芸能界で活躍するタレントにとっては、1つのスキャンダルが命取りだ。
たとえ事実無根であっても、疑いを持たれた時点で世論が敵に回り、SNSで槍玉に挙げられてしまう。
記憶に新しいところでは『週刊文春』によって性行為強要疑惑報道を向けられた「ダウンタウン」の松本人志(60)が良い例だ。
本人は自身のX(旧Twitter)において「事実無根なので闘いまーす」と主張し、以降は裁判に注力するため、一時的にメディアへの露出を休止している。
松本騒動に意見した指原にも飛び火
このスクープに対して世間の反応は大きく、まだ詳細な情報も明かされていない現時点においても、「セクハラしたにきまってる」とする声や「やってないと本人は主張している」という水掛け論があちらこちらから聞こえてくる状況だ。
そんな中、これまで松本と頻繁に共演していたHKT48の指原莉乃(31)は、昨年12月29日にフジテレビ系で放送された『ワイドナショー年末ゴールデン生放送SP』に出演。
かつて本番組でMCを務めていた松本に対して、性行為強要疑惑について報道すること自体が、被害者への「セカンドレイプなんじゃないか」と私見を述べた。
このコメントはまだ裁判も始まっていない中で、『週刊文春』の報道を事実とした上での発言だったため、公平性には欠けるものであった。それゆえ、ネット上では指原の発言に批判も生じていた。
中には、過去に指原が自身の所属するHKT48のメンバーに対して行った行動が、《サシハラスメント》と揶揄して批判するネットユーザーも登場したところである。
後輩メンバーへの「サシハラスメント」
この「サシハラスメント」という造語は文字通り、指原が行ったとされるセクハラ行為を意味する。
問題の動画とは、今から10年も前の2014年に放送されたTBS系『HKT48のおでかけ!』で、指原がHKT48の未成年メンバーの胸に触れたり、キスをするというスキンシップを行っていたとするもの。
バラエティー番組の企画ということもあってか、当時はこの程度の演出はアリと見なされていたため、リアルタイムでは話題になることもなかった。
しかし現在の基準で見れば異常な光景ではある。こうした行為を今になってネットユーザーが咎める理由について、ある芸能記者はこう説明する。
「指原は、テレビでまだこれから裁判で事実関係を明かすという段階である松本を黒と決めつけるような発言をしたことで、ダウンタウンファンの逆鱗に触れてしまいましたね。
そこでファンは返す刀で『じゃ、あなたのこの言動はどうなんですか』という指摘に走ったんですね。中には彼女がCM出演している企業に意見をメールする人なども出ており、今後の活動への影響も心配されるところです」
事実、指原のコメントへ違和感をおぼえてしまった視聴者や松本のファンによる反感は決して少なくない。ネット上では
《辞めても何も困らないんだけど、他人のセクハラ行為糾弾しておいて、自分のセクハラ行為にはダンマリで逃亡は卑劣極まりない。他人に説明責任求めてんだから、辞める前に説明責任を果たすべきじゃ無いですかねw》
《素朴な疑問なんですが、なぜワイドナショーは指原莉乃さんにサシハラスメントについてのコメントを求めないんでしょうか》
《あれだけテレビで偉そうに語っておいて自分のターンがきたら逃げるのは草なんよ》
と、非難の声が見受けられる。
下手に反応せずに大炎上を防ぐあたりは流石のサッシー!
SNSユーザーが自身の発言が災いして炎上に見舞われた場合、どうにか騒動を収束させようと足掻くという光景はよく見られるもの。
だが、その対応を間違ってしまうと、さらに火の手は大きくなってしまう。
謝罪風の言い逃れをしてみたり、早々に「誹謗中傷を知り合いの弁護士に相談します」などと主張してしまうと、火に油を注ぎがち。
ではどう対処するのが有効かと言えば、それは“何もしない”ことである。
「指原批判が強まるようになって以降、彼女はSNSの更新は続けていますが、いわゆる『サシハラスメント』関連については一切のリアクションをしていません。
そのため、『ワイドナショー』での発言直後こそ大勢から反感を買いましたが、現在ではその批判の数もかなり減っている状況です。
そもそも指原自身が、年末の放送回で批判した松本と同じく、かつて『週刊文春』に交際報道を掲載されているという立場ですが、彼女は報道以降、当時所属していたAKB48から、HKT48への移籍となっています。
この時の経験から、下手に反応するとさらに炎上してしまうということを学んだのでしょう」(前出・芸能記者)
一度やらかした失敗をバネに、SNS運用に関しては炎上を早期に終結させる手腕を見せた指原。そもそも炎上しないことが大事だが、もしそうなったとしても余計な延焼を食い止めている辺りがさすがである。
しかし、これまで幾度となくファインプレーを見せてきた指原が一方の主張だけを信用して発言してしまったことは迂闊だったのでは?
取材・文/松本ミゾレ