外国出身の力士としてはじめて横綱となり、大相撲界に一時代を築いた第64代横綱・曙太郎さんが心不全のため亡くなった。引退後は親方として東関部屋で指導にあたり、2003年には日本相撲協会を退職。K-1への参戦など、総合格闘家としても世間の注目を集めていた。
曙太郎さんの悲報を受けて
しかし、2017年に体調不良を訴えて搬送。その後リハビリを続けていたが、今年4月、54歳という若さで帰らぬ人となってしまった。悲報を受けて、
《この時代の大相撲は本当に面白かった……あまりにも早すぎてショックです》
《この年で亡くなるとは、悲しいです。やっぱり体に負担がかかっているのかな》
《若くして亡くなる相撲関係者が多すぎる気がする》
という声が上がっている。
「昨年末には、元関脇の『寺尾』として活躍した錣山親方が60歳で亡くなりました。2021年には元幕内の『光法』で、元音羽山親方でもある峯山賢一さんも47歳という若さで亡くなっています。名横綱として知られる千代の富士(九重親方)も61歳、相撲協会理事長も務めた北の湖親方も62歳で逝去されました」(スポーツライター)
日本人男性の平均寿命と比べると
厚生労働省が発表した「簡易生命表」によると、2022年時点で日本人男性の平均寿命は81.05歳だという。これと比べると、やはり力士たちが早くして亡くなっている印象は拭えない。
「例えば大関の貴景勝貴信は、昨年おこなわれたジェラートピケのイベントで、卵を1日1パック食べることを明かして会場を沸かせていました。また、力士の食事は基本的に1日2食というのも有名な話。体を大きくするのもトレーニングのうちですが、やはり特殊な食生活が体にかける負担というのは大きいのかもしれません」(前出・スポーツライター)
もちろん相撲協会も何も対策を講じていないわけではない。定期的に力士の健康診断をおこなっており、協会の公式SNSでは「健康診断のオフショット」も見ることができる。
病気や体調の面だけではなく、怪我のリスクも力士にはつきまとう。2021年には三段目力士の響龍さんが取り組みの際に頭部を強打。入院しておよそ1カ月後に亡くなっている。2022年には宇良和輝が土俵から落ちた際に頭を打ち、一時騒然とする事態も。同年に頸椎を負傷した元幕内の石浦鹿介は、2023年の引退会見で《無理して続けて下半身不随とかになるのは嫌》とも語っている。
どんなスポーツでも体に負担はかかるとはいえ、やはり若くして亡くなる力士が存在するのは心苦しいもの。大相撲の発展のためにも、より健康に配慮した生活、トレーニングが求められるのではないだろうか。