというのは、アメリカではほとんどありません。アメリカでは有名人でも交際しているときから、SNSに恋人との写真を投稿していますし、その流れでSNSに“今日、プロポーズしました”などと結婚報告をすることも多い。今回の大谷選手のように大々的に発表するというのは珍しいです」(志村さん)
お相手を紹介しないのは無理がある
お相手について、「いたって普通の日本人」と囲み取材で話し、素性を明かしていない大谷。一般人を理由に結婚相手を明かさないのは日本ではあることだが、アメリカ人にはどう見えているのか。テレビプロデューサーのデーブ・スペクター氏によると、
「現地ではお相手を明かさないことについて、“(これまで)聞いたことがない”と不思議がられています。大谷さんは少なくとも、今後10年間はアメリカが拠点になりますし、パートナーと一緒に住むでしょう。アメリカで長く生活することになるのに、お相手を紹介しないのは無理があると思います。あまり目立たない日本人選手ならともかく、スーパースターですから。同じチームの山本由伸さんも気の毒です。日本人の先輩が隠していたら気を使って、恋人を球場に呼べないし、結婚もできないじゃないですか(笑)」
結婚相手の素性を非公表とした大谷について指摘したうえで、新妻にはこう“アドバイス”をする。
選手の妻が集まる“夫人会”の存在
「アメリカには日本人コミュニティがあります。現地に長く住んでいたり、日系2世、3世とかさまざまな人がいます。コミュニティを理解してうまく付き合ったほうがアメリカ生活をエンジョイできるでしょう。
でも、ひっそり隠れていたら、コミュニティと付き合うことにも支障が出る恐れがあります。そこまで警戒しなくていいんです。アメリカ人はそこまで野球選手のプライベートに興味ありませんから。奥様を守ると心に決めて、いい大人なのですから堂々としてればいいんですよ。せっかく、おめでたい話なんですし」(デーブ氏)
日本人コミュニティ以外にも、メジャーリーグには“あるコミュニティ”がある。
「選手の奥様が集まる“夫人会”というものが存在します。大谷選手にとって、花巻東高校の先輩にあたる、トロント・ブルージェイズの菊池雄星選手の奥様でフリーアナウンサーの深津瑠美さんが夫人会での写真をインスタグラムに投稿して話題になっていました」(前出・スポーツ紙記者)
この“夫人会”とはどういうものなのか。現地で取材をするスポーツライターの梅田香子(ようこ)さんに話を聞いた。
「夫人会では、どこの球団も病気の子どもたちへの支援などのチャリティー活動を積極的に行っています。松井秀喜さんやイチローさんの奥様もそういった活動をしていました。
イチローさんなどが所属したマリナーズでは、各家庭の料理のレシピを集めた本を発売。その売り上げを寄付するということを毎年行っています。ドジャースも伝統ある球団なので、チャリティー活動にはかなり力を入れています」
大谷が公にしなくても、避けられないであろうコミュニティ。“大谷夫人”とはどんな人なのか。
A子さんは男子バスケ部員にとって“高嶺の花”
『NEWSポストセブン』が報じたところによると、元バスケットボール選手のA子さん。中学生のときにバスケをはじめ、強豪で知られる高校を卒業すると、有名私立大学に進学し、実業団でもプレー。身長は180センチだという。
「大谷選手も帰国したときに使用していた、プロスポーツ選手がよく利用するトレーニング施設で2人は出会ったようです。A子さんが出場していたバスケットボール女子日本リーグ『Wリーグ』のフレッシュオールスターの試合に大谷選手が観戦に来ていたこともありました」(バスケ業界関係者、以下同)
大谷がピンチの時にA子さんもアメリカへと渡っていたという。
「『週刊文春』の報道によるとA子さんは2度渡米していたようです。大谷選手は昨年7月末に2試合続けてふくらはぎなどの痙攣(けいれん)のため途中交代。8月23日には右肘の靭帯を負傷し緊急降板しました。その8月中旬に大谷選手を支えるために渡米。2度目はFA移籍を巡って報道が過熱していた昨年12月ごろに大谷選手のそばにいたそうです」
そんな大谷を支えていたA子さん。子どものころから注目される存在だったという。
「小さいころから抜群に運動神経が良く、バスケのセンスもあったので中学では1年生からレギュラーだったそうです。当時は“背が高くてかわいい子がいる”と評判でしたね。お兄さんもスポーツ万能で中学ではバスケ部でしたが、名門高校に進学した際にラグビー部に引き抜かれたんです」(地元住民)
A子さんの中学の後輩で男子バスケ部だった男性は、当時をこう振り返った。
「A子さんは背が高く、バスケ部のキャプテン、それに美人だったので、高嶺(たかね)の花という存在でした。たしか、ボーイフレンドもいたと思いますが……。バスケの実力も飛びぬけていましたが、チームのムードメーカーでもありました。A子さんがキャプテンのときのチームは、和気あいあいとしていて、とても雰囲気が良かった印象です」
小学生のときは空手をやっていたというA子さん。空手の腕前も相当だったようで、当時通っていた道場関係者に話を聞くと、
「空手の素質もあり、所属していた支部内での試合では、圧倒的な強さでした。背も高いし、“あの子すごいよね。空手の選手になればいいのに”とA子さんを指導していた方とよく話していました。その指導者は“空手を続けないか”と、スカウトしたそうですが、本人はチャンピオンを目指すところまでは考えていなかったようで、“中学生になったらバスケをやる”と話していました」
高身長で運動神経も抜群。社会人まで野球していた父とバドミントンでインターハイや国体に出場した母を持つ大谷のように、“大谷2世”を楽しみにするファンも多い。
「結婚発表後の囲み取材では子どもについて“そうなればいいですけど。自分以外のことは、言うとかなわない気がするので、あんまり言いたくない”と話していましたが、花巻東高校時代に書いた“人生設計シート”には、26歳で結婚、28歳に長男誕生としています。その後、長女と次男誕生ともあるので、子どもはできるならほしいのでしょう」(前出・スポーツ紙記者、以下同)
高校時代に決めていた“最終目標”
子どもが誕生した場合、自分の後を追ってほしい気持ちも少なからずあるだろう。
「37歳で《長男野球を始める》と人生設計シートに書いてあるので、子どもには野球を始めてほしいという思いも当然あるでしょう。野球が身近にあれば、自然と興味を持つかもしれませんが、大谷選手の父の徹さんがそうであったように、強制はせず、子どもがやりたいことをやらせてあげるはず。ノビノビと2世を育てていくでしょう」
2世の育成を目指す大谷には“最終目標”があるよう。
「彼の人生設計シートでは、59歳で岩手のリトルリーグのチームで監督を務めることになっています。大谷選手が小学生の時の『水沢リトル』、中学時代の『一関リトルシニア』では父の徹さんがコーチを務めていました。同じように、自分の子どもや地元の子どもたちを“未来の二刀流”として育てたいという思いがあるのかもしれません」(前出・スポーツ紙記者)
結婚から始まり、子どもの誕生と地元での2世育成。かつて思い描いた“30年計画”が動き出す。
デーブ・スペクター コメンテーターやプロデューサーなどで活躍。アメリカ・シカゴ出身
梅田香子 スポーツライターとしてアメリカに在住し、大リーグを中心に取材活動を行う