愛子さまの袴姿(撮影/JMPA)

「3年間はオンライン授業で、最後の1年はこのキャンパスに通い、たくさんの新しい学びを得て、充実した4年間を過ごすことができました。すばらしい先生方や友人たちと出会えたこともうれしく、またありがたく思っております」

 3月20日、愛子さまが学習院大学文学部日本語日本文学科を卒業された。青空が広がりつつも、やや風が強かったこの日。4月から日本赤十字社の嘱託職員として社会に出られる愛子さまを後押しするエールのような春風だった。

知性とセンス見本のような袴姿

愛子さまの袴姿(撮影/JMPA)

 ファッションジャーナリストの日置千弓さんは、愛子さまの袴姿について、

「花弁が舞う淡い桜色の振り袖に、紺色の袴。そして髪飾りの桜。抑えた色調ならではの、品のある華やかさが、なんて素敵なんでしょう! 調和もしっかりと取れたお姿です」 

 と、絶賛。ひと言に“ピンク”といっても、淡い色調を含めると無数にある。

「くすみがあったり、やや黄色がかっていたり。だから、着物と同系色の髪飾りを選ぶことは意外と難しいんです」(日置さん、以下同)

 似ていても少しズレた色、例えば“青みがかったやや派手なピンク”の髪飾りだった場合には、気品は下がって見えてしまうそう。

「雅子さま同様、とても繊細な色を見分けてお選びになっているところに知性とセンスを感じます」

 帯揚げの色選びも完璧で、“袴着こなしの見本”のようなコーディネートだという。

「最近はやや下火になりましたが、チュールやフリルをどこかに配したり、ヒールのブーツを合わせたり。そんな“今風着物スタイリング”ではなく、バッグとおそろいのシンプルなお草履を合わせたクラシカルスタイルが、やはりいちばんきれいだと思いました」

 愛子さまは、3月26日から1泊2日で伊勢神宮(三重県)と神武天皇陵(奈良県)を参拝され、大学卒業と就職を報告される。

今年度からのキャンパスへの通学について

《先生やほかの学生さんたちと、教室で同じ空間や同じ時間を共有しながら授業を受けることや、授業で出された課題に取り組むべく、休み時間に図書館や研究室に調べ物に行くこと、そしてまた、友人たちと対面で交流することができるようになりました。その転換期を経験し、以前は当たり前であったこれらのことがいかに尊いものであるのか、実感することとなった学生生活でもありました。

 高校までの友人たちとの嬉しい再会とともに、大学入学後の新たな友人たちとの交流も始まり、学年の枠を越え、友人たちと一緒に授業を受けたり、直に話をして笑い合ったり、学内の様々な場所を訪れたりしたことは、私にとって忘れることのできない一生の思い出となりました

卒論テーマの決定について

《中世の和歌の授業を履修する中で、和歌の美しさや解釈の多様さに感銘を受けたことから、大学における学業の集大成として書き上げた卒業論文では、中世を代表する女流歌人の一人であった式子(しょくし)内親王とその和歌を扱い、『式子内親王とその和歌の研究』という題で執筆を致しました》

卒論執筆のご苦労について

調べる資料や範囲が膨大で、一つのことを調べていると、次から次へと調べなければならない事柄が出てきてなかなか終わらず、特に締切りが近づいた昨年末は、気が遠くなるような毎日を過ごしておりました。

 また、作成する文章の量が、授業で課される普段のレポートに比べて遥かに多かったため、註を付ける作業など、論文としての体裁を整えることにも時間を要しましたが、指導教授の先生からのアドバイスと心強い励ましのお言葉、研究室の皆様の温かいサポートを頂き、無事に提出できた時には、ほっとした気持ちと同時に大きな達成感がありました。御指導頂いた先生方を始め、関係していただいた皆様に深く感謝しております》

将来的な海外留学や、大学院進学のご希望について

《将来の勉学については、現在のところ具体的には考えておりませんが、来月より日本赤十字社の嘱託職員として勤務させていただくことになりましたので、皇族としての務めを果たしながら、社会人としての自覚と責任を持って、少しでも社会のお役に立てるよう、公務と仕事の両立に努めていきたいと思っております》