3月26日、『マルコメ』が自社で製造販売する『プラス糀 生みそ 糀美人』にゴキブリの一部が混入していたことを発表。同商品は全国のスーパーなどで販売されており、出荷された約10万点を自主回収するという。
ゴキブリの一部が混入とは穏やかではない。食の安全については、消費者たちも敏感だ。
《マルコメのプラス糀のお味噌、ときどき買っていたからすごいショックすぎる……》
《わが家は夫との話し合いの結果、自主回収の製造番号ではないが今使用中のお味噌とストックのお味噌の両方を捨てるという決断に至りました》
《マルコメのプラス糀 生みそ 糀美人、大好きで使ってる。ホームページに書いてあるのとは違うけど、賞味期限1か月違いで怖いから捨てる》
など、SNSでは愛用する消費者から動揺する声が広がった。
今回の異物混入について、同社広報に話を聞いた。
「経緯としては、3月8日にお客様から“異物が入っている”との連絡をいただきました。お客様は商品を新規開封して、調理を始められ、もう一度みそを足そうかなというときに、目視でお気づきになられたと聞いています。現物を送っていただき、週明けの3月11日に受理して、異物を確認いたしました。同日に保健所に連絡をしたうえで、社内調査および外部の専門機関2社に検査と調査の依頼をしました」
そこで混入していた“異物”がゴキブリと特定されたという。
「隠ぺいにもつながりかねないため」
「虫の一部分しか発見されなかったもので、種の特定には至りませんでしたが、専門機関からも“おそらくゴキブリだと思われる”との報告を受けました。隠ぺいにもつながりかねないため、弊社ホームページで混入したものはあえて“ゴキブリと推定される”と記載しました。また、虫の一部しか発見されなかったため“推定”と記させていただいています」(『マルコメ』広報担当者、以下同)
食品を扱う大手企業の責任として、信頼を失わないためにわざわざ“ゴキブリ”と記したと語る。では、混入経路についてはどうか。
「外部の専門機関にも、かなり細かく検査と調査をしていただきましたが、混入経路については特定に至っておりません。即座に回収を発表すると弊社の電話回線がパンクしますので、外部のコールセンターに専用ダイヤルの開設準備が整ったのが、最短で3月26日の午前9時でした」
自主回収の対象となるのは『プラス糀 生みそ 糀美人』の650gと325gの2種類のうち、賞味期限に《2024年12月/JR》と記された商品という。ほかの消費者から混入の訴えはあったのか。
「現時点においては、3月8日にご連絡いただいたお客様の1件だけです。保健所からは多発性が認められるものではないため、即回収という指導は受けておりませんでした。しかし、いくら異物が入っていないとはいえ、お客様としたら心理的に気持ち悪いと思いますので、3月21日に混入の可能性がある商品をすべて回収すると決めました。22日の午前中からは、全国のスーパーやお得意様先に自主回収する旨の連絡をして、売り場の棚から外していたくようお願いをしました」
それでもマルコメ味噌を買い続ける
しかし、『マルコメ』は2017年から2022年にかけても、商品にゴム片やカビなどの“異物混入”が起きている。繰り返されてしまう理由について尋ねると、
「こういう理由ですと、明確にご回答差し上げられず、本当に申し訳ありません。今回のことも含め、もっと改善の余地がないのか、設備投資などを含めて、品質の向上に努めてまいりたいと思います」
SNSでは動揺する声がある一方で、消費者からは応援の声もあがる。
《昔ながらの無添加のお味噌を作り続けてくださり、心からありがとうございます》
《回収騒ぎになっているマルコメさんの糀味噌。とっても美味しくて、何度もリピートしていて、これからもリピートします。なくならないでほしいよ~》
《それでも私はマルコメのお味噌を買い続けるけどね!! うめぇからな!》
こうした声もあることを聞いたところ、
「そういった、ありがたいお言葉がいちばん、胸に痛く響きます。同じようなことがないよう、信頼回復に努めていく所存です。混入の可能性のあった製造ロットの商品は、すでに小売店さんの棚から外していただいております」(広報担当)
該当する商品の回収については、同社の回収専用のフリーダイヤルまたはWEBページで受け付けているという。