《なぜ加害者ではなく、2人が辞めないといけないのか》
《もうこんな場所にいたくないと絶望したのだとしたら、こんな悲しいことはない》
宝塚歌劇団・宙組の彩妃花と葉咲うららの2人が3月31日付で退団した。
「彩妃さんは昨年9月に亡くなった宙組団員のAさんと同期で、同郷の京都市出身。葉咲さんは'20年に入団し、Aさんの後輩として宙組に配属されました。退団理由は明かされていませんが、Aさんを巡っての劇団の不誠実な対応を目の当たりにしたことも要因のひとつだと考えられています」(スポーツ紙記者、以下同)
遺族に謝罪文を提出
2人の退団発表の3日前、Aさんの遺族側代理人弁護士は、劇団と合意書を締結したことを会見で明らかにした。
「劇団はこれまで否定してきたパワハラ行為を認め、宙組の上級生らを含めて、少なくとも10人が関わっていたことが明かされました。会見時に6人のパワハラ該当者は、遺族への謝罪文を提出していたそうですが、残り4人は提出していませんでした。気になるのは、Aさんにヘアアイロンを押しつけ、火傷させたとされる天彩峰里さんが謝罪文を提出していなかったこと。Aさんに対する具体的なイジメ行為だったため、天彩さんの動向にも注目が集まりました」
天彩の謝罪について、劇団に問い合わせたところ、
「合意書締結時点で原本が間に合っていないとお伝えした謝罪文については、合意書締結後速やかに、代理人を通じてご遺族にお渡ししています」
と回答があり、すでに謝罪文の提出は済んでいるとのことだった。
「加害者は退団するべき」
天彩は'23年11月号の『宝塚GRAPH』で《ヘアアイロンを持っていこうかな》と発言したことにも批判が集まり、発行元の「宝塚クリエイティブアーツ」は、3月28日に公式HPで天彩の発言箇所を謝罪。
「天彩さんのインタビュー記事では、Aさんがヘアアイロンにより火傷を負ったことを想起させる発言があったほか、(笑)という表現も使用していました。発行元は《ご遺族の心情を著しく傷つけるものでした》と公式HPで謝罪しました。ちなみに、掲載にあたって天彩さんの原稿チェックはなかったそうです」(芸能ライター)
謝罪に至った経緯について、宝塚クリエイティブアーツに問い合わせたが、
「ご質問につきましては、回答を差し控えさせていただきます」
と具体的な回答はなかった。
昨年からその分厚いベールが剥がされ、パワハラ体質の実態が明るみに出た宝塚歌劇団。やっと遺族と和解し、事態は収束に向かうと思われたが、SNS上では……。
《ハラスメント行為がお咎めなしでいいのか宝塚歌劇団》
《加害者は退団するべき》
など、パワハラ行為をした上級生らがいまだ“お咎めなし”という状況に疑問の声が上がっている。
イジメ当事者への処遇についても劇団に聞いた。
「3月28日の会見で説明差し上げた内容以上のことは、回答を差し控えさせていただきます」
パワハラ行為を認め、遺族へ歩み寄る気持ちを示した劇団。あしき慣習を捨て、体質も改善し、今後より一層の真摯な対応が求められる。