3月13日、『NEWS』の小山慶一郎が結婚を発表した。お相手は『AAA』の宇野実彩子。
芸能事務所「STARTO ENTERTAINMENT」(旧ジャニーズ事務所)所属のタレントの結婚は、今年に入って4人目となる。1月11日に『ももいろクローバーZ』の百田夏菜子との結婚を発表した『KinKi Kids』の堂本剛、同16日に元日テレアナウンサー・笹崎里菜との結婚を発表した『KAT―TUN』の中丸雄一、3月3日に一般女性との結婚を発表した『NEWS』の加藤シゲアキに続いた。
しかも、4人中3人のお相手は芸能界の人間。ジャニーズ事務所時代に、2か月以内にこれだけ続けて結婚が発表された例はない。まさに結婚ラッシュと言っていいだろう。
今では都市伝説となっているが、嘘かホントか、かつてジャニーズには「結婚は1グループで1人」という規則があるとされていた。
以前ほど心配しなくなった「ファン離れ」
ジャニーズに限ったことではないが、アイドルが人気を維持するための必須条件の1つに“熱愛・交際禁止”というものがあった。もし交際相手がいたとしても、ファンにもマスコミにも絶対悟られないように、事務所もタレントを守っている。それは事務所の方針だけでなく、アイドルを自認するタレント自身が自分に課していた“戒律”のようなものでもあった。
「熱愛や結婚でファンは悲しみ、怒り、離れていき人気が下落する」と見られていたからだが、それは今でも変わっていないように思われる。実際、小山の結婚では、小山が結婚指輪を堂々と見せたことや宇野が過去に自作曲の歌詞において“匂わせ”をしていたことなどが明らかになったことで、双方のファンから“恨み節”が聞こえてきている。
とは言っても、タレント自身が大きなダメージを負うとは限らない。老舗芸能プロの幹部はこう語る。
「熱狂的なファンは“推し”に交際相手がいたり結婚されたりしたらショックで、ファンを辞めようとなる気持ちもよくわかります。特にアイドルの場合は、そういったファンの動きがライブの動員数やグッズの売り上げに大きく響きますから、事務所も“ストップ”をかけるわけです。ただ、俳優の場合はそれほど気にすることはないと思います。旧ジャニーズ事務所のタレントたちで、今は俳優で成功している人も多いですから、以前ほどファン離れを心配することもなくなったのかもしれません」(老舗芸能プロ幹部)
“スーパーアイドル”の量産
一方、所属タレントの結婚を事務所側が大歓迎しているかというと、むしろ懸念を抱いている人間は多いという。
「ファンが離れてしまうことで困るのは、本人というより事務所です。ライブやグッズだけでなく、ファンクラブの会員数が減るわけですから。旧ジャニーズタレントたちのファンクラブ会員数を見ても、会費は相当な額になり、安定した収益ですからね」(元ジャニーズ事務所関係者)
ただ、アイドルファンの多くは、結婚した“推し”のファンを辞めたら、それで“推し活”を辞めるのではなく、次なる新しい“推し”を探すものだという。幸い、かつての旧ジャニーズ事務所には今か今かとデビューを待つ予備軍が溢れていたため、“推し”の結婚で悲観に暮れることなく、また新たな希望を見つけることが困難ではなかった。ところが……。
「旧ジャニーズ事務所のころは、短いサイクルでの新しいグループの結成がしばしば話題になりましたが、最近では『Aぇ!group』のCDデビューが決まったぐらいで、以前ほどJr.の話も聞こえてこない。新事務所は始動したばかりなので、これからだとは思いますが、旧ジャニーズ事務所のような“スーパーアイドル”の量産は望めないのではないでしょうか」(前出・老舗芸能プロ幹部)
スターの誕生には、もちろん個人の才能が大きな比率を占めるが、それ以上に発掘し才能を引き出し、育成、プロデュースする能力に長けている人間が必要となるのは言うまでもない。
もっとも、滝沢秀明による『TOBE』の台頭やその他タレントの独立が続く流れを見る限り、スーパーアイドルを育成したとしても、その後の懸念は消えないが……。新事務所の前途は多難だ。