3月3日、福島県いわき市にあるリゾート施設『スパリゾートハワイアンズ』に隣接したホテルに、蒼井優と南海キャンディーズの“しずちゃん”こと山崎静代の姿が。
『フラガール』が紡いだご縁
「この日は、2023年8月に79歳で亡くなった初代フラガール小野恵美子さんのお別れ会が開かれたんです。蒼井さんとしずちゃんは、小野さんたちをモデルにした2006年公開の映画『フラガール』でご縁がありましたから、参加したのでしょうね」(地元紙記者、以下同)
『フラガール』は、炭鉱の町から温泉テーマリゾートに生まれ変わった1960年代のいわき市を舞台にした実話に基づく映画。小野さんは1966年にオープンしたばかりの『常磐ハワイアンセンター』(現:スパリゾートハワイアンズ)所属ダンサーで、フラガール初代リーダーとして活躍した。
「映画の主人公は松雪泰子さんが演じる東京から来たダンス講師。蒼井さんは若かりし小野さん役を、しずちゃんは小野さんの同期の素人ダンサー役を務めました」
地元活性のために奮闘する女性たちを描いた映画は話題を呼んで大ヒット。蒼井としずちゃんの演技も高く評価され、それぞれが賞を受賞。さらには映画の共演を通して2人は親友になり、しずちゃんの相方である山里亮太と蒼井が結婚するきっかけにもつながっている。
いわきハワイ交流協会会長で、お別れ会の実行委員長も務めた鈴木常雄さんに、会のいきさつを聞いてみた。
「小野さんのご遺族と“いつかお別れ会をしましょう”という話をしており、みなさんが都合のいいスケジュールが3月3日だったため、この日を選びました」
お別れ会には、いわき市の市長やフラダンサー、映画関係者など約300人ほどが出席したが、多忙であろう蒼井としずちゃんには、あえて案内状などは送っていなかったという。
「お別れ会が開かれることを知ったおふたりのほうから“小野先生のお別れ会があるなら、ぜひ参加させてください”とご連絡をいただいたんです。当日は、特に混乱が起きることもなく、無事に会を終えることができてなによりでした」(鈴木さん、以下同)
「福島は第二の故郷」
“サプライズ参列”だったという2人だが、小野さんといわき市とは、これまでどのような交流があったのか。
「映画の指導をしていた当時から、小野先生は少しアルツハイマーの症状が出ていましたが、おふたりに指導してくださっていました。会場でおふたりはハワイアンズの関係者たちに“小野先生には本当にお世話になった”と話されていました。蒼井さんは、映画の後もプライベートで頻繁にいわき市を訪れて地元のお店に顔を出しているなんてお話も聞いています」
蒼井もしずちゃんも“福島は第二の故郷”と語るほど、映画を通じて特別な感情を抱いているようだ。
「あの映画は2人にとって仕事の転機につながっただけでなく、お互いの関係が親友に発展するなど、人生を大きく変えた作品ですからね。思い入れが深いのだと思います」(前出・地元紙記者)
小野さんのフラダンスは、地元・いわき市だけでなく、蒼井としずちゃんの未来も輝かせたようだ。