韓国でのサンディアゴ・パドレスとの開幕戦以降、8試合で37打席に立つもいまだホームランを打っていないロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平に、早くも国内メディアがざわつき始めている。
4月2日(日本時間4月3日)のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦に2番・指名打者で出場した4打席も快音は聞こえず、2022年の「8試合目、31打席目」のワースト記録をさらに更新する“緊急事態”に。
絶好調の“MVPトリオ”の1人、ムーキー・ベッツがすでに5号を打っているのに対して、昨季44本のアメリカンリーグ・ホームランキングがいまだ0本。しかも投手を封印して、打者1本で臨んでいるシーズンでの“不発”ぶりは予想外と言えよう。
3月31日のジャイアンツ戦では球団最速の打球速度115.8マイル(約186.4キロ)を記録するなど、調子は悪くないように見えるが打球がとにかく上がらない大谷。しかもチャンスでの凡退も目立つことで、現地の辛口ファンからは早々に「1000億円プレイヤーは期待はずれ」との厳しい声も。
やはりシーズン開幕早々に、スポーツ違法賭博で球団から解雇された水原一平元通訳の不在、また自身も関与の釈明に追われた影響がバッティングを狂わしているのだろうかーー。
「それでも“打てなくても一面”になるのは大谷だけでしょう」とは、プロ野球を中心に取材するベテランジャーナリスト。
今日もホームランは出ませんでした
2024年シーズンの開幕以降、いや、キャンプやオープン戦が始まって以降、いや、ドジャース入団が決まって以降のスポーツ紙一面を何度も飾り、田中真美子さんとの結婚を含めて一挙手一投足がネットニュースでも報じられてきた大谷。
「各テレビ局も同様に、スポーツニュースのトップで伝えられるのが“今日の大谷”です。ドジャースでの初ヒット初打点に沸き立っていたのが、最近では“今日もホームランは出ませんでしたね”とのアナウンスと、元プロ野球選手による“なぜホームランが出ないのか”の解説がセットになっている印象。
そして昨シーズン同様に、大谷選手の成績をひと通り伝えた後にチームの試合結果の流れが、今シーズンは少々意味合いが違っていますね(苦笑)」(前出・ジャーナリスト、以下同)
ホームラン王のタイトルに2度のMVP受賞のほか、投手や打者としての個人成績ばかりが目立ったアナハイム・エンゼルス時代。大谷のプレー紹介後に「なおエンゼルスは試合に敗れました」との、とってつけたような試合結果がスポーツニュースで繰り返されたことで「なおエ」なるネットスラングも生まれた。
「エンゼルスとは異なるのが、ベッツらスター選手が揃うドジャースは大谷が打てなくても勝てること。もちろん好不調の波は誰にでもあるのですが、仮に低調なシーズンを送ることになれば、“なおドジャースは試合に勝利しました”とのニュースが多くなるかもしれない」
今季は「なおド」が多くなりそう
大谷“不発”の一方で、8試合を終えて6勝2敗でナショナルリーグ・西地区の首位を走っているドジャース。チームの得点は52点、本塁打数も12本でともに同地区1位と打ちまくっている。
SNS上でも《大谷3打数無安打なおド》《「なおド」になってて複雑やな》《大谷翔平ノーヒット、なおド 今季はこれは多くなりそう》と、“なおエ”とは逆の意味で使われる“なおド”がすでに浸透しつつある。
「ホームランキングのMVPを相手に対戦チームが厳しくマークするのは当然ですし、ア・リーグからナ・リーグに移ったことで慣れない“初物”投手との対戦が多くなっていることも関係しているのかなと。
昨季よりも引っ張にいくケースが目立っていますが、プロにしかわかり得ない微妙なタイミングのズレもあるのでしょう。それでも対戦がひと回りした頃にはアジャストさせて、ホームランも量産体制に入ると思いますね」
今日、大谷選手がホームランを打ちました! との活躍も含めた、“なおド”のニュースを多く見たいものだ。