3月14日は、宇津井健さんの命日。あれから10年─。
「宇津井さんの息子は、フジテレビで執行役員事業局長という要職にあります。その息子、つまり宇津井さんにとってのお孫さんが、4月からTBSに入社するんですよ。1999年の生まれで、大学卒業後に渡米して、映像の勉強をしていたそうです。帰国して日本のテレビ局に入り、ドラマの制作を希望しているようです」(テレビ局関係者)
宇津井さんは二枚目俳優として多くの映画やテレビドラマに出演した。
「1953年にデビューして人気の若手スターに。1965年からTBS系で放送されたドラマ『ザ・ガードマン』が大ヒット。1974年から同じくTBS系で放送された“赤いシリーズ”では、山口百恵さんの父親役を務めました。橋田壽賀子さんとの縁も深く、TBS系ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』にも出演。日本テレビ系ドラマ『ごくせん』では、仲間由紀恵さんが演じる主人公の祖父役で、当時の若い世代にも知られていました」(テレビ誌ライター)
そんな宇津井さんの孫が、TBSに入社することになった経緯を、フジテレビに勤める息子に聞いてみると、
「フジテレビには入れないんですよ。民放テレビ局は、親子で同じ局には入れないことになっているんです」
業界のルールがあるらしい。ほかにもテレビ局があるのに、なぜTBSなのか。
グローバルコンテンツに強いTBS
「グローバルなコンテンツを制作するのに、TBSは今、いちばん適しているんじゃないかな。世界で活躍できるということなのでしょう」(宇津井さんの息子、以下同)
アメリカ留学は、ロサンゼルスに2年間だったという。
「ただし、テレビ局に入っても、実際にドラマを作ることになるのかどうかはわかりません。若い人たちを見ていると、研修していくうちに、例えばバラエティー志望の人が、ほかのセクションに希望が変わることだってある。彼が本当にドラマ部門に配属されるのかどうかはわからないし、部外者の僕があんまり話すと、TBSさんに迷惑がかかるかもしれないので」
自身はフジテレビでビジネス畑ひと筋、制作には関わったことがないという宇津井さんの息子。それでも大俳優だった祖父と、テレビマンである父の影響については、
「それは確かにあるでしょうね。間違いないと思います」
と、頬を緩めた。
「彼が“赤いシリーズ”を見たことがあるかって? それはないでしょう(笑)。『VIVANT』を制作したTBSは、世界に通用するコンテンツを作れるので、彼がグローバルな作品を作りたいと思っているなら力を発揮できるかもしれませんね」
「ほぼ毎日、墓参りに行っています」
宇津井さんは、早稲田大学在学中に俳優の養成所に入所。大学を中退して新東宝に入社し、役者人生を歩んだ。
「私生活では、1961年に結婚して、息子さんが生まれます。おしどり夫婦でしたが、奥さんは2006年に死去。宇津井さんが2014年に亡くなったとき、亡くなる5時間前に事実婚だった女性と再婚していたことがわかりました。その後、遺産相続と納骨でトラブルがありましたが、後に和解しています」(スポーツ紙記者)
宇津井さんの息子は、父が再婚した女性と連絡をとることはなかったそうだが、
「墓参りには、ほぼ毎月行っています。月命日とは関係なく」(息子)
TBSといえば『半沢直樹』や『VIVANT』といった大ヒットしたドラマがある。天国の宇津井さんもきっと、孫がハリウッド仕込みのセンスで世界で通用する人気ドラマを作るのを楽しみにしているだろう。