警視庁保安課などが3月6日、売春防止法違反(困惑等による売春の未遂)の疑いで逮捕したのは東京都杉並区に住むホスト・森源太容疑者(20)。新宿区歌舞伎町のホストクラブ『club GENTLY TOKYO』で源氏名・愛咲抱擁として働いていた、デビュー半年足らずの新人ホストだ。未払い飲食代のツケ(売掛金)を返済させるため女性客(21)に売春をさせようとした疑い。容疑を否認している。
夜の仕事のほうが稼げるよ
「森容疑者が女性のSNSにメッセージを送ったのが始まり。女性は昨年10月から店に通うようになり、11月には新人ホストが売り上げを競うイベント『登龍門』で森容疑者から頼まれて78万円の高級シャンパンを注文し、約50万円の売掛金を抱えた。森容疑者はSNSで毎日返済を催促し、“夜の仕事のほうが稼げるよ”と性風俗店の仕事を紹介。さらに“売春すればすぐに売掛金を返せるでしょ”と迫り、同年12月下旬ごろから歌舞伎町の大久保公園周辺で売春の客待ちをさせるようになった」(全国紙社会部記者)
手口は強引で「売り掛けの支払いが終わるまで預かる」と女性のマイナンバーカードと健康保険証を取り上げ、
「私服警官がいるからしっかり見分けるように」
「LINEとか見られるから常に消しとくこと」
「ホスト行ってることも言わない」
などと指示。捜査の手が自分には及ばないよう念押しをしていた。
本人のプロフィールによると、不動産営業職を経て昨年10月にホストに転向。「金髪犬系」「店で1番あざとくしてます」と自己アピールし、「ナンバーワンになりたい」と成り上がり願望が強かった。
78万円のシャンパンが効いたのか、昨年11月の『登龍門』でトップになり、以降は“登龍門覇者”を名乗った。
同業者の男性はこう話す。
「業界の慣習で売掛金は担当ホストが肩代わりする。もし女性客が飛んだら、担当の責任。ホスト歴半年の新人が売り掛けなんかして払えなかったらたいへんなことになる」
自宅は築30年以上の賃貸アパート。1Kで家賃は月6万円程度という。
「金髪のこの男は何回か見かけたことがある。会釈に気づかないフリをされたので印象はよくない」(近所の男性)
住宅設備も交通の便もいいとはいえず、生活は慎ましかったとみられる。
一方、覇者の自信か、格言めいたSNS投稿が目立つように。
《勝者だけ注目され、敗者は勝者のストーリーになるだけ》(1月15日付)
《俺は村長。自分の村をデカくしたい。そのためには大量のどんぐりが必要な訳で、1人の村人から100個どんぐり貰っても村はデカくならない。100人の村人から1個ずつ貰いたい》(2月9日付)
売掛金が回収できなければ“覇者”の称号も怪しくなる。
勤務先のホストクラブは「何もお答えすることができない」
勤務態度はどうだったか。売掛金は最終的にどう処理されるのか。勤務先の店舗を訪ねて取材を申し込むと、
「愛咲抱擁については何もお答えすることができません。売掛金についても同じです」
と担当者。登龍門の売上金額も公表していないという。
元同僚は囁くように話す。
「愛咲クンは鼻につくタイプではなかった。少なくとも嫌なやつではない」
とんだ犬顔かもしれない。